奈良ひとまち大学

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ひとまちブログ

お菓子がもたらす幸せ時間

2023.09.02 | 授業 | by Staff

今回の授業のタイトルは「フランス伝統菓子を伝統のまちで ~フランスのお菓子と奈良のこと~」。
フランス伝統菓子・・・その言葉の響きだけで心がときめきます。
学生のみなさんと同じぐらいこの日を心待ちにしていました。

授業の前日、「MAISON WENIKO(メゾン ベニコ)」に立ち寄らせていただきました。
白壁に少し深めのフランボワーズ色の窓枠が印象的な外観。
窓枠の上に佇む裸電球にも目がとまります。

お菓子がもたらす幸せ時間

思わずドアを開ける手が期待感から小刻みに揺れてしまいました。
暑い日でしたが、窓辺に並ぶ焼き菓子たちや木棚のコンフィチュールたちが魅せるやさしい表情に、身体の空気が入れかわりました。

お菓子がもたらす幸せ時間

奥からオーナーパティシエールのWENIKOさんが姿を見せてくださり、フランス・アルザス地方の小さな村にTime Trip。
焼き菓子とコンフィチュールのお話を聞かせていただきながら、その手に見とれます。
このお菓子たちを作りだす魔法の手。
そして力強い瞳。
お菓子を大切に抱え、お店を後にしました。

そして、授業の日。
お店の窓枠の色より明るめのワンピース姿のWENIKOさん。

お菓子がもたらす幸せ時間

昨日のパティシエールの装いとは一転、軽やかな雰囲気がまた新鮮。
自転車で教室である生涯学習センターまで来ていただいたとのこと。
自転車に揺れながら運ばれた、みなさんにお出しする小さな羊たち(アニョーパスカル、フランス・アルザス地方でイースターに欠かせない伝統菓子)。
お皿に乗せながら、焼き型のことを質問。

お菓子がもたらす幸せ時間

たくさんの型があるというわけではないので、この授業のために5回に分けて焼き上げてくださったそう。
小さな陶器の羊型がオーブンの中に並んでいる・・・想像しただけで愛おしくなります。

授業の様子は、「ひとまちレポート」をご覧ください♪
「フランスと奈良」
https://nhmu.jp/report/39988

授業も終わりにさしかかる頃、このお菓子にコンフィチュールを添え、温かい紅茶とともにみなさんにお召し上がりいただきました。
殺風景な教室に小さな虹がかかったような、幸せな香りが広がります。
MAISON WENIKOのHPの中に、「この世でいちばんおいしいお菓子って、大切な人のためにつくるお菓子だと思うんです」とありました。
丁寧に想いをこめてつくられるからこそ深く記憶に刻まれる。
今日のアニョーパスカルたちも、学生のみなさんを想って作られたお菓子たちです。WENIKOさんの確かな手と瞳、フランス伝統菓子への想いがいっぱいつまった小さな羊たちが、幸せを運んでくれたんですよね。

お菓子がもたらす幸せ時間

引っ越し&旅好きのWENIKOさんですが、ご本人曰く、運命によって引き寄せられた奈良にできるだけ暮らそうと考えておられるそう。
農家さんとつながりながら、奈良の素材で奈良のお土産づくりにも力を注ぎたいと語ってくださいました。
美しい感性と行動力をあわせ持つWENIKOさん。
「おいしい記憶の、真ん中へ」を掲げながら歩くお菓子の道は、まだまだ旅の途中のようです。

(お菓子な世界)

5つの顔を持つ料理人!?

2023.08.26 | 授業 | by Staff

授業「食堂の店主は行政書士!? ~5つの仕事ができちゃう理由~」の先生は、5つの顔を持つ、自称「やりすぎ料理人」として活躍している奥本さん。
1つ目の顔は行政書士、2つ目は銀河食堂、3つ目はキッチンカー、4つ目はライディングアドバイザー、5つ目はとんかつ銀河・・・。

5つの顔を持つ料理人

ン!?とんかつ銀河って聞いたことあるな・・・。
「あれ!?30年ほど前に出前でよく見た人だ!!」と、一瞬でその頃に引き戻されました。
当時、電話で注文する時も忙しい空気が伝わってくる大人気のとんかつ屋さんでした。
その配達に時々来ていたのが息子である奥本さんだったそうで、まあ立派になられて、またご両親も現役で続けられているということで、感慨もひとしおの再会でした。

5つの顔を持つ料理人

授業の様子は、「ひとまちレポート」をご覧ください♪
「5つも仕事が出来るってスーパーマン??」
http://nhmu.jp/report/40034

奥本さんは、自分の夢を実現させることで5つの顔を持つことになったようですが、そのノウハウを惜しげもなく語ってくださいました。
そのなかで苦労もたくさんしてきたのでしょうが、やはり夢は「好きなこと」「自分がやりたいこと」がベースなので、並行して同時に楽しんで進めることができたとおっしゃいます。

ひとつ印象的だったのが、やり遂げるためにはノートをとるということでした。
日記や記録をつけ、それが自分を見つめ直すきっかけとなり、また自分の気持ちを確認するために重要であったと語っていました。
私もかなりメモ魔ではありますが、ただただメモっているだけで見つめ直すことや活かすことはなかったなと反省。
そして同世代で、これほど夢を叶えてもまだまだ奮闘されている姿に、勇気と希望をもらえました。

5つの顔を持つ料理人

教室の外にはドーナツとかき氷のキッチンカーがスタンバイし、暑いなかでいただくかき氷は最高!
やさしい味のドーナツは、たくさん食べてほしいとやさしい値段設定になっており、奥本さんの思いが詰まっていました。

5つの顔を持つ料理人

そして無性にとんかつ銀河のとんかつを食べたくなりました。
機会があれば、噛みしめていただきたいと思います。
心にも体にも美味しい話を、ありがとうございました。

(モモ)

お花のある暮らし

2023.07.30 | 授業 | by Staff

こんにちは。
奈良ひとまち大学の授業に関わるたび、新しいお店や場所を知れて嬉しくなる“くすきち”です。
とても良い天気に恵まれた7月末の日曜の昼下がり、授業「花と枝で空間を作る、ということ ~華道家/Ikebana artistの仕事~」の従事に行ってきました!

奈良市在住者のくせに、奈良市のことに全然詳しくなくて、お恥ずかしい限り・・・。
いつも車移動ばかりで、ならまちや今回の教室のあるきたまち周辺には滅多にお邪魔いたしません。
街の姿はどんどん変わっていて、今回の授業担当“もりぞー”の運転する車で教室に向かう際も、「こんな道曲がったことない!」と言う始末。
現地に到着すると、今回の教室「レンタルスペースKimidori」の外観がオシャレすぎて「ほぅ~」と眺め、建物内に入ってこれまた「ひゃ~」とテンションが上がる。

お花のある暮らし

「さっさと授業準備に取り掛かってください!!」という“もりぞー”の声で我に返り、現実に戻る。
完全におのぼりさん気分です(笑)。
やはり、たまには街ブラしないと、完全に時代から取り残されますね。
そう思うと、奈良ひとまち大学って本当にありがたい存在です。
奈良の最新の流行りやおススメスポットが一気に体感できるわけですから!
いつも参加者目線でスタッフとして従事させてもらい、感謝です!

さてさて、今回の授業の先生は、華道家/Ikebana artistの生駒敦さん。
実際にお会いするまで、どんな感じの方なのかドキドキ。
と、言いますのも、「生け花」は畳のお部屋に正座で座って、お着物を着て、ピンっ!と張り詰めた空気のなかに花をハサミで「パチンッ」と切る音だけが響く・・・そんなイメージしかなかったから。
フラワーアレンジメントは自由に花を差し入れるのに対して、生け花は生ける順序や法則があって格式が高く、そう簡単に入り込める世界ではない。
そんな偏ったイメージをもっていたからです。
それが、生駒先生のような爽やかな雰囲気のお兄さんが、サラッと自由に生けている姿。
とても新鮮で、固定観念で凝り固まった私の脳内にすがすがしい風が吹き抜けていきました!
「華道」って意外とカジュアルだったんだ!というのが一番の気づきでした。

お花のある暮らし

授業の様子は、「ひとまちレポート」もご覧ください♪
「花枝の魅力を最大限に」
http://nhmu.jp/report/39827
「発見上手」
http://nhmu.jp/report/39841

今回の授業の一番の目玉は、何といっても先生の生け花ライブパフォーマンス!!
花の名前や生け方について実況&解説していただきながら、目の前で2種類の生け方を実際に見せていただきました。
花の生け方にも「足し算」と「引き算」があるそうです。
ファッションと同じですね。

お花のある暮らし

また、何でもかんでもモリモリ好きに投げ入れていく「人の言いなり」の生け方と、花の声を聴きながらバランスを整え空白を大事にして生ける「花の言いなり」という手法。
言葉ではなかなか伝わりづらいですが、この2つは全く別物。
まるで生けた人物が違うかと思うぐらい。
もちろんどちらも素敵ですが、建物や飾る空間にいかにマッチする生け方をするかが大切なんだそうです。
ホテルやレストランなどのエントランスに大きいお花が生けてありますよね!
その土地・街並み・お店、それぞれの雰囲気・飾る場所・時期に合ったお花をチョイスして生けているんだとか。
これからいろんなお店に行ったら、生けてある花を意識して見てみようと思いました。

お花のある暮らし

生駒先生が月に3日間だけ開催している「名のない枝屋」は、先生が自ら買い付けた枝物を直接購入できる「枝物専門店」の日。
ちょうど今回の授業の終了後に、同じ場所で開かれました。
授業に参加した学生のみなさんも、先生から家での生け方のアドバイスを受けて、早速お気に入りの枝物を見つけていました。
また、先生のInstagramを見て遠方から枝物を買いに来たというお客さんなど、お花のある暮らしを実践しておられる人がいっぱい。
これまた私の偏ったイメージ(お花好きは年配の女性中心かと勝手に思っていた)とは裏腹に、来られているお客さんはみんなお若いんです!
20代前半ぐらいの方も多く、現在のお花人気、特に枝物人気を実感!!

お花のある暮らし

これだけの大きさの枝物を実際に手に取って見る機会は、なかなかありません。
いろいろな種類の枝物が並ぶ姿は、結構な迫力ですよ!
街のお花屋さんでは、切り花としては販売していても、大ぶりの枝をそのままのサイズで買うことなんて、一般人にはなかなか難しいですよね。
百聞は一見に如かず!!
あの趣きのある空間にかっこよく生けられた枝物がズラリと並ぶ姿、ぜひ見ていただきたい!!
特に、私のような「あんまりお花に興味ないな~」「家にお花なんて飾るスペースないな~」なんて後ろ向きな発言をしちゃう人にこそ見てほしい!!
絶対、印象が変わるはず!!

「お花のある暮らし」ってハードル高そう・・・って思ってたけど、案外そんなことないですよ。
興味のなかった私が言うんだから間違いない!
実は今回この授業の従事スタッフを“もりぞー”から頼まれた際、「私、全然お花とか華道に詳しくないし、むしろ無知だけど大丈夫??」と聞いたぐらい、花とはほぼ無縁の生活をしておりました。
でも、ちょっとしたものを飾るだけで、ふっと力が抜けて心が軽くなる。
先生の説明によると、日本人とお花の関係性は古代から続いているそうなので、もしかすると、現代の私たちの根っこの部分にも、その魂が宿っているからかもしれませんね。

お花のある暮らし

先生の作品はどれもオシャレ!
やはりそれは伝統的な日本人特有の美意識を残しながらも、現代の新しい感覚を刺激し、うまく融合させた空間を花で作っているからなんでしょう。
とても居心地がよく、幸せになれる空間での授業でした。
生駒先生ありがとうございました。

(くすきち)