奈良ひとまち大学

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ひとまちブログ

ギターの音色とお庭!

2023.06.24 | 授業 | by Staff

こんにちは!
6月24日(土)、授業「ムイト・プラゼール、金田聖治です ~ギターとブラジルと奈良のこと~」に従事しました。
授業タイトルを初めて聞いたとき、「ブラジルと奈良!?どんな繋がり!?オモシロそ~!」と思ったのを覚えています。

教室はココ。
重要文化財にも指定されている「今西家書院」。

ギターの音色とお庭

今西家書院は室町時代の様式を伝える書院造りの建物で、手入れされたお庭がステキなところです。
わたくしも何度かお邪魔させていただいたことがあるんですが、お庭がホントにステキで、四季折々の表情があって、いつ行っても心がホッとする場所。

ギターの音色とお庭

ブラジルの話&ギターとお庭の融合がとても楽しみ!(^^)!
そんなことを思いながら教室の設営と受付が無事に終了し、いよいよ授業開始です。
ワクワクが止まりません!

ギターの音色とお庭

まずは、今西家書院の代表の方に書院をご案内いただきました。
何度か訪れたことがあるわたくしでも知らなかったことが沢山!
とても親切・丁寧にご案内をいただき、ますますこの場所が好きになっちゃいました!(^^)!

ギターの音色とお庭

ご案内が終わり、美味しいお茶セットをいただいた後は、いよいよ今回のメイン、ギタリストの金田聖治先生のご登場です。
奈良出身の金田先生からは、音楽との出会いから、なぜブラジルに拠点を移したのか、ブラジルで過ごした日々などなど、普段聞くことができない裏話までたくさんお話しいただき、ブラジルに行った気分になっちゃいました(∀`*ゞ)
また、ギターでいろんな曲をご披露いただき、美しい音色を聴かせていただきました。

ギターの音色とお庭

詳しい授業の様子は「ひとまちレポート」をご覧ください
「今西家書院でブラジル音楽」
https://nhmu.jp/report/39719

どうですか?
授業レポートを見ていただいて、みなさんにもこの授業のおもしろさとギターの素晴らしさ、今西家書院の良さが伝わりましたか?伝わりましたよね?!
今でも目を瞑ると、金田先生のギターの音色とブラジルの街中が浮かんできます。
金田先生、素晴らしい演奏と楽しいお話をありがとうございました。
音楽はライブハウスで聴くものと思ってましたが、ギターの最高の音色と最高のお庭が醸し出す雰囲気は、学生のみなさんを魅了してくれました!

(どすこい)

アートの温故知新の場

2023.06.24 | 授業 | by Staff

今回の授業「アーティスト・イン・レジデンスってなに? ~『スペースデパートメント』の取り組み~」は、先生の数々の作品の紹介からスタート。
先生のユージンさんはオーストラリア出身で、日本語もお話しされるのですが、詳しく伝えようと熱が入ると英語になるので、学生時代を過ぎてウン十年英語から遠ざかっていた私は、初めはどうしようかと思いました。
でも英語の場合でもゆっくり、または写真を交えて伝わるよう話してくださるので、ホッとしました。
学生のみなさんの様子を見ると、フンフンと頷きながら聞いていたり、英語で質問したりと、英語を使える方が多くて凄いと感心しました。
全部理解できたとは言い難いですが、私なりに先生の取り組みを知るよい経験になりました。

アートの温故知新の場

授業の様子は「ひとまちレポート」もご覧ください♪
「古都奈良に根付け、近代アート」
http://nhmu.jp/report/39693
「アート・イン・奈良」
http://nhmu.jp/report/39740

作品の紹介から。
フィリピンのコンペティションでは、台風が来たら傘のように閉じてやり過ごす屋根を持つ洗濯場が入賞。
雨水を集め人を集めるコミュニティというのがコンセプトです。
お金持ちの人のための高額な費用をかける建築だけでなく、人々のための安く作る建築にも興味があるとのこと。

アートの温故知新の場

雑誌『新建築』や、企業「セントラル硝子株式会社」などが行う多くのコンペにも参加してきたそうです。
700エントリーを超える作品のなかで、わずか1ポイント差で2位となったものも。
最終段階まで選ばれた7人が公開のプレゼンテーションを行い、10人程度の審査員が選定するそうで、コンセプトを伝えるのには、さぞ熱を込めたプレゼンになるのでしょう。

そのほか、数々のインスタレーション作品も制作しています。
インスタレーションって何?
調べてみました。
インスタレーションは、1970年代以降に一般化した、絵画・彫刻・映像(動画)・写真などと並ぶ現代美術における表現手法・ジャンルのひとつだそうです。
インスタレーションは制作期間が短いものが多く、期間の決まった展示である一方、建築は時間がかかり、作った建築物も長く残ります。
相反するようですが、先生が興味を持っている「コミュニティと素材」の2点が制作に共通しているとのこと。
なるほどです。

アートの温故知新の場

インスタレーションは1日限りのものもあり材料がもったいないので、アーティストグループで会社などから廃材を譲り受けたり、安価な素材を使ったり、自然に返せる素材を使ったり。
ロンドンでは、細い竹の棒を5,000本使って、外から中の様子を見ることができる茶室を展示しました。

シドニーでは、2.9m×2.3mのスペースに2人用のオフィススペースを作るというテーマのところ、段差を付けて4階層にし、例えばテーブルを椅子としても使うなど1つの素材にいくつもの機能を持たせて、12人が座れるオフィスにしました。
狭い空間を有効に使う日本らしい考え方が取り入れられています。

京都市北山でのインスタレーションでは、3.6mの葦を5万本使って京都の嵐山をイメージした作品を展示しました。
このコンペの審査員には、建築家の安藤忠雄さんや森ミュージアムのキュレーターさんなどがおられたそう。
アイデア先行でコンペに通ったので、材料の調達に慌てたそうです。
冬の時期で日本では葦が手に入らなかったので、中国から取り寄せました。
値段が高くない時期でホッとしたそうです。

なぜ奈良に来たのですかとの質問には・・・
日本の建築・文化・哲学に興味を持ち、20年ほど前の学生時代に、長期休暇を利用して3か月滞在。
滞在が終わりに近づく頃、「帰りたくない」と親御さんに交渉し、2年延長しました・・・とのこと。
そんなに日本を気に入ってくださって、とても嬉しいですね。

その後、世界のいろいろな国に行き、6年前に再度、日本に来られました。
初めに西大寺付近の1980年代に建てられた家をほぼ独りで壊して新しく作り上げ、今はご家族で住んでいます。
物をため込まないように収納は少なめで、合板やポリカーボネート板のような手に入れやすい材料を使用してリノベーションしたそうです。
写真を見ると、暮らしやすそうで、とてもおしゃれな家です。

さらに3年前に、今回の授業の教室となった「スペースデパートメント」の元になる古民家を見つけました。
活かせるところはできるだけ活かし、少しのデザインを加えて新しい建物に。

特徴的な和室の天井の三角のデザインは、高さを出すためです。
これも先生自らの仕事で、ホームセンターの材料などで、ここだけで約1か月の制作期間がかかったそうです。

アートの温故知新の場

オープンキッチンもお手製で、シンプルでとてもおしゃれで開放的です。
「日本のシステムキッチンはとても高いですね」とのこと。

ここは、アーティストのためのレジデンスです。
外国から奈良に来た違う文化の人たちが滞在し、奈良をリサーチしたり、新しいアートを創作したり、ここでお披露目したりして帰っていくための場所。
アーティストにコミュニティを与えるための場所です。
先生が興味を持っている「コミュニティと素材」のコミュニティです。

アートの温故知新の場

奈良には古い文化財、つまり古いアートがたくさん残されています。
そこに海外からアーティストが新しいアートを運んで来る。
それらをうまく繋げたい。
奈良は温故知新の場にふさわしい・・・という思いで先生はこの地にアーティストレジデンスを作ったのです。
奈良に住む私たちは、ここに来れば、外国の文化または新しい文化と奈良が融合した新しいアート作品に触れることができるでしょう。
機会を見つけて訪れたいものです。

(ぼちぼち)

奈良を愛するひとと、コーヒーと・・・

2023.06.04 | 授業 | by Staff

久々の奈良ひとまち大学のお手伝いで少々緊張気味の私でしたけれど、私自身も大好きなコーヒーが出てくる授業「生まれ育った奈良について ~喫茶と文化人と高畑町と~」ということで、とても楽しみにしていました。

今回の授業を企画した“ラブ”は、前に勤務していた公民館で大槻さんと所縁が深かったということで、この授業を開催することになったとか?!
教室は、「奈良の雑貨とカフェBAR ことのまあかり」。
私が大槻さんのお話をメモる場所をさりげなく空けてくれたり、心配り満点のスタッフさんでした(^_-)-☆

奈良を愛するひとと、コーヒーと

築90年の歴史ある建物は趣きがあって、「可否茶座アカダマ」時代のマスター大槻旭彦さんのこだわり抜いた装いが、現在もそのまま面影を残しています。
長年のコーヒーの匂いが染み付いたような味わいのある色の壁や柱のすべてが、とても素敵な雰囲気を漂わせていて、ワクワクしてきます。
今回、授業に参加できなかった方もたくさんいらっしゃると聞いていますので、是非一度、ご来店くださいね!!

奈良を愛するひとと、コーヒーと

スタッフとして私もお手伝いし、開始前の準備は着々と進みます。
授業の様子は「ひとまちレポート」をご覧ください♪
「珈琲の香りに包まれながら」
http://nhmu.jp/report/39772
「あたたかなアカダマと奈良」
http://nhmu.jp/report/39805

学生のみなさんは、
「コーヒーが好き!」
「奈良が好き!」
「奈良に住んでいるのに奈良のことを深く知らない!」
などなど・・・「うん!私と一緒・・・」と頷きながら自己紹介を聞いていました。

お皿の上でスルスルと滑る古代スイーツをそろ~りと運び、配膳し終わった頃合いで、大槻さんが真剣な眼差しでコーヒーを淹れ始めます。
この姿、もう今はお目にかかれない貴重な光景なんですよね~。
アカダマを知らない私も、またとないこの機会を目に焼け付けておこうと思った次第でした。

奈良を愛するひとと、コーヒーと

大槻さんの淹れたコーヒーが注がれていき、教室はとってもいい香りに包まれています。
写真だけではこの香りが伝えきれなくて残念。
スタッフも香りのお裾分けをいただいて幸せ気分( *´艸`)

大槻さんのお話に引き込まれている学生の方々は真剣そのもの。
コーヒーをいただきながら、真摯な姿勢で、みなさんお話を聴いておられました。

昭和28年頃、うどん1杯の値段とコーヒー1杯の値段はほぼ同額だったようで、喫茶店にコーヒーを飲みに来る方々は経済的にもゆとりがある方だったようです。
地域の著名な方々が常連さんで多くいらっしゃったようで、お話もたくさんできたそうです。
公民館の歴史講座が直ぐに開催できそう・・・。
現に大槻さんは喫茶店のマスターの顔以外にも多様な方面で多彩な実績をお持ちとのことで、大槻さんの奏でる音色をバックにパーフェクトな講座ができそうだと勝手にイメージしてしまいました。

奈良を愛するひとと、コーヒーと

ずーっと奈良から離れることなく奈良を愛する大槻さん。
人生の岐路での大きな選択と決断、その後の道のりでの発見と出会いについて回想しながら話す大槻さんの深いお話を聞いていると、まるで可否茶座アカダマに居るような錯覚に包まれます。
当時、アルバイトは奈良女子大学の学生さんが主流だったようで、この日はアルバイトをしていた女性がなんと!北海道と愛知県からお手伝いに来られていました。
マスターとアルバイトさんが揃って、まさに可否茶座アカダマ復活の授業となったんですね。

最後に、奈良を愛する大槻さんの望みは、本当に奈良のことが好きな方々に奈良に来て奈良のことを知ってもらいたい!とのこと。
強く語られていたのがとても印象に残っています。

(まち子)