生きる仏像

●レポーター:奈良市在勤 シュシュ500 さん

先生である吉水快聞さんは奈良県内のお寺でお生まれになって、副住職としての顔をお持ちになる一方、彫刻家という一見相容れない職業をかけもちされている方でした。

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授業が進むにつれて、自身の作品である「東大寺俊乗堂快慶作阿弥陀如来立像想定復元模刻」の制作を通して、わが国の彫刻の歴史は仏像制作に求めることができるということ、その細かさは驚きの技術であることなど、先人の匠の技術をわかりやすく解説していただきました。

仏像づくりはまず、その制作に適した樹を探すことから始まります。
本来は白檀(ビャクダン)という木で作ることが望ましいと経典には書かれているようですが、日本では手に入らないため、クスノキ・カツラ・ケヤキ・カヤ・ヒノキなどが代用されました。
その樹も、実際に制作しようとすると、外側の部分は使用できないため、伝統の一木造を作るためには樹齢何百年といった相当大きな樹木を要します。
当然そのような木を確保することは非常に難しく、価格も高額になるそうです。

授業のなかで特に、法隆寺の国宝救世観音立像から辿る、日本の仏像のダイジェストはわかりやすく見ごたえがありました。

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そのなかでも、「土壁の砂像である東大寺戒壇院の四天王立像、いまその姿を目にすることができるのは、その時々のこの仏像に関わられた人々が大切にそして懸命に守られたからだ」とお話されたことが、とても印象深く残っています。
我々が次代のためにこの唯一無二の宝物を伝えるためにしなければならないこと、それを考えさせられました。

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とても繊細で、多くの人が長い時間をかけて制作した仏像。
それは宗教という枠組みを超えて、現代人にその迫力を伝えます。
古代から預かったこの宝物を次代に繋げるとともに、時代に沿った要素を加味したモノづくり、まさに温故知新の心で「生きた作品」づくりに取り組まれている吉水先生の、モノづくりへの心意気を学んだ授業となりました。

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