奈良ひとまち大学

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“ありのまま”を活かしたお茶づくり

●レポーター:門真市在住 かおり さん

最近、「農」が注目されてる?
そう思ったのは、書店で農業に関する本のコーナーを見つけたときでした。
『Yesか農か』というインパクト大の本の見出し。
農業にも少し変化が起きているのかと感じたときでした。

それから、同僚にこの授業の話を聞き、農業の現場を見たいと思い参加しました。

授業当日。
近鉄奈良駅前に集合し、今回の教室である健一自然農園へ移動。
まずは、代表の伊川さんより、茶畑のお話を伺いました。

“ありのまま”を活かしたお茶づくり_1

伊川さんの茶畑は、“ありのまま”の自然でできていることが特徴です。
農薬を一切使用せず、そこにあるものだけで茶葉が育っています。

そのため、茶畑にはあちこちにクモの巣が張っています。
夏ですから巣はありませんが、ハチも飛んでいます。しかし、駆除したりはしません。ハチが寄ってきても、じっとする。それが対処法なのです。

“ありのまま”を活かしたお茶づくり_4

「昔の人は、里山を活かしながら暮らしてきた。しかし、今は里山を活かしきれていない。人は100年かけて自然の循環を壊してきたから、これからの100年はその循環を戻していかなければいけない」と伊川さんはおっしゃいます。

そして、いよいよ茶摘み体験。
日差しが照りつけるなか、やわらかくてきれいな色をした新芽を探します。
はじめは、どの芽が良いのか迷いながら摘んでいましたが、時間が経つにつれ、
摘むスピードも上がっていきました。

“ありのまま”を活かしたお茶づくり_2

茶葉を摘んだら、午前中はここまで。
午後からは、その茶葉を「炒る・揉む・乾かす」といった工程を繰り返す、
製茶作業へと移ります。

まずは、「炒る」作業。
高温に熱した釜で茶葉を炒りますが、特別なヘラではなく、
軍手をはめて作業を行います。とても熱いなか、中腰で茶葉を炒ります。
序々に茶葉の水分がなくなり小さくなっていくので、熱さがだんだん増していきます。

“ありのまま”を活かしたお茶づくり_5

次に、「揉む」作業へ。
平たいざるに移し替え、転がすように茶葉を揉んでいきます。
ここでまた茶葉から水分が出てきます。

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その茶葉を、乾燥機で「乾かす」。

“ありのまま”を活かしたお茶づくり_7

この工程を2~3回繰り返して、ようやくお茶ができました。
自分がこれまで持っていたお茶摘みのイメージより、体力が必要な仕事だと実感しました。

それから、できたてのお茶をみんなで試飲。
1杯目は、やさしいけど少し酸味のある味に。
2杯目になると、酸味が少し強くなったように感じました。
後味は2杯ともすっきりしていて、暑い夏にピッタリだと思いました。

“ありのまま”を活かしたお茶づくり_8

最後にできあがった茶葉を袋に詰め、1日を終えました。

“ありのまま”を活かしたお茶づくり_9

自然の恵みを活かして、そこにあるもので暮らすこと。
自然に生かされていること、日本人らしい暮らしの良さを改めて感じた1日でした。
健一自然農園のみなさま、ありがとうございました。

“ありのまま”を活かしたお茶づくり_3

健一自然農園
https://kencha.jp/index.html