食べて学ぶ、とっておき野菜

●レポーター:奈良市在住 坊主とし君 さん

昨今、日本における食生活の乱れが問題視されている中で、健康志向が高まり、食の安全性などにも注目が集まりはじめたことで、昔から地域に伝わる伝統野菜を見直す動きも盛んになってきました。
それでも、生産効率の悪さのためか、味に個性があるためか、または特徴的な形のせいか、まだまだ大衆的な広がりをみせないのが現状です。

その折に、戦前から奈良で作られ守られ続けてきた伝統野菜18種にこだわりの野菜5種を含めた大和野菜についての紹介及び、それらを使った料理の試食会が行われる今回の授業を知り、普段手に取る機会の少ない野菜たちを身近に感じられる良い機会だと思い、参加させていただきました。

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今回、試食で紹介していただいた野菜は、紐のように細長い“ひもとうがらし”や、紫色から熱を加えると緑色に変化する“紫とうがらし”、オーボエかと思うほど長くしっかりとした“大和三尺きゅうり”、まん丸で可愛らしいけどヘタのトゲが特徴的な“大和丸なす”など、初めて見る野菜ばかりでした。

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一風変わった形のものばかりで味すらも想像つきませんでしたが、料理家の先生の手によって和風・洋風・デザートにと変化を遂げた野菜たちは、どんな料理にも合う、とても滋味に富む食材だということに気付かされました。
また、妙に長かったり、太かったり、見慣れない不格好なその形に愛着を覚えると同時に、そのような味・形になるに至った経緯や歴史なども頭の中で想像してしまいます。
まさに、胃袋だけではなく頭も満腹にさせてくれる、とっておきの野菜たちでした。

食べて学ぶ、とっておき野菜_3

人の手によって丹念に、そして歴史を積み上げて育て上げられてきた歴史ある野菜たちは、生産者の思いを消費者に伝えるだけではなく、生産地の人にとっては誇りとなり、また外の人にとっては魅力にもなっていくものと思います。

今後も、このように昔から地域で守られ続けている野菜に注目していくことで、地域の歴史や魅力を再発見していきつつ、また、多様性のある日本の食文化を楽しんでいきたいです。