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●レポーター:大阪市在住 ゆのじ さん
「自己紹介と参加の動機、あと好きな色を教えてください」
そんな質問から、「ゲストハウスが案内する、冬の奈良」は始まりました。
それぞれの好きな色を知るころには、笑い声が奈良ウガヤゲストハウスに満ちていました。
参加の動機はまさに、十人十色。
けれども、ゲストハウスへの宿泊型授業に参加する学生たちの想いは「奈良をもっとディープに知りたい」という点では同じです。
まずは奈良ウガヤゲストハウスのオーナー・瀬戸さんの導きで、ゲストハウスという場所や、そこで生まれる縁について学びます。
「何もないところがいい」「自分に戻れる場所」「奈良じかん」
たくさんのキーワードが飛び交いました。
奈良に感じる色はめいめいありますが、そんなキーワードでみんなの気持ちが結びついてゆきます。
すっかり打ちとけあって、いつしか夜を迎えました。
冬の夜は、琵琶の音色から始まりました。
瀬戸さんがオーナーから、琵琶奏者へと姿を変えます。
やわらかくも激しく語られる「壇ノ浦」に、演奏後しばらく息を呑んでしまいました。
感動も覚めやらぬままに、授業は続きます。
今度は漆造形作家の池野さんと、奈良民俗文化研究所の鹿谷さんを加えて、奈良の文化や伝統について語ります。
話は尽きぬ、といった感じで「のこす・つなぐ・こころ」という枠に収まりきらないほどたくさんのお話を伺うことができました。
冬の奈良の夜は長く、ロビーでは遅くまで話に花が咲きました。
奈良で目覚める、冬の朝。
早起きしてみんなでお散歩に向かいます。
猿沢池から浮見堂、合間に神々しい朝陽を拝みながら。
少し足をのばして、平城の飛鳥・天神社や瑜伽神社にも。
「こんなところあったんだ」という声がどこからともなく聞こえました。
しゃっきりと目が覚めたところで、朝食を。
朝の奈良へ食べに行く人と、ゲストハウスで朝粥をいただく人に分かれます。
散歩のときも、朝食のときも、昨日会ったばかりのはずなのに和気藹々と盛りあがりました。
長かったようで、あっという間の2日間でした。
最後にまた、全員で感想を言い合いましたが、やっぱり十人十色。
それぞれの奈良に対する想いを深める授業となったということでしょう。
口コミで奈良のええとこが広まればいいよね、という話がありましたが、きっと今回の学生たちから、奈良が発信されてゆくはず。
ディープな奈良、やみつきになりそうです。