奈良ひとまち大学

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食文化を五感で体験 ~春日大社にて~

●レポーター:奈良市在住 ならっこ さん

4月23日、春日大社 感謝・共生の館で開催された奈良ひとまち大学の特別授業「東アジア文化都市2016奈良市×奈良ひとまち大学 食部門オープニングシンポジウム」に参加しました。

食文化を五感で体験 ~春日大社にて~_1

はじめに春日大社の花山院宮司から、1300年前から続く春日祭で神さまにお供えする食べ物やお酒に関する講話を聞きました。
美しく盛り付けることや、遣唐使がもたらした「ぶと」という菓子にみられるように、神さまが飽きないよう色んな形をつくり工夫すると話され、豊かな食文化を感じました。

食文化を五感で体験 ~春日大社にて~_2

続いて、花山院宮司、奈良大学の上野誠教授、食部門ディレクターの船越雅代さんのトークセッションを聴講しました。
奈良大学の上野教授は、大和の食文化の特徴として、1番古いものと1番新しいものを組み合わせるのが特徴と話されました。
また食は、その歴史や自然環境と一体となり、その場で食べるから美味しいと説明されました。
春日大社ではくたく女が天皇の前で麺をうったというスタイルは、今でいうオープンキッチンであると話されたのも興味深かったです。

食文化を五感で体験 ~春日大社にて~_3

一般的に食は変化していくもので、昔の食文化がそのまま残るというのは難しいそうです。
奈良には古い歴史と社寺があり、神さまが祭られ食文化と一体となり受け継がれてきたのは貴重なことと思います。
形だけでなく、精神とともに大切に受け継がれているということに感銘を受け、もっと多くの方に知ってほしいと思いました。

その後、今年 第60次式年造替を迎える春日大社の境内を見学し、特に春日祭で必要となる神酒や神饌と深い関わりのある「酒殿(さかどの)」や「竈殿(へっついどの」、平安時代に春日大社で天皇にふるまわれた「春日はくたくうどん」の麺を「はくたく女」がうったという場所を見学しました。
説明を受けながら実際その場を見ることで、以前よりも実感をもつことができました。

食文化を五感で体験 ~春日大社にて~_4

最後に、春日大社の古式料理「愛敬祝儀膳(ういきょうしゅうぎぜん)」、春日はくたくうどん、大和茶をいただきました。
奈良の食文化の歴史や精神に思いをはせながら、美味しくいただきました。

食文化を五感で体験 ~春日大社にて~_5

以上、食文化を五感で体験することができる貴重な機会となりました。