意外なご縁で奈良の地に!ザイレ暁映さんとは一体?

●レポーター:奈良市在住 INOUE(6年から奈良市に移住) さん

4年ほど前に初めて見に行った興福寺での節分行事で、前に立ち並ばれた僧侶の中に一際目立つ方がいらっしゃった。
その方が本日の先生、ザイレ暁映さんであった。

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テレビ等のメディアでも度々お見かけすることがあり、最近では松下奈緒さんと古舘伊知郎さんが興福寺を訪れる番組にも出演されていた。
ザイレさんとは一体どのような方なのだろうと非常に気になっていたため、今回ご登壇されることを知り、満を持して参加させていただくに。
(受講当選メールが来たときはとても嬉しかった!)

噂ではザイレさんは日本人より日本語が上手と聞いていたが、全くその通り。
まず仏教の起源や教えについてお話しされました。
壮大な内容をユーモアを交えてとても分かりやすく説明され、参加者みんな、前のめりになって熱心にメモを取りながら聞いている様子でした。
(ちなみに参加者の8割は女性でした。本当に皆さん熱心!)

お話の中で恐らくみんなが最も気になっていたであろう、ドイツ生まれのザイレさんがどうして仏教の道に進まれ、現在なぜ興福寺にいることになったのかというお話に。
ザイレさんの仏教との出会いは小さいときに読んだ本、小説だったとのこと。

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そして釈迦について知ったとき、「釈迦はスーパーヒーロー、私も同じような体験がしたい!」と思ったとのこと。
それもザイレさんが中学生のときに。
それから、大学で博士論文のテーマとして『奈良仏教・南都仏教』を選び、その理由も「学生の自由な時間を使ってせっかく取り組むのなら誰も選ばないテーマに取り組むべきだ」ということで。
この選択が、ザイレさんと奈良・興福寺との接点を生むことになりました。

ザイレさんが来日し奈良に住み始めたのは、平城遷都1300年祭があった2010年。
住まいは大安寺の辺り。
(ココは奈良市民の参加者と親近感がぐっと湧いたポイント!)
その場所を選んだ理由も面白く、法相宗大本山である2つのお寺、興福寺と薬師寺の両方に自転車で行ける所にしたかったからとのこと。

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あっという間に1時間のお話が終わり、最後に、ザイレさんが仏教を学ぶことを通して抱くに至った考えを述べられました。
それは心の安らぎ、依り所をもつことが大切であるということ。
ザイレさん自身はその役割を仏教の教えに見出しているが、それは別にキリスト教でも良いし、別に科学でも何でも良いと言われました。
(広大な世界観を持つことって素晴らしいし、カッコいいなぁ!と。みんなきっとザイレさんのファンになられたのでは。)

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後半1時間はザイレさんによる興福寺境内のご案内。
南大門跡から興福寺全域を見渡しながらの解説と東金堂での仏像解説をしていただき、本当に分かりやすくて面白い。
「興福寺の大量の瓦を作るために土を採取し、その時にできた窪みが今の猿沢池」「五重塔も近々、解体修理予定」など知られざる話が盛りだくさんで、いつまででも聞いていられる感じでした。
(ちなみにザイレさんが通われた大学はカリフォルニア大学バークレー校。世界ランキングトップ5に入る超有名大学。言うまでもなく、東大を遥かに越える。。。カジュアルに話されながらも知性溢れる感じが随所に。)

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ザイレさんが授業の最後に私たちにメッセージ的に言われたことが印象に残りました。
「人間は習慣性が強いため、変わることが非常に困難。しかしながら、変わるための行動をコツコツ取り続けることができたなら少しずつ変わっていくことは可能である」と。

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今回の教室は興福寺の本坊。
門の外からは想像できない、奥行きのある厳かな歴史空間。
入ることができただけでも来て良かったと思えるぐらいです。
(ザイレさんもここに住んでいるとのこと。)
普段入れない場所に入ることができることもこの“大学”の魅力ですね!
毎回様々な視座や刺激を与えてもらえる『奈良ひとまち大学』が、今後の私たちの行動を変えるきっかけとなり得ていることも間違いないと思いました。

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また、実際に興福寺にザイレさんがいらっしゃることが、平城京の時代に海外から若き優秀な僧侶が奈良の地に学びに来ていた情景を彷彿とさせ、更には、『国際文化観光都市・奈良』を地で行く奈良の今後の飛躍の可能性までをも感じ、感慨深く思いました。
密度の濃い今回の2時間の授業、本当に大満足でした。
ありがとうございました。