奈良ひとまち大学

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新米奈良県民、シカを学ぶ。

●レポーター:生駒市在住 つぼみ さん

昨年の春、東京から奈良に越してきました。
引っ越し直後に散歩した奈良公園で「わぁ~!奈良公園って本当に鹿がたくさんいるんだなぁ~!!」と感動したあの日から1年と少し。

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「奈良公園」の広大さにも、その中を堂々と闊歩する鹿の存在にもすっかり慣れ、すれ違う鹿を見ながら「あ、今のコは美人さんだったな~。」「すごいベテラン感だな~!?」などと感じる余裕が出てきた今日この頃。

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【鹿の1年】を今までになく近くで見てきたものの、(まだまだシカちゃんたちのことを何も知らない・・・もっと知りたい!)と思っていたところに「こんな授業やってるよ」と家族から紹介され、思い切って参加させて頂きました。

子鹿公開や角切りのタイミングで何度か伺っていた鹿苑ですが、事務所に入るのは初めて・・・!

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ドキドキしながら受付を済ませましたが、席につくなり目に入ってきた「シカのなき声」の違いを説明するボードを講義前からまじまじと見つめてしまいました。

攻撃的な気分の時、「ゲゲゲ・・・」というなき声を出すそうなのですが、「ゲゲゲ・・・」・・・?!
開講前から早くも私の知らないシカワールドの幕開けです。
「ゲゲゲ」。
いつか聞いたら「これかーっ!!!」って思うのでしょうか。
その際は静かにシカちゃんと距離を取りたいと思います。

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講師を務めてくださった鈴木千春さんのお話が本当にテキパキと楽しく、また天然記念物「奈良のシカ」への深い愛を感じて、受講時間中はお話に聴き入ってしまいました。
どれもこれも「そうだったんだー!」と心の中で拍手喝采するお話ばかりだったのですが、その中でも特に印象的だったのは奈良公園の中でも興福寺近辺でオス鹿をよく見かける理由。

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(ぜひ鈴木さんの素敵な語り口での説明を体験して頂きたいので、私のレポートでの説明は割愛します…!
この授業の第2弾があれば是非とも受講を…!!)
今まで幾度となく目にしてきたオス鹿たちが興福寺エリアの木陰にギュギュッと集まっている姿を思い出しながら、「なるほどーっっ!!!!!」と目から鱗が落ちる思いでした。

奈良で生活を始めて1年、動物園のように柵の向こう側ではなく、公園の中で人と”共に”暮らすシカたちを身近に感じられることが、徐々に当たり前の「風景」になりつつありました。
が、今日鈴木さんのお話を聞いて強く感じたのは、今私たちが享受しているのは決してそこにあって当然の風景ではなく、鹿愛護会の皆さんのご尽力や、この地に暮らしてきた方々の想いが作り上げてきたものなのだということ。

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そして、『今』まさにここで暮らしている私たちが「次の世代へと繋いでいく」意識を持たなければいけないものなのだということです。
ゴミを見かけたら拾う、相手は野生のシカであることを忘れない(触らない!)、シカについて何か異常を見かけたら愛護会に連絡をする・・・1つ1つは小さなことかもしれませんが、これからもキラキラの瞳のシカちゃんたちと共生していくために、新米奈良県民として経験と勉強を積んでいきたいと思います。

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鈴木さん、シカ愛あふれる楽しいお話を本当にありがとうございました・・・!