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過去と未来を結ぶ場所、興福寺
●レポーター:奈良市在住 はるひ さん
阿修羅像で有名な興福寺国宝館を貸し切りで見学できる絶好の機会ということで、授業に参加させていただきました。
その名も「国宝館」、収蔵されている仏像などの美術品はそのほとんどが国宝。
はりつめた空気、迫力、流れた時間の長さを感じる空間です。
今回の授業の先生である辻明俊さんから、法相宗と興福寺の歴史、数々の仏像を生み、護ってきた仏師の方々についてお話を伺いました。
考えさせられたのは、今の文化財の保存が「現状維持」が前提だというお話。
仏像を後世に残していくには、その考え方も変えていかなかければならず、変わっていかなければならないこともあるということです。
形あるものはいずれ無くなる、修理や補修は必要だということ。
国宝館の中で、ひときわまっすぐな視線を送る阿修羅像が印象的でした。
国宝館を出て、東金堂へ。
興福寺伽藍の再興についてのお話を伺いました。
五重塔の構造は東京スカイツリーの設計に大きな影響を与えたとのこと。
古いものを守りつつ、未来へとつなぐ場所であるというお話に納得。
古代人の想いが現代から未来に受け継がれている場所であることを実感しました。
これからも興福寺の再建計画は続くとのこと、楽しみです。
しとしとと雨の降る中の授業でしたが、見上げた空から降る雨と五重塔が重なる景色はとても美しかったです。