奈良ひとまち大学

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「尾花」という名前

●レポーター:奈良市在住 ブンちゃん さん

奈良町に家を借りたのは35年ほど前の事。
すでに東寺林町にあった奈良市役所は新大宮に移り、尾花劇場はホテルになっていました。

「尾花」という名前_1

今回の「映画館『尾花座』を知っていますか ~『なら国際映画祭』で未来へつなぐ~」は、奈良町住民の1人として興味を持って伺いました。
演芸場「尾花座」から映画館「尾花劇場」へ、中野社長の話はスライドを交えて、また関わっておられる映画祭の経緯も分かって良い時間を過ごさせて頂きました。

「尾花」という名前_2

私が映画を見た最初の記憶は村の公会堂の巡回映画でした。
中学生の時には年に一度映画鑑賞の授業があり、また高校の時には全校生徒で「フーテンの寅」の第1話を見に行きました。
真っ黒い空間に浮かび上がる映像には、外とは切り離されたひとつの世界が生まれます。
自分がその中、あるいは傍に居るという意識はテレビでは味わえない感覚です。

「尾花」という名前_3

時代と共に人々の趣向、生活の仕方、そして考え方さえ変わっています。
映像はテレビに、そしてネット配信に。
しかし映像とわが身との距離は次第に広がり、ライブ映像でさえ違う世界で起こっている出来事のように思えます。
映画館で見る映像の良さはこの距離感、自分との近さにあると思います。

どの土地にも歴史はありますが、奈良には日本という国で共有される文化財や話、そして名称が積み重なっています。
ホテルを「尾花」という名にした時に社長はその歴史を背負った事になります。

「尾花」という名前_4

映画とホテル。
いずれも未来につなぐのにはかなりな努力と情熱が要る事でしょう。
そんな決意を中野社長は「尾花」という名で示したように思えました。