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●レポーター:奈良市在住 クローバー さん
奈良公園といえば鹿。
そして、少し散策すれば避けては通れない「鹿の糞」。
そこには「フンコロガシ」が住んでるよ、と何かからの聞きかじり。
本当に?あの糞を転がしている虫が奈良公園にいるの?
しかも、その虫を研究して資料館を作った人がいるなんて!
参加のきっかけはそんなちょっとした好奇心でした。
10月の穏やかな秋の朝、ならまち糞虫館・中村館長の指導の下、観察会が始まりました。
それぞれが適当な小枝を片手にしゃがみ、覗き込む見学の鹿に励まされながら、少し湿っていて塊の大きな糞を探してはほぐしていきます。
しばらくして、あちらこちらから「いたいた!」「見つけた!」という声があがります。
そこで館長の興味深い糞虫解説があります。
糞を転がす糞虫は少数とのこと。
どれもが転がすわけではなかったんだと、目からうろこのわたし。
「よし!見つけるぞ!」と小枝を動かすも、30分以上経過しても見つけることができません。
ひたすらつつく、掘る・・・。
ついに発見!!
観察中に唯一見つけた糞虫「ナガスネエンマコガネ」です。
5mmほどの体をせわしなく動かしています。
この感激!!
奈良には60種類もの糞虫がいて、日本で代表的な聖地とのこと。
この奈良公園に生息する糞虫たちが、1,300頭の鹿が排出する1日1トンもの糞を処理してくれている。
この小さな体で、世界遺産である奈良の環境をこんなにも美しく保ってくれている。
彼らはそんなこと意に介していないでしょう。
ただひたすら糞を食べる。
1000年以上昔から、そしてこれからも・・・。
この観察会に参加したことで、知ることがいかに大切かを改めて感じることができました。
そして、糞虫の魅力に魅せられた1日になりました。