奈良ひとまち大学

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今を生きる五重塔

●レポーター:奈良市在勤 お豆腐 さん

以前、ご一緒にお仕事をした方が「昔はよく五重塔で遊んだものだよ。階段とかあってね~」と仰っていたのを、奈良ひとまち大学の授業「入ってみよう、興福寺五重塔!」を見た時に思い出し、「これは行かなくては!」という思いで参加しました。

集合場所は三重塔。
執事の辻明俊さんのお話も、この三重塔から始まりました。
なぜ三重塔が建てられたのかは分かっていないことや、建造物の再建は、基本的に元からあった同じ場所で同規模で行うことなど、あまりお寺に詳しくない方にも分かるよう、とても丁寧に説明してくださいました。

今を生きる五重塔

少し進んで、お地蔵さんの話。
沢山いるお地蔵さんの中に、最初は表情が全くなかったが、毎日拭いてお世話をしていると、次第に表情が現れてきたお地蔵さんがいるという逸話。
普段なら足を止めないような場所で足を止め、お話を聞いていて、新たな一面を発見したようでした。

今を生きる五重塔

そして五重塔。
五重塔は1階建ての5層建築、吹き抜けのような感じになっており、中心に「心柱」があり、また釘を1本も使わず木を組み合わせることによって地震にも強い構造になっているようです。
心柱の技術は、東京スカイツリーにも応用されているようで、1000年以上前の技術が現代にも通ずるものがあることに、驚きを隠せませんでした。

今を生きる五重塔

塔初層には、釈迦・阿弥陀・弥勒・薬師如来坐像が安置されており、皆の目を惹きつけていました。

「文化継承」
新しい文化が色々入ってくる中で、既存の文化を後世にも受け継いでほしい。
これが執事の願いです。

奈良は歴史文化資源の宝庫です。
興福寺さんだけでなく、他にももっと目を向け、昔と今を見つめ直す良い機会になりました。
物心がついた時から既にあった五重塔。
修理が始まると、10年は姿を見ることができないとのことでした。
それまでにしっかりと目に焼き付け、また10年後、どのように感じるか楽しみにしたいと思いました。

今を生きる五重塔