奈良ひとまち大学

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I ♥ NARA!を声に出そう

レポーター:奈良市在住 雪 さん

仏像ブーム仕掛け人 みうらじゅんさん、そして「イケ住」でおなじみの海龍王寺・石川重元さんが、奈良のお寺や仏像について、それも熱いトークではなく奈良らし~くゆるゆると語り合うなんてステキな授業を知ったら、もう行かないわけにいかないじゃないか!そう思って参加した今回の授業「奈良はボクらの宝物!」。朝も早くから奈良市立中部公民館にはそんなゆるゆるトークを聞くべくたくさんの学生さんたちが詰めかけていました。

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しかし、その前日には誰もが予想だにしなかった東北地方太平洋沖地震が日本中を震撼させていたばかり。まさかとは思いましたが、やっぱりそのまさかで、みうらじゅんさんは残念ながら東京から奈良に来ることが叶わず、ならどっどFMの羽原亜紀さん、飛鳥発掘調査を行っていた平城遷都1300年事業協会の露口真広さんがピンチヒッターを務め、3人のトークが幕を開けました。

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まずは、石川住職がご自身について本当に着飾ることなく語ってくださいました。好きなものは音楽・スノーボード。現在はツイッターで世界に向けて奈良を発信されており、フォロワーも有名人並。修学旅行に来た中学生にも、「ツイッターしてる石川さんですよね!!?」と声をかけられたとか。海龍王寺を含め奈良県内の寺社仏閣を20ヵ所は巡り歩いたであろう私でも、こんなに身近に感じられる住職さんは初めて。そこでふと感じました。いろいろイケてるけど何が一番イケてるかって、人々とお寺の住職さんとの今までの距離感・超え難い壁のようなものを圧倒的に覆したところが、やっぱり相当イケてるんですよね。

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幼い頃、悪さをするといつもお堂に放り込まれたという石川住職。どんなに言い訳をしていても、薄暗い中でぼんやりと仏様と向かい合っていると、自然と言い訳が消え、自分の悪さを認めることができた。仏様って、どれだけこちらがラブコールを送っても、悩みを訴えても、決して答えてはくれない。だけれど、仏様を通して、自分と向かい合う時間をもつ。これが大切なことなんだというお話には、会場の誰もが深く頷いていました。

石川住職でも、「仏教を一言で言うと?」と尋ねられると未だに答えられないそうです。でも、仏様の前では何かを見透かされている気がして未だにハッとさせられることもあるといいます。そうか、仏教って、私たちが考えるほどカタいことじゃないのかもしれない。もっと単純に、「素直になれる時間をつくる」ってことなんですね。そんなストレートなことを教えてくれるからきっと、石川住職と私たちの距離はこんなに近く感じられるんだ。

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大阪・京都・神戸と奈良の違いは、カラーかモノクロームかというお話も興味深かった。
確かに奈良は、活気や格調高さでは引けを取るかも知れない。けれど、遥かに長い歴史をゆっくりと紡いできた深さと厚みがある。どんな人をも受け入れる懐の深さでは、奈良に勝る場所はないだろう。日本人なら誰しもがもっている1300年前のDNA。普段は忙しさに埋没しているそれが、奈良を訪れてふと芽を出す。初めてなのに、懐かしい。奈良に存在する何気ない風景が人々の心に優しく沁み込むのは、1300年前と変わらない空気を抱いているからかも知れないと思いました。

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最後に、石川住職が気負わずに身近なツールで情報を発信しているように、私もこれから奈良の魅力を子どもたちに余すことなく伝えていきたいと思います。そのためには、ただ歴史の表面をなぞるのではなく、私自身が本当に奈良を好きであることが大切だという石川住職からのアドバイスもいただきました。
みなさん、奈良を愛していますか?その気持ち、どんどん出していきましょう!
そんな気持ちにさせられた授業でした!!