詳細
●レポーター:奈良市在住 yucco さん
昔ながらのつながりが強い奈良の中で、海外アーティスト達に探索拠点とする場と機会を提供する、奈良初の民間アーティスト・イン・レジデンスがあるという。
初めてこの奈良ひとまち大学へ応募した。
オーナーであるユージン夫妻は笑顔が素敵な方々だ。
空き家だったこの建物を自身の手で(友人の手も借りて)リノベしたそう。
サスティナブル先進国であるオーストラリアで建築を学んでいたということもあり、このspacedepartmentは、ただ壊して新しいものを入れるのではなく、元々ある立派な梁や昭和すりガラスなど多くの素材をそのまま活かし、木や土の温かみが感じられる仕上がりになっている。
それでいて、凹凸のある天井はとてもモダンでユニークだ。
現在はカナダ出身のErnestoさんおひとりが滞在。
彼が実際に住んでいる2階の部屋へお邪魔した。
ユージンさんがミシンで縫い合わせたというカーテンはマスクだ。
斬新!
画家であり建築家でもあるというErnestoさんの描くそれぞれの人生をも感じさせる人物画を拝見しつつ、窓から見下ろすと古民家の密集した風景も楽しめる。
実際に建物内を見学できたことも興味深かったポイントのひとつだが、ユージンさんの奈良で実現したいことの話がとても素晴らしかった。
海外学生と日本学生との対話。
そして、奈良の抱える空き家増加問題と、近代的なアートの参入について。
関東圏からの移住組である私としては奈良の環境は素晴らしい。
ベッドタウンとしての利便性に加え、中心地である近鉄奈良駅付近の街並みは寺院は勿論、古民家や町屋により風情を感じられる上に、森林や山との距離が近く鹿などの自然動物との共生も珍しい。
しかしながら、もっと近代的なアートが入ってきても良いのではないか?と常々私も感じていた。
一時的なインスタレーションを含むイベントは近年増えつつあるが、建築物を含めた街ぐるみのモダン化も期待している。
古都奈良に「アート」というスパイスを散りばめたら、絶対クールになると思いませんか。