奈良ひとまち大学

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珈琲の香りに包まれながら

●レポーター:奈良市在住 ひぐち さん

今回の授業は、「生まれ育った奈良について ~喫茶と文化人と高畑町と~」。
奈良で生まれ育ち、かつて「可否茶座アカダマ」という喫茶店を営んでおられた大槻旭彦さんが先生です。

珈琲の香りに包まれながら

私はこの春、奈良に引っ越してきました。
元々喫茶店が大好きなので、どこかへ行く際には周辺にどんな喫茶店があるのか調べます。
アカダマもそうやって知ったお店のひとつで、営業している間に訪れてみたかったなと思っていた矢先、今回の授業の募集を見かけました。

大槻さんはマスターとしての顔だけでなく、奈良の歴史についても研究されています。
「愛する奈良についてとことん語ります」と募集文に書かれており、奈良のいいところを住民の方目線で知りたいと応募を決めました。

珈琲の香りに包まれながら

待ちに待った当日、会場はアカダマの場所を受け継がれた「ことのまあかり」さん。
アカダマ時代にアルバイトをされていた方々もお手伝いに駆けつけてくださり、温かい空気が流れていました。
贅沢なことに、大槻さんが淹れてくださった珈琲と古代スイーツを片手に、お話を伺いました。

珈琲の香りに包まれながら

大槻さんのお父様がアカダマを開店されるまでの経緯から始まり、大槻さんの人生を振り返っていただきました。
珈琲が一部の人しか飲めなかった時代のことや、その後広く一般の人に飲まれるようになったこと、どの時代にどんな喫茶店が出てきたかなど、時代背景と併せてお話しいただいたので、その時代を生きていない私もイメージを描きながら聞くことができました。

どんな風に考えて、何を選んできたのか。
その道筋を伺うことができる貴重な機会でした。
若い人たちに向けて、「決断したら後悔せずにとにかくやってみること。やり方次第で変わってくる」といった趣旨のメッセージをいただき、心に残っています。
60代になって大学で再度学ばれた大槻さん。
いくつになってもやりたいことをやったらいいのだと、背中を押して貰った気がしました。

珈琲の香りに包まれながら

高畑の伝承についても大変興味深かったです。
知らない塚の名前など色々と出てきて、大槻さんが執筆された『奈良高畑町界隈 ―その歴史と伝承―』を読んでから改めて散策するのが楽しみになりました。
奈良は歴史の深い町ですが、他の場所でも昔どんなところだったのかを知ることはとても面白いと思います。
生まれ育った場所についても意外と昔のことは知らなかったりするので、調べて何人かで話しても面白そうだなぁと思いました。

珈琲の香りに包まれながら

最後に、会場のことのまあかりさんも本当に素敵なところでした。
アカダマ時代の内装の良さを残しつつ、今の時代の奈良雑貨も置かれていたりと、新旧の良さが合わさっている印象です。

珈琲の香りに包まれながら

奈良が好きな方や、奈良を知りたい方が集まる場所があるというのは嬉しいことですね。
私も是非また訪れたいと思います。
この授業のために動いてくださった皆さま、本当にありがとうございました。