奈良ひとまち大学

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奥深い!秋篠焼

●レポーター:奈良市在住 maronさん

私は以前から秋篠窯のことは知っていて、秋篠寺を訪れた時に近くまで行ったことはありましたが、実際に窯や作品を見たことがありませんでした。

奥深い!秋篠焼_1

たまたま『奈良市民だより』に掲載されていたこの授業の題名と内容を目にし、元々、陶芸と陶器に興味があったので、磁気染付作家である今西方哉先生直々による講座であることは、とても興味深く、秋篠窯について知るチャンスであると思い申し込みました。

4月の終わり、薫風かおるすがすがしい中、まずは、公民館の教室での講義でした。
秋篠の地にいた秋篠氏の存在と歴史的背景や、自然豊かな地であったことを知り、風景が目に浮かびました。
歴史と自然があるこの地で秋篠窯、秋篠焼は生まれたとのことでした。

奥深い!秋篠焼_2

秋篠窯の歴史、秋篠焼について、先生のアメリカでの経験、そして、先生のこれまでの人生と制作活動、作品への思いなどを、スライドの写真を見ながら聴きました。

先生の作品は私が知っている染付の概念をはるかに超え、現代的なアートのように感じました。
そのダイナミックでエネルギーにあふれた作品は、秋篠の歴史と自然から始まり、アメリカの自然のすごさを経験し感じたこと全てが源になり、それらが融合して生まれるそうです。

奥深い!秋篠焼_3

そして、秋篠の歴史と自然、先生の作品への思いなどふまえた上で、秋篠窯を訪れました。
そこは、西大寺周辺の喧騒からは程遠く、自然豊かで時が止まったようなおだやかな空間でした。

奥深い!秋篠焼_4

普段は入れない敷地の中の窯を近くで見学し、遠くから見えていた煙突は、はっきり煉瓦の色をとらえることができました。
展示室に行き、先程スライドで見ていた写真の作品を間近で見てみると、その繊細な陶器の質感とデザインの緻密さに改めて感動しました。

奥深い!秋篠焼_5

先生は、人間にとって自然は限りなく大切だと思って制作されているそうで、デザインには意味があり、タイトルも含めて自己表現であるとのことでした。
毎日が新しい発想と転換で、完成度の高い作品作りのため、前をむいて続けていくという先生の作品の奥深さと生き方・考え方に、感銘を受けた一日でした。

奥深い!秋篠焼_6