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●レポーター:奈良市在住 なっしーさん
ヤトガ、聞きなれないそれは、モンゴルの弦楽器。
今回は、そのヤトガの演奏を聴きにいってきました。
演奏してくれるのは、日本人唯一のヤトガ奏者という中西史子先生。
当日の中西先生は、モンゴルの民族衣装を舞台用にアレンジしたという煌びやかな金色の衣装で登場されました。
演奏の前に、写真集を見ながら、まずモンゴルについてのお話を伺います。
モンゴルといえば、砂漠・草原・遊牧のイメージです。
彼らは、ラクダ・ウマ・ウシ・ヒツジ・ヤギの5種類の家畜と一緒に、ゲル(パオ)で生活をしているそうです。
一方、そんな遊牧の生活とは違って、首都ウランバートルの生活は非常に近代的だそうです。
ウランバートルの写真はとても都会的で、私たちの想像するモンゴルとは違った側面をみせてくれました。
そして、とうとうヤトガの話に移ります。
ヤトガの第一印象は、お箏とよく似ていることと、弦が多いこと。
お箏と違うのは、演奏台ではなく、演奏者の膝の上で演奏すること。
そのせいか、お箏よりもずっと身近に感じました。
その音色はアジアの風情漂う優しいものでした。
まるでモンゴルの草原、吹き渡る風が思い起こされるようでした。
見た目はお箏なのに、音楽は当然ですが日本とは全く異なり、完全にモンゴルのそれでした。
ヤトガ演奏で一番心に残ったのは、中西さんが「命きらめく草原」と訳した曲。
モンゴル語の曲名の直訳は、「真珠をちりばめたような草原」。
ここでの真珠は、羊のことだそうです。
羊を真珠にたとえるモンゴルのお国柄、さらに、それを「命きらめく」と訳す中西先生の感性に惚れ惚れしました。
最後は日本の「ふるさと」を中西先生がアレンジしたモンゴル版ふるさとで締めくくられました。
だんだん暑くなってきた5月、素敵な一時間半を過ごさせてもらいました。