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●レポーター:上牧町在住 セスさん
1月24日、初めてひとまち大学の授業に参加いたしました!
朝からワクワクが止まらない。
頬をビンタされているような冷たい風が吹く中、東大寺さんに向います。
今年は暖冬だったせいかお尻の毛が抜け始めた鹿さんや外国人の方でわいわいとしている南大門をくぐり、東大寺ミュージアムにて受付を済ませ、やっとお部屋の中で人心地が付き「ふう~」。
今日の授業は「知ってるようで知らない、修二会 ~東大寺二月堂のお水取りって?~」。
先生は、佐保山 曉祥(さほやま ぎょうしょう)さん。
練行衆を7回勤められた方です。
お話始めに「話すのは苦手」とおっしゃっておられましたが、わかりやすい説明とくすっと笑えるエピソードで、ぐいぐいと修二会の世界に惹きつけられました。
■修二会を英語でFire Festivalって、それ間違い!などよくある間違いから
■本当の名は・・「十一面悔過(けか)」と言い、二月堂のご本尊「十一面観世音菩薩」に人々に代わって懺悔し、平和と豊穣を祈りささげる法会であることや
■始まりは・・実忠和尚の天界の天人たちの行法を見て、これをぜひ下界に持ち帰りたいと願いに願い、生身の、温かく鼓動のする観音さまが来られたことから
■お水取りは・・川で魚とりに夢中になり遅れて参上したうっかりな若狭の国の神さまからのお詫びのお水
など、そもそも修二会って?修二会の始まりついてのお話に始まり、修二会の日程順に、準備や期間中の生活・本行の様子を、写真と実際に使われたお道具に触れさせていただきながらお話を伺いました。
実際にお道具に触れられる機会があるとは・・・大興奮。
*総別火に入ると着る紙の衣「紙衣」
男性の行なので女性の手をわずらわせないよう紙でできています。
和紙のようなやわらかさがありました。
女性の手をわずらわせないって考え方に深く頷く・・
*二月堂内で履く「差懸け(さしかけ)」
桜の木で出来ており、歩くと音がします。
その音が観音さまへの音楽になる。
*東大寺・二月堂に関わった方々のお名前が書かれた「過去帳」
独特の難しい節がついていました。
さらに声明も実際に一部唱えてくださいました。
声明はすべて暗記!
修二会初参加の際に受ける新入りチェック:「新入習礼」に挑まれた時の針の筵状態のお写真も見せていただきました。
修二会は日程が試別火→総別火→本行に進むにつれて作法や所作がどんどん厳しくなり、食事も1日1回に。
先生が初めて参加された時は、体重が7Kgも減ったと・・・。
行の厳しさを感じるお話でした。
修二会の間は全てすることが決まっているので、修二会が終わると何をしていいのかわからなくなるとおっしゃっていたことにほっこり。
このあと教室を出て大仏殿と二月堂へ移動。
大仏殿へは普段入れない西廻廊を通り、立ち入り禁止の扉をくぐり大仏殿を裏側から拝し、さらに大仏さまをより近い壇上から拝見。
普段経験できないことばかりに興奮しっぱなし!!
大仏さまの蓮華に描かれた蓮華蔵世界図や柱くぐりの「実は・・・」など、メモを取るのも忘れるくらいお話に夢中になりました。
大仏殿から二月堂へと移動する間も、目に入るもの全てを説明してくださり、それぞれのものが持つ意味に感心し、エピソードに何度となく「へぇー」と声を立ててばかりです。
貴重なお話や普段の参拝では経験できないことばかりで、あっという間でした。
佐保山曉祥先生ありがとうございました!
最後に二月堂にて。
「修二会」を知って拝観するといつもとは違う見方で見えてきます。
今年で1265回目を迎える、一度も途絶えることなく続いてきた不退の行法。
改めて、修二会に関わってきたたくさんの人の思いに気づかされました。
今年の修二会はお松明だけではなく、観音さまへのラブコールの声明もぜひ聴聞したいです。