奈良ひとまち大学

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「大仏さんのふしぎ、発見!」レポ

●レポーター:奈良市在住 うらおもて さん

奈良ひとまち大学第401回の授業「大仏さんのふしぎ、発見! ~東大寺と大仏のあれこれ教えます~」に参加させていただきました。
今回の講師は東大寺大仏殿副院主の清水公仁先生。
「奈良県民なのに、今までそんなの知らなかった!」というような大仏さま造立にまつわるエピソードをたくさん聞くことができました。

大仏さんのふしぎ、発見

驚いたのは、大仏さまはもともと東大寺に造られる予定ではなかったということ。
当初は近江の紫香楽宮に造られる計画だったけれど、方角不吉説(諸説あり)などのために、最終的に東大寺に造られることになったそうです。
そして、東大寺には地主の神さまがおらず、大分県の宇佐八幡宮の神さまに入っていただいた、というお話も面白かったです。
この時、八幡神さまは大分県から東大寺までお神輿で来られたそうですが、これがいわゆる日本のお神輿の始まりなのでは?という説があるそうです。
八幡神さまは転害門を通られたそうで、転害門が2度の戦火に見舞われたのにも関わらず無事だったのは、きっと神さまのお力なのでしょうね。

大仏さんのふしぎ、発見

清水先生は毎年8月に行われるお身拭いで、大仏さまの螺髪部分を清掃するために大仏さまの頭上まで登られたことがあるそうです。
どのように登るかというと、大仏さまの背中にあるドアから内部に入り(大仏さまの中は空洞)、内部の木組みをジャングルジムのように登り、最後はマンホールから出るみたいに、螺髪をパカッと下から開けて外に出られるとのこと。
恐れ多いですが、一度体験してみたいものです。

大仏さんのふしぎ、発見

天然痘や天候不順で人がバタバタと亡くなり不安定だった時代に、大仏さまは造立されました。
その造立には、当時の日本の人口の半分が関わったとされています。
「みんなで協力して 苦しい時を一緒に乗り越えよう」という聖武天皇の想いから始まった大仏さまの造立。
その思いは後年にまで伝わり、たくさんの縁起が生まれました。
華厳宗の教えの中に、無尽縁起というものがあります。
縁は尽きることがない、という教えです。
この教えの象徴が、大仏さまなのかもしれません。

誰も予想をしていなかったコロナウイルスの拡大で、私たちの生活は大きく変わりました。
でも、大仏さま造立に関わった多くの人たちが、どんな風に手を取り合っていたか目を閉じて想像したら、なんだか元気がでてきました。
みんなで協力すれば、この危機はきっと乗り越えられるはず!
清水先生、本日は貴重なお話ありがとうございました!

大仏さんのふしぎ、発見