奈良ひとまち大学

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里山体験

●レポーター:奈良市在住 きのこ さん

近鉄奈良駅からバスで約30分、山道をくねくねしながら到着したバス停は奈良市東部の「須川」という所でした。

里山体験

空が大きく、緑がキラキラしている中をスタッフさんの引率で坂を少し登った先に、アート作品のような黒の木組みの建物がありました。

里山体験

そのお隣にあるお家に近づくとカラコロと音がして、見上げると鳥のオブジェがお出迎えしてくれました。

門にはかわいいロゴマークの暖簾(のれん)が掛かっていました。
隅々まで手入れが行き届いた日本家屋とお庭、壁の絵、棚のオブジェなど、全部一体となって調和していました。

里山体験

オランダで30年暮らした後、日本へ移住された、ヨスさんと裕恵さんご夫婦が講師です。
最初にヨスさんから言葉をひとつひとつ丁寧に紡いだご挨拶をいただきました。

里山体験

次に裕恵さんの力強いパワー溢れるご挨拶と笑顔をいただきました。
この時点でおふたりの魅力に完全に心を奪われていました。
ア。ウン。HAUSの「おいしい森プロジェクト」講座のスタートです。

日本の田舎がなくなっていく現状に、日本が大好きなおふたりは遠いオランダで心を傷まれ、日本への移住を決意されたそうです。
「おいしい森プロジェクト」と題して、里山を住み継いで次世代に繋げていく活動をされています。
food forest(食の森)というヨーロッパの持続可能な自然の摂理に寄り添った農業と日本の里山文化を融合させた、地球に優しい、そして長い時間をかけて取り組むプロジェクトだということでした。

オランダのfood forestのパイオニア、ワウター・ファン・エック氏のとうもろこし畑の事例などをスライドと共に教わりました。
循環型経済へのシフト、搾取による地球破壊、生産者が見えない怖い食品、壊して造る日本の住宅事情、空き家の増加、農薬や化学肥料による弊害など、たくさんの問題提起をいただきました。

大小様々な木、生物の多様性、水、空気、土、菌糸たちも全て繋がっていて、全てに役割があって、バランスを保って共存することで自然の恵みをいただけます。
人が手を加える領域はほんの少しだけ、ということを野外学習も通じて学びました。

里山体験

最初に出会った黒のガレージの中は頑丈な鉄骨になっていて、屋根に太陽光発電システムを設置。
車とお家の電気はほぼ賄えているとのことでした。

最後に手作りのお昼ごはんをいただきました。
1人ずつお膳に載っていて、器や箸置き、お料理、ひとつひとつに丁寧なお仕事が伝わります。
とっても美味しく、自然の恵みに感謝の気持ちが湧きました(いつもの日常では味わえない気持ちになりました)。

里山体験

これからア。ウン。HAUSの輪がどんどん繋がって広がっていくことがとても楽しみです。
帰宅後は、裕恵さんに教わって採取した「こごみ」の調理と「イタドリ」の下処理をしました。
次世代に繋げていけることは何か、イタドリの皮を剥きながら考えていました。

里山体験