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●レポーター:京都市在住 A.M. さん
みなさん、まんじゅう発祥の地がどこかご存知ですか?
今回参加した授業「幸せはこぶ、和スイーツ案内 ~日本唯一、おまんじゅうの神社訪問~」では、まんじゅう発祥の地であり、まんじゅうの神様が祀られている「林神社」に伺いました。
近鉄奈良駅から徒歩5分、小さな商店が立ち並ぶ街中に、突然現れる漢國神社の赤い鳥居。「林神社」はこの神社境内にあります。
漢國神社・林神社の宮司、梅木春興さんが今回の先生です。
袴でビシッとキメた姿に、ニカッとした笑顔が似合います。最初は緊張気味だった参加者ですが、冗談まじりでユーモアたっぷりのお話を聞くうちにドッと笑い声があがるように。
「林神社」は、室町時代、日本に初めてまんじゅうを伝えた林浄因を祀る神社です。1949年、当時の漢國神社宮司によって建てられました。林神社の建つ林小路は、現在の漢國神社々頭にあたり、ここは林浄因が日本初のまんじゅう屋を開いた場所。まんじゅう発祥の地なのです。
もともと、まんじゅうは中国ではマントウと呼ばれていました。これは今でいう豚まんのこと。しかし、林浄因はじめ禅宗の僧侶は肉食が御法度。そこで、林浄因は中身を甘い小豆餡にかえ、まんじゅうを作ったのです。それが師匠である龍山禅師から天皇家や将軍家に伝わり、徐々に広まっていきます。
そしてそこから更に、まんじゅうを全国に広めたのが茶道。
苦いお茶に合うお茶菓子として、茶の湯の流行に乗り、まんじゅうは広く全国で愛される菓子となりました。
まんじゅうにこんな歴史があったなんて、と驚きの思いでいっぱいに。参加者からも、感嘆の声がもれます。
お話の後、参加者全員で神社境内を見学させていただくことに。
漢國神社本殿を越え、境内右奥にひっそりと林神社の小さな社が建っています。
社を過ぎて数歩 奥へ向かうと、「まんじゅう塚」と呼ばれる岩が。この下には、
林浄因が結婚した際に配った紅白まんじゅうが埋められているとのこと。めでたい席で紅白まんじゅうを配る風習は、これが発祥なのだそう。
休憩の後は、茶道の体験。本当に盛りだくさんな授業内容で、私はお茶を飲む前からお腹がいっぱいに・・・はなりませんでした。なぜなら、この後にまんじゅうの実食が待っていたから。私、甘いものには目がないのです。
広間の真ん中を開け、四角形のように端に並んで座っていきます。
見本を見た後、順に実践。真似をしてみても、どこかぎこちない。思ったように身体が動きません。
そして遂に、正座による足の痺れが。ひとり痺れと戦っていましたが、戦いに敗れ、最終的には足を崩させていただきました。
まんじゅうの上品な甘みに、お抹茶のさわやかな苦味が合って、改めておまんじゅうのおいしさを実感。広間に参加者のほっと落ち着いた気持ちが伝わり、ほわっと和やかな雰囲気に。
最後に、もう一度、梅木さんが登場。参加者の質問に丁寧に答えてくださいました。
また、漢國神社では新たな試みとして、毎年8月に境内で無料ライブを行っているそうです。ミュージシャンの演奏、一人芝居の上演などおもしろい内容になっているとのこと。
2時間の授業はあっという間に終わってしまいました。漢國神社・林神社・まんじゅうの歴史を学び、茶道の体験まで。ぎゅっと濃い充実した時間を過ごすことができました。
奈良駅から程近い街中にある小さな「林神社」。そこは、多くの人に愛される菓子「まんじゅう」発祥の地。たまたまふらっと、じっくり歴史を調べてから、どちらでもきっと新しい発見ができるはずです。