氷室神社で開催された、映像カメラマン保山耕一さんの授業に参加しました。
まずは氷室神社さんにお参りさせていただき、そのあと、保山さんのお話が始まりました。

最初は、映像カメラマンとして世界を股にかけて活躍されていた頃のお話でした。
仕事には必ず全身黒い装いで、余計な光が反射しないように心がけていること、お水取りの映像を撮るべく、数日前からカメラを構えて周りに溶け込むようにひたすら待機し続けたことなど、ベストのタイミングが来るまでひたすら準備し、待機する、そして圧倒的な技術で撮影する、という、カメラマンとしてのプライドと自信を感じさせるお話でした。

ところが、2013年に直腸ガンが見つかってからは生活が一変したといいます。
仕事を始めて以来、1日もカメラを持たない日がなかったという保山さんも1年間は闘病の為、カメラを持つこともできず、それまでの仕事も一切なくなり、絶望するような気持になったといいます。
ですが、故郷奈良に戻り、以前使っていた高価なカメラではなく、持っていたスマホのカメラで奈良の映像を撮ることをリハビリとして、カメラの世界に戻っていかれたという保山さん。
その時の映像が流れましたが、とてもスマホのカメラとは思えない、ゆっくりと、一瞬一瞬大切に撮られた美しい映像だと思いました。
それから、奈良の風景を撮ってはYou Tubeにアップするということを続けられているそうです。

「奈良には365の季節がある」
保山さんの印象的な言葉です。
続いて流れた奈良の四季を撮った映像でも、四季それぞれの奈良の表情が丁寧に撮られていて感動しました。
私は奈良に住み始めて2年になりますが、奈良にいるとしっかり季節を感じることができますし、何か、大きなものに守られ、癒されているように感じることがありますが、その奈良の気そのものが映っている映像だと感じました。

現在も闘病しながら、美しい奈良の映像を撮り続けておられる保山さん。
その活動を今後も見守りたいですし、私も奈良の365日を感じながら日々を過ごしていきたいと思いました。
「興福寺国宝館とことん探訪!その2」に参加させていただきました。
いざ国宝館へ!と思いきや興福寺執事の辻さんのはからいで、予定になかった再建中の中金堂を見学させていただけることに。
思わぬサプライズにワクワク倍増です。

1000年先まで残るものをと作られている職人さんたちの気持ちが込められた中金堂、2018年の落慶が待ち遠しいです!

その後は国宝館へ。
辻さんの解説を聞くことで、これまで何度も見てきた展示物や仏像の見え方も更に深く違うものになりました。

「研磨された水晶など地鎮されていたものの仕事の細やかさから、見えない部分まできっちりと仕事をすることで、後世の人を惹き付ける魅力になっている、そういう仕事をしていかなければ。」
という辻さんのお話がとても印象的でした。
今、私たちが目にしているものには、昔の人たちの想いも沢山詰まっているんだなとしみじみ。
あっという間の時間でしたが、国宝館だけでなく、興福寺の魅力を知れる贅沢なひとときでした。
来年1年間、国宝館には入れなくなり残念ですが、そのタイミングでしか見られない別の素敵な景色もあるようで、今から楽しみです。
奈良のぐっと寒くなった秋の早朝から、ひとまち大学さんの授業に参加させていただいてきました。
今回、興福寺国宝館独占!ということで、開門の1時間前の8時から宝物館に入らせていただけるようでしたので、とてもワクワクしていました。

国宝館だけでなく、まずは興福寺そのもののお話から聞かせていただきました。
お話を聞かせてくださいましたのは興福寺の執事、辻明俊さん。
阿修羅展など、企画/広報をされており、より多くの方々に興福寺の魅力を発信されている方です。

まずは何と言っても完成が間近に迫る中金堂に注目しました。
中金堂は過去7回の火災に遭い、時代によっては資金が十分にいただけなかったり、神仏分離令で見放されてしまったりと幾多の難を乗り越え、そして現在8回目の再建復興に着手されているのです。
また再建するにあたり、外見の再現だけでなく、素材や建築構造から、できるだけ天平時代から伝わる様式そのものを復興しようとされています。
というのも、以前から国宝館に昔の中金堂から発掘された鎮壇具、水晶や椀なども所蔵されておりますが、この道具達から見て取れるように、当時の人々の仕事の丁寧さ、現代にまで美しく残る姿、そして現代においてなお最先端を行ける技術は1000年先まで伝えていける力があるからだそうです。

そして話は国宝館内に安置される仏像たちへ。
いくら国宝館と言え、こちらで展示されている仏像は、お堂で安置することが叶わず、一時的に所蔵されている「信仰の対象」である、と辻さんはおっしゃっていました。
例に挙げますと、国宝館にいらっしゃいます銅造仏頭は今回の復興で、約600年ぶりに中金堂に戻られるんだということなど。
このように再びあるべき場所に戻られ、美術品としてだけではなく、信仰として手を合わせていただき、再び宗教の面からも興味を持っていただきたいというのが本当の願いなんだそうです。
そのためには、興福寺の再建だけでなく、文化財保存や仏像修復の見直し、主に、欠けてしまった仏像などを再び綺麗な姿にすることなどが挙げられていました。
古き良きものを、ただこれ以上朽ちていかないように止める仕事が「保存」なのでなく、より先の未来の人々に当時のありのままの文化の姿を伝えられるように、どこかでオリジナルに戻す必要があるということです。

今、その時代にさしかかろうとしているのです。
そして辻さんが以前からなされているような興福寺の魅力をより多くの方に発信していく活動が、今後の課題になっています。
来年には東京国立博物館で興福寺と関わりの深い運慶の展覧会が計画され、それの関連事業も多く計画されているそうです。
仏像の美しさ、文化や歴史の素晴らしさをただ愛でるだけでなく、今、私たちが興福寺ともに大きく時代が動く節目に立ち会っているということを、身を持って実感する授業でありました。
近鉄電車の西大寺検車区の授業に参加して。
前回開催された際には、申し込み倍率が約6倍ということは聞いていましたが、
今回この授業に初めて応募するにあたっては、当たればラッキー程度で考えていました。
ところが、忘れた頃に参加通知が届き、一転、大変楽しみにしてきました。
結果的には倍率約10倍という難関だったそうで。

まずは座学で、西大寺検車区や鉄道についての基礎を学びましたが、
今回の先生である、谷区長と助役の軽妙な語り口で、皆引き込まれていきました。

西大寺検車区が近鉄の中でも最大の収容数を誇ること、特急車両は毎日洗車が行われていること、
検車区と検修車庫の2種類があり、それぞれ役割が違うということなど等、
鉄道に興味があるなしに関わらず、かなり興味深いお話を伺うことができました。
座学の後は、実際に検車区内に留置されている本物の近鉄電車の車両を使っての授業。

最近では「鉄道」に関する博物館が各地で続々とできており、鉄道に関する仕事を体験することも身近になりつつある感もありますが、
現在、営業運転に使われている車両で、ドアの開閉スイッチを操作させて頂くなんてことは、
博物館でもできない貴重な体験。
列車の最後尾に乗った際に時々見かける、車掌さんのドア開扉操作、
重そうなボタンだなと思ってましたが、本当に重かった。

次は、列車に乗って洗車を体験。
車の洗車機よりもっと大きい帯状の洗車機の中をくぐり抜ける様を電車の中から乗ったままの視点から見るという、これまた貴重な体験。

最後は電車から降りる際に、運転席に座らせて頂きました。
ガラス越しに見るだけだった電車の運転席に、自分自身が座ることになるとは夢にも思わず、
まさに夢のようなひと時でした。

西大寺検車区では車両の点検として電車の外回りや客室内部以外にも、車輪などの足回り、
またパンタグラフなど屋根上のメンテナンスなど、駅に停まっている列車だと隠れて見えない部分ばかりだけど、
非常に大事な部分の切れ目ないメンテナンスを実施されており、大変頼もしい存在でした。

いつも奈良から京都へ向かって近鉄を利用して通勤していますが、
これまで気が付かなかった部分もよく噛みしめながら乗るようにしてみようと思います。
大和文華館 特別展「呉越国 ―西湖に育まれた文化の精粋―」招待券プレゼントの当選者発表を行います。
たくさんのご応募ありがとうございました!
今回のクイズ
奈良ひとまち大学がこれまでに開催してきた授業のなかで、最も多く申込をいただいた授業はどれでしょうか。
の答えは、
<c>ぼくらの奈良の遊びかた ~仏像や仏教はこんなにおもしろい!~です。
以下の方が当選されました。
・ヒトミ さん
・3月うさぎ さん
・mk さん
・橅の葉脈 さん
・ふっきー さん
・らっきー2 さん
・ポーリー さん
・じょじお さん
・naraっていいね さん
・ドラゴンタトゥ さん
・小茶 さん
・とも さん
・みよみよ さん
・クー さん
・情熱大陸 さん
・いさおり さん
・よねちゃん さん
・amane さん
ご当選おめでとうございます!
※大和文華館 特別展「呉越国 ―西湖に育まれた文化の精粋―」招待券は、学生特典のお店「大和文華館」様よりいただきました。