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●レポーター:大阪市在住 モウレツ さん
1月26日、この日は若草山の山焼きと、私が初めて参加した「カワイイ、だけが鹿じゃない! ~野生動物と仲良くするには?~」の授業の日。
いやぁ、知らない事だらけでした。
いつも見慣れた奈良に生息する鹿たちの環境には、知らない事が山ほどあったのでした・・・。
知らなかった。
おとなしいと思っていた奈良の鹿は、妊娠中や発情期に人間とトラブルになる事を。
知らなかった。
オスジカの角は立派に完成した時が発情期で、メスジカを取り合って戦う武器になるという事を。
知らなかった。
母ジカが怒っているサインは、コチラをじっと見据え毛が逆立ち、前足で地面を叩きだす事を。
知らなかった。
奈良の鹿は野生扱いで、危害を受けたとしても自己責任になってしまう事を。
知らなかった。
鹿のトラブルを、鹿サポーターズクラブさんや奈良の鹿愛護会さんがボランティア的立場で献身的に対応していた事を。
知らなかった。
鹿の歯は下しか無く噛まれたとしても大事故になる事は無い事を。
知らなかった。
人との共生が難しい鹿は鹿苑に隔離し、一生をこの地でおくる鹿もいる事を。
知らなかった。
鹿苑には事故や寿命で死んでしまった鹿の焼き場がある事を。
知らなかった。
神鹿として神聖化されていた奈良の鹿は、江戸時代に1,000頭ほど生息していたのに、明治時代に知事が有害獣に指定して殺害し、38頭になってしまった事を。
知らなかった。
その後900頭に回復するも、第二次世界大戦後、えさの不足、進駐軍が鹿を狩猟対象にした等で79頭まで減少した事を。
知らなかった。
奈良公園の鹿は1,370頭いる事を。
知らなかった。
鹿の頭数調査は、朝5時から興福寺辺りより、ボランティアを含む約40人ぐらいで横一列になり一斉にスタートし、春日大社辺りまで歩いて地図上にまとめて行う事を。
知らなかった。
鹿たちが芝を食べる事で、芝刈りにかかる費用数億円が助かるという事を。
知らなかった。
秋になると道路に面したカシの木から沢山落ちるドングリを求めて飛び出す鹿が交通事故に遭っている事を。
知らなかった。
奈良公園に犬を散歩させ、リードをとって駆け回らせると鹿が怯え逃げ出して車に轢かれる事がある事を。
知らなかった。
鹿を支援するための飲料自販機募金ボタンは、押しても何も出て来ず、そのまま募金される事を。
知らなかった。
県内、県外から沢山のドングリが送られてきて、鹿の大切な栄養となっている事を。
とてもよくわかりました。
この奈良公園に生息している鹿たちと人間との共生は、奇跡的な釣り合いで成り立つ事。
人間が鹿に寄り添い共生するための対策を考え続けなくてはいけない事。
それらの共生を保つために、鹿サポーターズクラブさん・奈良の鹿愛護会さんが大変な思いをして維持管理に努めて来られた事。
環境に対して深く考えず暮らす毎日のなかで、共生する大切さを少し考えさせられました。とても有意義な授業でした。
少し、奈良の鹿というステレオタイプのイメージから脱皮し、問題がある視点からも見つめてみようと思います。
吉村さん、甲斐さん、そして奈良ひとまち大学のスタッフの皆さん、本当にありがとうございました。
今日から私もひとまち大学生。
ひとまち大学生として、これからの授業も積極的に参加していこうと思います。
その時はぜひ抽選で当選させていただきますよう、お願いします。ぜひぜひ・・・。