詳細
●レポーター:奈良市在住 イギーさん
今まで奈良公園の鹿は自分にとってそんなに身近な存在でありませんでした。
鹿を身近に感じるようになったのは、奈良市に引っ越してきた、ここ数年のことです。
最近テレビでも奈良公園の鹿について特集されることがあり、鹿愛護に関して少し興味がありました。
そんな矢先この講座の存在を知って応募いたしました。
今回の先生は一般財団法人奈良の鹿愛護会の石川周先生です。
まず講座では、石川先生の経歴と基礎知識として奈良公園の鹿の歴史や生態に関してお話がありました。
●体毛は夏毛と冬毛があり模様が異なる
(夏毛は斑点があり、冬毛は斑点がないそうです)
●メスは出産をすると我が子を守るために人をも攻撃する
(子鹿を守るためにナーバスになるそうです)
●オスの発情期はメスの取り合いでオス同士でケンカをすることがある
(また自分の匂いをつけるために水たまりで泥だらけになる)
●オスの角は毎年生え変わり年齢によって角の分かれる数が増える
(個体差はあるようです)
●上記は毎年同じ周期でサイクルしている
●オスメス問わず鹿に攻撃されたら人間であっても骨折などの大怪我に繋がる
ある程度講義が進んだところで皆さんお待ちかねの鹿寄せです。
我々は鹿寄せを見るために鹿愛護会の事務所の西にある飛火野へ移動しました。
飛火野には既に観光客の方々と戯れている鹿がちらほら。
石川先生は鹿寄せの正装である法被に衣装チェンジ。
早速鹿寄せをするのですが、使用するのは「ナチュラルホルン」という種類になるそう。
我々がよく目にするホルンとは違い、形状がシンプルです。
鹿寄せで鹿がよく出てくるのは、春日大社の本殿がある東側か、梅林や浮見堂のある西側だそうです。
ナチュラルホルンの音色が響き始めると・・・
近くにいた鹿が飛び跳ねて周りを走り回ります。
まだかな、まだかな・・・
どこから出てくるのか待ち構えていると・・・・・・
「あっちから来た!」
西側から複数の鹿たちが走ってきました!
その直後、反対の東側からも鹿たちが走ってきました!
・・・気付くと周りは鹿だらけに!
各々1組ずつ鹿せんべいを持っていたのですが瞬く間になくなってしまいました。
鹿せんべいの他にどんぐりも撒かれ、鹿たちは我先にとどんぐりを食べていきます。
よく見るとどんぐりを選んで食べているようで、食べ残しのどんぐりも周りにちらほらありました。
人間にはわかりませんがどんぐりにも良し悪しがあるんでしょうね。
そのあとは元の建物に戻り、残りの講座を受けました。
奈良の鹿愛護会の活動内容やゴミ問題、我々にできること・・・。
人間から出る害だけではなく鹿から出る害もあるとのことでした。
最後に、鹿と人間が共存していくにはどうすればいいのか。
基本的なことですが、ゴミは持ち帰り、自分がされて嫌なことは鹿にもしないこと。
鹿は人間ほど知能のある動物ではないそうです。
鹿の生態を人間が理解し、人間が鹿に合わせること。
これが大事だと思います。
奈良の鹿愛護会の皆さん、奈良ひとまち大学の皆さん、とても有意義な講座をありがとうございました。