詳細
●レポーター:奈良市在住 ほしいも さん
ほぼ毎日使うお醤油とお味噌。
こんな近くに!こんなお店が!あったなんて。
知ればきっとみんなが驚く、そんなお醤油づくりを当代6代目の吉川修さんに教えていただきました。
今回は、9時からの開催です。
まず受付で手渡されたのはシューズカバー。
そうか、そういう場所にこれから入らせていただくんだな・・・心が引き締まります。
薄暗がりの奥には赤煉瓦。
くぐると広がる高い天井。
奥にはでっかい木桶もあります。
手前に、間隔を取りながらずらっと並べられた椅子。
そのひとつに腰掛けます。
全員の自己紹介や、奈良ひとまち大学事務局の方からのお話ののち、いよいよ井上本店の吉川修さんによる授業が始まりました。
会社の歴史や時代的背景、そもそも吉川さんが井上本店に入社するきっかけになったエピソードなども盛り込んだグイグイ引き込まれるお話に、時間の経つのも忘れます。
もともとは氷屋さんだったというレンガ蔵の温度と湿度が肌に心地良く、自分も酵母の気持ちになりかけます。
場所を移動して、小麦を砂で焙煎する機械(※先代の製作だそうです)や、圧力をかけて大豆を蒸す機械、こうじ室、もろみタンク、成分分析室、きあげタンク、熱充填できる機械・・・等々、階段をのぼったり下りたり、場所をどんどん変えながら工場内を見学していきます。
途中、屋外とつながる場所がところどころにあって、晴れた青空にトンボが飛んでいるのが見え、とても健やかな空気が流れています。
自然の温度で時間をかけて醸造すること。
必要なものだけしか入れないこと。
だけど、普段使うものだから買いやすいように・・・。
これらは、なかなか簡単なことじゃない気がします。
「目指しているのはよりよいもの」「しくみづくり」「微生物のスパン」「酵素の力」「そのものがどういうものであるか見極めて」「いかに内容をちゃんと伝えられるか」・・・授業の中で吉川さんから出てきた言葉たちです。
息子さんが、木桶の上に渡した長い板の上に立ち、かいで、もろみを攪拌されていました。
先代のおじいちゃん、その娘であり成分分析もできるお母さん、当代のお父さん(吉川さん)、息子さんたち、従業員の方々・・・。
「自分たちが食べて美味しいと感じるものをつくる」
そんな当たり前のことが薄くなっている現代で、こんな近くに!こんなお店が!あったなんて。
お土産の木桶仕込み醤油「木まじめ」と「はしへいの甘酒」のほか、お味噌(白みそもあります)、お醤油、生こうじ、乾燥こうじ、ストレートのつゆ、だし等、魅力的な商品がいっぱいです。
レシピもいただいて帰りました。
また、買いに行きます。