詳細
麻は日本人のこころ、その最上は南都なり
●レポーター:大阪府茨木市在住 ビクター さん
奈良晒をよく研究され、織り手としても麻織物に精通された荻田先生のお話を伺いました。
「古くは苧麻、近時では大麻を糸として織機で織られる純白の布」と朧げな奈良晒のイメージを、本日は古文書を資料に、晒しの工程までしっかりと学ぶことができました。
先生のお話では、地域の神社の名称が織りを表す言葉として、またすぐ近くを流れる親しみのある川が晒場として、古い文献に記されているとのことで、連綿と続いた文化をよりイキイキと感じられました。
見開きに描かれた当時の晒場での作業の様子はとても興味深く、木灰を溶かした水で織り上がった麻布を漂白するのですが、それは灰汁のアルカリが作用するからという理に適った化学がいにしえ人の知恵に備わっていたことに畏れ入る思いがしました。
最後に、貴重で美しい苧麻と大麻の苧、手苧みされ糸になった繊維を巻き取るヘソ繰と大和機の実演を見せていただいて、授業は終了となりました。
麻三昧の大変満足な楽しい一時を過ごすことができました。
ありがとうございました。