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レトロな市場の絶品中華と風景写真のはなし
●レポーター:奈良市在住 レトロ市場 さん
125年もの歴史を持つ椿井市場にて52年営業されている大廣(たいこう)さんに伺って参りました。
70代後半(とは思えぬお元気な)ご主人と奥様のおふたりにて切り盛りされている、カウンター10数席の小さなお店。
出てくるお料理は、すべて絶品!
ご主人の「愛」が、たっぷり込められています。
食通が精読する『あまから手帖』(奈良100選)にも選出されています。
また、ご夫婦による絶妙な掛け合いも、このお店にはなくてはならない味わいのひとつ。
そして、ご主人の「もうひとつのお顔」である風景写真の撮影のお話に、花が咲き乱れる!
蛇腹式の大型カメラ(昔々、観光地や学校で集合写真を撮られる時の、ガバッとマントをかぶって写す、アレ!)とハシゴみたいな三脚を担ぎ、夜明け前の山道を懐中電灯を照らしながら登り、日の出の一瞬だけにすべてを賭ける。
イメージした光・雲・霧に出会えなければ、1枚も撮らずに帰る。
また次の年に挑戦する。
「せっかくご苦労されて行かれたのに、どうして1枚も撮られないのですか?」との問いに、「それは風景に対し、失礼だから」。
デジタルカメラやスマホで「とりあえずパシャパシャ」なんて、絶対にしない。
なぜなら「そんな写真には、『心』が入ってないから」。
かの写真家・入江泰吉さんの「自称・一番弟子」でおられるご主人のお話に、学びと感銘を受けるばかりの2時間でした。
最後にいただきましたご主人のお名刺には、「料理は、愛」「写真は、心」の文字が・・・。
素晴らしき学びの場をいただきました。
ありがとうございました。