奈良ひとまち大学

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「『蘇』の奈良で国産チーズの魅力発信」に参加して

●レポーター:奈良市在住 仙人志願の透明人間 さん

久しぶりの奈良ひとまち大学、そのテーマは「『蘇』の奈良で国産チーズの魅力発信」です。
この授業の先生・町田美保さんが営む「CHEESE CAFE soan」では多種のチーズが販売されており、経営形態もカフェと言いつつ夜市で商品を出したり夜のメニューを提供したりとオールマイティでした。
私自身そのカフェは初めて足を運ぶ場所であり、奈良ではあまり見かけない国産チーズを取り扱う店ということで興味が湧き、授業への参加を決意しました。

「『蘇』の奈良で国産チーズの魅力発信」に参加して

講義では町田先生が店を構えるまでの経緯や「チーズ」を商品にすることを決めた動機などを伺いました。
「奈良で国産チーズ」という所以は、日本最古のチーズである「蘇」が奈良県起源だということと、和洋中あらゆる料理に合う点が奈良県の持つ雰囲気と重なるということでした。
そもそも町田先生は根っからの奈良県出身ではなく静岡出身で、奈良教育大学に入学して初めて奈良の雰囲気を知ったとのことでした。
そこでは周囲の人々が鹿などの動物や人にも優しく、包容力のようなものを感じたとのことでした。

「『蘇』の奈良で国産チーズの魅力発信」に参加して

その後の奈良への移住は占いで決めたとのことですが、大学卒業から長い年月が経った今でも、その包容力のような精神的な温かみを感じているそうです。
町田先生は占いで結果が出るくらいに奈良県と縁があったのではないかと仰っていました。
また、影絵の劇団やケーキ屋でのアルバイト、料理研究家のアシスタント、カルディでのパートを転々としていましたが、それも大学で美術専攻だったことや他の人からの紹介や自分で見かけた情報によるものだと仰っていました。
町田先生は奈良の土地以外にも人との縁が深かったことが窺えます。
そして現在もまた北海道や千葉など様々な場所から国産チーズを取り寄せており、そこからもチーズが人との所縁を呼び寄せたのではないかと感じられます。

「『蘇』の奈良で国産チーズの魅力発信」に参加して

今回の講義では「人や物との縁」や「自分の目や耳などから入る情報」が特に強調されましたが、町田先生の過去を聞いていると説得力に満ちていました。
町田先生は、チーズケーキならチーズケーキ、チーズ製品ならチーズ製品と個別の工房を作り、できた製品を近鉄などの百貨店で販売することを今後の目標としていました。
そうなると益々人との縁ができそうです。
少なくとも町田先生から見て人情味のある奈良であれば、得られる人や物との縁は深く大きなものとなるでしょう。
私も私で、将来は奈良に腰を据えて奈良の為に力を尽くしたいと考えているので、その為にはまず日頃の所縁を大切にすべきであると思いました。

「『蘇』の奈良で国産チーズの魅力発信」に参加して

この授業に参加する前後でも海外から来日してきた人を大勢見かけました。
昨今、奈良を含め各地で見られる傍若無人な外国人による迷惑行為や観光公害、オーバーツーリズムに頭を抱える日々ですが、今日見た限りではその片鱗は見られませんでした。
それは町田先生の言う奈良県の持つ精神的な豊かさが関係しているのかもしれません。
奈良県外出身の町田先生の視点で見た奈良の魅力が「精神的な温かさや豊かさ」であれば、奈良の力になる上で、いかにそれを大事にするかが課題でしょう。
今回は私の人生も見直すきっかけになり得る講義でした。
町田先生及び奈良ひとまち大学の皆様ありがとうございました。