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●レポーター:奈良市在住 ゆうちん さん
私は、高校生のときに一眼レフカメラを手に入れてから、友達や奈良公園のシカの写真をたくさん撮ってきました。
そんな私が、ひとまち大学の講座をチェックしていると、ちょうど写真にまつわる内容で開催予定とのこと。
しかも17万枚も撮ってきた写真家についてであることを知り、迷わず参加させていただきました。
まず初めに、井上博道記念館の館長、西村さんよりお話を伺いました。
特に印象に残ったのは、写真を通じて、奈良の文化を後世に伝えていく意義を語っていたことです。
ただ17万枚という写真を保管して展覧会を開くだけでなく、「出版」にこだわり、例えば万葉集の歌と写真を一緒に載せることで、より当時を想像しやすくする工夫をしているそうです。
こうすることで、その時代の様子や、その写真を撮った人にも思いを馳せることにもつながるのだと感じました。
館長の考えておられる、日本のため、そして大好きな奈良のために、小さいながら文化を発信することの大切さを改めて考えさせられる時間になりました。
その後はダイニングルームに場所を変えて、井上博道さんの妻の千鶴さんからもお話を伺いました。
飲み物と、ご厚意で美味しいお菓子もいただきました。
静かな落ち着いた空間で、ゆったりとした時間が流れていました。
話は写真のアナログとデジタルについて。
色々な視点で語ってくださいました。
私たちは普段、スマートフォンで写真を撮ることが多いですが、当時はフィルムに記録することが普通でした。
スマートフォンで撮った写真は、すぐに見返したり共有したりできる便利なものですが、一方で画面で表現できる色彩には限界があると言います。
また、画面によって微妙に色の違いがあるため、日本人が持つ繊細な共通の美的感覚が失われているのではないか、というお話もされていました。
確かに日本には山吹色とか薄紅色など、色を表す言葉が豊かですよね。
そういった感性を大事にしなければならないと、改めて感じる機会になりました。
半日の短い時間ではありましたが、写真の奥深さと、引き継ぐことの意義を再確認する一日になりました。