奈良ひとまち大学

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イタリア人が見た奈良県民の知らない「奈良」
イタリア人が見た奈良県民の知らない「奈良」

●レポーター:奈良市在住 仙人志願の透明人間 さん

奈良市は近鉄奈良駅から約10分歩いたところにある文字どおり隠れた店「ならまちバルNo7」にて、講義が行われました。

イタリア人が見た奈良県民の知らない「奈良」

テーマは「イタリア人が見た奈良の魅力」です。
私も奈良県出身で奈良市在住ですが、恥ずかしながら奈良のことについて知らないことがいっぱいでした。
そんな中、お酒も楽しみながら奈良県民ですら気付いていない「奈良の魅力」に迫るという内容に惹かれ参加した次第です。

イタリア人が見た奈良県民の知らない「奈良」

今回の講師はイタリア人で「ならまちバルNo7」オーナーのジャンルカ・ベルトッリさんです。
ルカさんは日本に来るまでにスイスやフランス、イギリスなどでホテルマネージャーを務め、日本に来てからも様々な地を訪れていたそうです。

イタリア人が見た奈良県民の知らない「奈良」

そんなルカさんがなぜこの奈良を選んだか?
それは、東京や大阪のような大きな街ではなくこぢんまりとした街が好きであり、日本の人も海外から来た人も大勢来る街で仕事をしたいという願望があったというのがひとつでした。
さらに、京都とは違いシルクロードを通じて導入された文化も加わっているという点に奈良の魅力を感じるという考えも、理由のひとつだと伺いました。

イタリア人が見た奈良県民の知らない「奈良」

同時に「奈良とイタリアに共通点」があったからという理由には驚きました。
一体どこに共通点などあるのか、そんな思いで話を聞いていると意外なことが分かりました。
それは昔ながらの街並みを残しながら新たな街づくりを並行している奈良に、生まれ故郷のフィレンツェに近いものを感じたということです。
そもそも日本とイタリアは国土が細長く海にも囲まれ、海の幸や山の幸が豊富で、さらに「季節に応じた旬のもの」「生魚」などの食文化といった様々な類似点や共通点があるとルカさんは語ってくれました。
そんな中で最もフィレンツェに近い奈良を選んでくださったことに奈良県民として感謝するとともに、今まで自分でも気づかなかった奈良の魅力に驚きました。

イタリア人が見た奈良県民の知らない「奈良」

そんな奈良にほれ込んだルカさんの経営するお店のコンセプトは、「お酒やおしゃべりを堪能しつつリフレッシュできる空間を提供する」というものだそうです。
そのコンセプトを反映してか、店内も「大勢でわいわい」というよりは「ルカさんとマンツーマンで会話を楽しむ」という感じのものでした。

また、そこで出されるお酒はルカさんが自ら選んでいるそうで、この講義ではその飲み比べも行われました。
今回出されたお酒はエビスマイスターをはじめとする日本のビールやクラフトビール、赤・白ワイン、そして抹茶のリキュールでした。

イタリア人が見た奈良県民の知らない「奈良」

飲み比べをしていて「ビール」と一括りにしているものの違いと共に、ルカさんの「『とりあえずビール』ではなくどのビールかはっきりした考えを持ってほしい」というルカさんの思いも知りました。
惜しむらくは私が酒に弱く、出されたお酒を最後まで飲み切れなかったということです。

イタリア人が見た奈良県民の知らない「奈良」

この講義を通じ、奈良県民ですら見落としていると思われる奈良の魅力と、それに感銘を受けたイタリア人の経営するバルでのお酒を堪能することができました。
人ほどお酒に強くない私ですが、このような機会があるのなら何度でも出席しようと思いました。
そして、まだまだ私を含めた奈良県民が知らない「奈良の魅力」を味わおうと思います。
素晴らしい授業でした。
奈良ひとまち大学の皆様方ありがとうございました。

雨したたる大安寺 副住職さんのあんな話こんな話
雨したたる大安寺 副住職さんのあんな話こんな話

●レポーター:姫路市在住 ライコネン さん

奈良の中心部から少し南西、緑も多めの少しレトロな街並みに、跡地も含めて結構大きく広がる大安寺さん。
南にはかつてそびえた(と授業でお聞きした)東西の七重塔の跡、北にも経蔵の跡が残っていました。

そんな大安寺さんで、若き副住職、河野 裕韶さんが先生をしてくださった授業。
授業タイトルにあった「元・銀行員」のインパクトが強かったのですが、ご説明くださったお寺に来られた経緯は、どこにもあるあったかいかわいい素敵なご縁(恋)のお話でした。
あのステキなSNSから滲み出るあったかさはそのあたりが起源だったんですね♪

東大寺よりも前からあった大安寺さん、空海とそのお師匠さん、最澄とそのお師匠さんなどなど、実はたくさんの有名なお坊さんが学ばれたという歴史あるお寺さんでした。
そんな大安寺さん自身のことだけでなく、奈良全体の魅力発信を他県出身者(大阪ご出身だそうです)ならではの視点で考えておられて、奈良がほんとにお好きなんだなあと伝わってきました。

梅雨明け夏空だとみんな勝手に思っていた当日はまさかの台風、始まる時間は土砂降りでしたが、お話がひと段落して境内を案内していただく頃にはほぼ雨は止みました。

秋にご開帳がある十一面観音さまがおられる本堂、受難をくぐって残された平安仏さま7体が佇まれる宝物殿も貸切でお参りさせていただいたあと、最後にとっておきの瞑想体験で終了。

瞑想、座禅と似てるのかなと思っていたのですが、「無にならなくてもいいんですよ、今を感じるんです」というご説明どおり、親しみやすくそれでいて特別にげんきにしてもらった時間でした。

また秋と春の特別拝観の季節も楽しみです。
すてきな授業、ありがとうございました!

人気者のあれこれ
人気者のあれこれ

●レポーター:大阪市在住 ペコー さん

奈良公園の人気者、といえば?
お店には人気者をモチーフにした商品が並び、少し歩くと出会えるくらいに町にいる。
そんな人気者=シカ。

この人気者の事をどれだけ知っているのか考えると案外何も知らない。
今回は、その素顔を教えてくださるとの事で参加させていただきました。

一つひとつを全て書くと小冊子が出来上がってしまいそうなので詳細は割愛しますが、
・全頭調査ってどうやってやるの?
・鹿苑にいるのはどんなシカ?
・公園付近にいるシカは鹿苑に帰ってくるの?
・そもそもシカがいるのはいつの時代から?
・・・これ以外にもたっぷり話していただきました。
全てを省略してしまうと話を聞いていないじゃないかと誤解を生じかねないので、一つ掘り下げてここに記したいと思います。

ニュースにもなり知っている方も多いかと思いますが、亡くなったシカの胃(第一胃)から3kg強のビニール袋の塊が出た時の話がありました。
ビニールなんて食べ物じゃないから吐き出せばいいじゃないかと言いたくなりますが、シカは食べ物の匂いがついていれば食べ物だと思って食べてしまうとの事でした。
当然食べ物だと思っているので吐き出さず、胃では消化されるはずもなく蓄積されていく、胃にはビニールが留まり続けるので本来食べるべきものを摂取できず亡くなってしまう。

奈良には多くの人が訪れるようになっていますが、人が増える事はゴミが増える事でもあります。
今年7月上旬に実施された清掃イベントで集められたゴミは53kgあり、そのうちの30kgがプラスチックゴミとの事でした。

最近マイクロプラスチック問題も話題になっていますが、ここではマイクロどころではない。
今回担当してくださった鈴木さんが、奈良の人と奈良のシカのこの関係は奈良の人の優しさで成り立っているのでは、と。
絶滅の危機は過去に2度あったものの、古の時代から人間とシカが共存している。
奈良の人だけでなく奈良を訪れる全ての人がシカへの優しさや配慮があれば・・・そう考えずにはいられませんでした。

堅苦しくなってしまいましたが、鈴木さんの朗らかで笑顔溢れる楽しい授業でした。
今回お話と鹿苑の見学をしましたが、まだシカの一部を知っただけに過ぎないので、新たな一面を見るべく再訪したいと思います。

新米奈良県民、シカを学ぶ。
新米奈良県民、シカを学ぶ。

●レポーター:生駒市在住 つぼみ さん

昨年の春、東京から奈良に越してきました。
引っ越し直後に散歩した奈良公園で「わぁ~!奈良公園って本当に鹿がたくさんいるんだなぁ~!!」と感動したあの日から1年と少し。

新米奈良県民、シカを学ぶ。_1

「奈良公園」の広大さにも、その中を堂々と闊歩する鹿の存在にもすっかり慣れ、すれ違う鹿を見ながら「あ、今のコは美人さんだったな~。」「すごいベテラン感だな~!?」などと感じる余裕が出てきた今日この頃。

新米奈良県民、シカを学ぶ。_2

【鹿の1年】を今までになく近くで見てきたものの、(まだまだシカちゃんたちのことを何も知らない・・・もっと知りたい!)と思っていたところに「こんな授業やってるよ」と家族から紹介され、思い切って参加させて頂きました。

子鹿公開や角切りのタイミングで何度か伺っていた鹿苑ですが、事務所に入るのは初めて・・・!

新米奈良県民、シカを学ぶ。_7

ドキドキしながら受付を済ませましたが、席につくなり目に入ってきた「シカのなき声」の違いを説明するボードを講義前からまじまじと見つめてしまいました。

攻撃的な気分の時、「ゲゲゲ・・・」というなき声を出すそうなのですが、「ゲゲゲ・・・」・・・?!
開講前から早くも私の知らないシカワールドの幕開けです。
「ゲゲゲ」。
いつか聞いたら「これかーっ!!!」って思うのでしょうか。
その際は静かにシカちゃんと距離を取りたいと思います。

新米奈良県民、シカを学ぶ。_4

講師を務めてくださった鈴木千春さんのお話が本当にテキパキと楽しく、また天然記念物「奈良のシカ」への深い愛を感じて、受講時間中はお話に聴き入ってしまいました。
どれもこれも「そうだったんだー!」と心の中で拍手喝采するお話ばかりだったのですが、その中でも特に印象的だったのは奈良公園の中でも興福寺近辺でオス鹿をよく見かける理由。

新米奈良県民、シカを学ぶ。_5

(ぜひ鈴木さんの素敵な語り口での説明を体験して頂きたいので、私のレポートでの説明は割愛します…!
この授業の第2弾があれば是非とも受講を…!!)
今まで幾度となく目にしてきたオス鹿たちが興福寺エリアの木陰にギュギュッと集まっている姿を思い出しながら、「なるほどーっっ!!!!!」と目から鱗が落ちる思いでした。

奈良で生活を始めて1年、動物園のように柵の向こう側ではなく、公園の中で人と”共に”暮らすシカたちを身近に感じられることが、徐々に当たり前の「風景」になりつつありました。
が、今日鈴木さんのお話を聞いて強く感じたのは、今私たちが享受しているのは決してそこにあって当然の風景ではなく、鹿愛護会の皆さんのご尽力や、この地に暮らしてきた方々の想いが作り上げてきたものなのだということ。

新米奈良県民、シカを学ぶ。_6

そして、『今』まさにここで暮らしている私たちが「次の世代へと繋いでいく」意識を持たなければいけないものなのだということです。
ゴミを見かけたら拾う、相手は野生のシカであることを忘れない(触らない!)、シカについて何か異常を見かけたら愛護会に連絡をする・・・1つ1つは小さなことかもしれませんが、これからもキラキラの瞳のシカちゃんたちと共生していくために、新米奈良県民として経験と勉強を積んでいきたいと思います。

新米奈良県民、シカを学ぶ。_3

鈴木さん、シカ愛あふれる楽しいお話を本当にありがとうございました・・・!

8月の授業をアップしました!
2019年7月18日(木)
8月の授業をアップしました!

8月31日(土)の授業の参加申込の受付を開始しました。

8月は、以下の3本立てでおおくりします。
奈良らしさを提供するカフェ~海外旅行者でにぎわう理由~
奈良市東部のあれこれ、教えます~われら、地域おこし協力隊!~
新しいまちづくりを京終から~駅舎カフェやイベントのこと~

参加申込の締切は、12月16日(木) 09:00 まで。
皆様のお申込をお待ちしています~♪

授業一覧はこちら→ https://nhmu.jp/category/class

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