●レポーター:奈良市在住 にき さん
本日の授業は「東大寺のこと、知っていますか~若き僧侶が語り尽くします!~」でした。
授業を受けたのは築400年の「勧学院」、大日如来さまと四天王が祀られている厳かな堂内です。
先生は東大寺のお坊さま、平岡慎紹先生。
授業は先生の読経から始まりました。
読経の声を聞くと穏やかな気持ちになるのは、やっぱり日本人です。
「大仏を造ろう」と大号令をかけたのは、よく知られた聖武天皇です。
相次ぐ天災・疫病・反乱に傷心した聖武天皇は仏教のひとつ「華厳経」に出会い、国民の力を総動員して盧舎那仏(大仏さまのお名前)造立に取り掛かります。
その際、天皇自身が3年もかけて華厳経の勉強をされたそうです。
鶴の一声で簡単にできることではなかったのですね。
華厳経の「華厳」とは、「様々な花がどれも美しい」という意味だそうです。
「花は一つひとつ違うけれど、競い合うこともなくそれぞれの花がかけがえのない価値を持つ」とは、とても優しい教えだと思いました。
勧学院での講義の後、普段は通れない通路を通り大仏殿に入りました。
そして、これもまた普段は上がることのできない、大仏さまの台座に直接手が届く場所へと上がらせていただきました。
大仏さまと脇侍の如意輪観音さまの間を通る時は、大きさの概念がおかしくなるほどの圧巻でした。
最後に二月堂に登りました。
なんと二月堂でも、普段は入れないお堂の中へ入れていただきました。
なんという特別感と眼福でしょうか!
お堂の中は暗く、ろうそくだけの明かりに黄金の釣灯篭が煌めき、黄金色の大きな蓮の彫刻はお松明の煤で黒光りしていました。
東大寺創建以来1271年、一度も途切れたことがないというご祈祷の場で、最後は先生の読経で今日の授業は終わりました。
東大寺には今まで何度も参拝していますが、こんな貴重な体験ができたのは初めてです。
先生のお話は興味深くおもしろく、「語り尽くす」には1年では足りないそうですが、1年聞いてみたいと思いました。
今日は本当にありがとうございました。