「まちくさ」
初めて耳にするこのことばの響きに誘われて参加しました。
講師は“まちくさ博士”こと重本晋平先生。
白衣のポケットからのぞく草のマスコットが“まちくさ博士”の目印です。

街に生える雑草に自ら名前をつけて分類する「まちくさ」
まずは、博士の発見したまちくさたちを鑑賞。
なるほど!
街に生える雑草たちが、名前ひとつで違ったものに見えてきます。

まちくさのイメージがつかめたら、デジカメを片手にまちくさめぐりへいざ出発!
どんなまちくさに出会えるか、わくわくです。

外へ出ると、電信柱の影やコンクリートのひび割れから顔をのぞかせるまちくさたち。
普段は景色の一部として見過ごしてしまいますが、視点を変えると・・・
不思議!
様々なまちくさが出現します。

見つけたまちくさはデジカメで撮影し、
教室へ戻って発表会を行いました。

発表会では様々なまちくさが紹介され、
参加者それぞれの視点の違いがとても興味深かったです。
まちくさを見つけだすコツをつかむには少し時間が必要でしたが、
新しい視点で物事をとらえることや、
他者と自分との視点の違いを知ることのおもしろさを感じることができました。

たくさんの発見をした一日となりました。
最近、「農」が注目されてる?
そう思ったのは、書店で農業に関する本のコーナーを見つけたときでした。
『Yesか農か』というインパクト大の本の見出し。
農業にも少し変化が起きているのかと感じたときでした。
それから、同僚にこの授業の話を聞き、農業の現場を見たいと思い参加しました。
授業当日。
近鉄奈良駅前に集合し、今回の教室である健一自然農園へ移動。
まずは、代表の伊川さんより、茶畑のお話を伺いました。

伊川さんの茶畑は、“ありのまま”の自然でできていることが特徴です。
農薬を一切使用せず、そこにあるものだけで茶葉が育っています。
そのため、茶畑にはあちこちにクモの巣が張っています。
夏ですから巣はありませんが、ハチも飛んでいます。しかし、駆除したりはしません。ハチが寄ってきても、じっとする。それが対処法なのです。

「昔の人は、里山を活かしながら暮らしてきた。しかし、今は里山を活かしきれていない。人は100年かけて自然の循環を壊してきたから、これからの100年はその循環を戻していかなければいけない」と伊川さんはおっしゃいます。
そして、いよいよ茶摘み体験。
日差しが照りつけるなか、やわらかくてきれいな色をした新芽を探します。
はじめは、どの芽が良いのか迷いながら摘んでいましたが、時間が経つにつれ、
摘むスピードも上がっていきました。

茶葉を摘んだら、午前中はここまで。
午後からは、その茶葉を「炒る・揉む・乾かす」といった工程を繰り返す、
製茶作業へと移ります。
まずは、「炒る」作業。
高温に熱した釜で茶葉を炒りますが、特別なヘラではなく、
軍手をはめて作業を行います。とても熱いなか、中腰で茶葉を炒ります。
序々に茶葉の水分がなくなり小さくなっていくので、熱さがだんだん増していきます。

次に、「揉む」作業へ。
平たいざるに移し替え、転がすように茶葉を揉んでいきます。
ここでまた茶葉から水分が出てきます。

その茶葉を、乾燥機で「乾かす」。

この工程を2~3回繰り返して、ようやくお茶ができました。
自分がこれまで持っていたお茶摘みのイメージより、体力が必要な仕事だと実感しました。
それから、できたてのお茶をみんなで試飲。
1杯目は、やさしいけど少し酸味のある味に。
2杯目になると、酸味が少し強くなったように感じました。
後味は2杯ともすっきりしていて、暑い夏にピッタリだと思いました。

最後にできあがった茶葉を袋に詰め、1日を終えました。

自然の恵みを活かして、そこにあるもので暮らすこと。
自然に生かされていること、日本人らしい暮らしの良さを改めて感じた1日でした。
健一自然農園のみなさま、ありがとうございました。

健一自然農園
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