3月25日に【貸町家「木屋 KIYA」】さんにて開催された「庭づくりを職業にしたわけ ~庭の仕事と茶の湯の愉しみについて~」に参加させていただきました。
教室となる【貸町家「木屋 KIYA」】さんは脇道を少し入ったところにあって、静かな環境と、引き戸や上がりかまちの風情もよく、お庭を眺められる廊下(縁側?)とともに2間を開放して教室の設置がされていて、とても素敵な空間でした。

そんな環境で開催された土屋さんの授業。
会社勤めをされていた頃から趣味で始められた「茶道」。
そして造園に興味をもったきっかけや出会い、庭造りの修業時代、木々や庭の景観に対してのご本人の考え方などを、とても丁寧にお話ししてくださいました。

お話の中盤では和菓子と薄茶をいただく時間もあり、お作法は気にしなくてもいいですよと言ってもらえ、一安心。
形式ばった感じの堅苦しさがない状況だったので、順次全員に呈茶してもらったら、みなさんも私もお薄と和菓子のセットを各々でプチ写真撮影大会(笑)。
お茶請けの「寧楽菓子司 中西与三郎」さんの和菓子は今回の為の依頼品なので店舗には通常出ていないものだそうで、写真映えも良く、中西さんのお菓子が好きな私はより一層、お抹茶を楽しめました。

お茶でほっと一息ついてからは、土屋さんが手がけられた【貸町家「木屋 KIYA」】さんのお庭を拝見しながら、木屋 KIYAのオーナーさんより思いやこだわりについても教えてもらい、庭造りの際、その内容をどのようにお庭に反映させたのか、景観を作ること、庭の手入れや剪定についてなどなど、質問も交えつつ教えてもらいました。

実は、昨年初夏に開催された【吉田山大茶会】というイベントで土屋さんの「軽トラ茶席」を体験しており、なぜ軽トラの荷台にお抹茶の空間を乗せようとしたのか・・・そのアイデアの斬新さを興味深く思っていて、こちらの講座の参加希望をさせていただきました。
軽トラのお茶席体験ではお話しできる余地がなかったので、今回はいろいろなお話を聞くことができて、とても楽しい時間をすごさせていただけました。
吉田山大茶会は今年も6月2日と3日に開催されるようなので、今日のお話を踏まえた上で、土屋さんの茶席を体験しにまた伺いたいと思いました。
土屋様、ひとまち大学スタッフの皆様、素敵なお話を聞ける機会をいただき、ありがとうございました。
4年ほど前に初めて見に行った興福寺での節分行事で、前に立ち並ばれた僧侶の中に一際目立つ方がいらっしゃった。
その方が本日の先生、ザイレ暁映さんであった。

テレビ等のメディアでも度々お見かけすることがあり、最近では松下奈緒さんと古舘伊知郎さんが興福寺を訪れる番組にも出演されていた。
ザイレさんとは一体どのような方なのだろうと非常に気になっていたため、今回ご登壇されることを知り、満を持して参加させていただくに。
(受講当選メールが来たときはとても嬉しかった!)
噂ではザイレさんは日本人より日本語が上手と聞いていたが、全くその通り。
まず仏教の起源や教えについてお話しされました。
壮大な内容をユーモアを交えてとても分かりやすく説明され、参加者みんな、前のめりになって熱心にメモを取りながら聞いている様子でした。
(ちなみに参加者の8割は女性でした。本当に皆さん熱心!)
お話の中で恐らくみんなが最も気になっていたであろう、ドイツ生まれのザイレさんがどうして仏教の道に進まれ、現在なぜ興福寺にいることになったのかというお話に。
ザイレさんの仏教との出会いは小さいときに読んだ本、小説だったとのこと。

そして釈迦について知ったとき、「釈迦はスーパーヒーロー、私も同じような体験がしたい!」と思ったとのこと。
それもザイレさんが中学生のときに。
それから、大学で博士論文のテーマとして『奈良仏教・南都仏教』を選び、その理由も「学生の自由な時間を使ってせっかく取り組むのなら誰も選ばないテーマに取り組むべきだ」ということで。
この選択が、ザイレさんと奈良・興福寺との接点を生むことになりました。
ザイレさんが来日し奈良に住み始めたのは、平城遷都1300年祭があった2010年。
住まいは大安寺の辺り。
(ココは奈良市民の参加者と親近感がぐっと湧いたポイント!)
その場所を選んだ理由も面白く、法相宗大本山である2つのお寺、興福寺と薬師寺の両方に自転車で行ける所にしたかったからとのこと。

あっという間に1時間のお話が終わり、最後に、ザイレさんが仏教を学ぶことを通して抱くに至った考えを述べられました。
それは心の安らぎ、依り所をもつことが大切であるということ。
ザイレさん自身はその役割を仏教の教えに見出しているが、それは別にキリスト教でも良いし、別に科学でも何でも良いと言われました。
(広大な世界観を持つことって素晴らしいし、カッコいいなぁ!と。みんなきっとザイレさんのファンになられたのでは。)

後半1時間はザイレさんによる興福寺境内のご案内。
南大門跡から興福寺全域を見渡しながらの解説と東金堂での仏像解説をしていただき、本当に分かりやすくて面白い。
「興福寺の大量の瓦を作るために土を採取し、その時にできた窪みが今の猿沢池」「五重塔も近々、解体修理予定」など知られざる話が盛りだくさんで、いつまででも聞いていられる感じでした。
(ちなみにザイレさんが通われた大学はカリフォルニア大学バークレー校。世界ランキングトップ5に入る超有名大学。言うまでもなく、東大を遥かに越える。。。カジュアルに話されながらも知性溢れる感じが随所に。)

ザイレさんが授業の最後に私たちにメッセージ的に言われたことが印象に残りました。
「人間は習慣性が強いため、変わることが非常に困難。しかしながら、変わるための行動をコツコツ取り続けることができたなら少しずつ変わっていくことは可能である」と。

今回の教室は興福寺の本坊。
門の外からは想像できない、奥行きのある厳かな歴史空間。
入ることができただけでも来て良かったと思えるぐらいです。
(ザイレさんもここに住んでいるとのこと。)
普段入れない場所に入ることができることもこの“大学”の魅力ですね!
毎回様々な視座や刺激を与えてもらえる『奈良ひとまち大学』が、今後の私たちの行動を変えるきっかけとなり得ていることも間違いないと思いました。

また、実際に興福寺にザイレさんがいらっしゃることが、平城京の時代に海外から若き優秀な僧侶が奈良の地に学びに来ていた情景を彷彿とさせ、更には、『国際文化観光都市・奈良』を地で行く奈良の今後の飛躍の可能性までをも感じ、感慨深く思いました。
密度の濃い今回の2時間の授業、本当に大満足でした。
ありがとうございました。
3月24日(土)に「仏の道を歩むドイツ人僧侶」を受講しました!
講師は興福寺の僧侶ザイレ暁映さん。
私は奈良在住歴は長めなのですが、興福寺のことを詳しく知りませんでしたし、外国の方がどのような思いで僧侶になり日本で暮らしているのかとても関心を持ち、ワクワクしながら授業に臨みました。
当日は快晴で、気持ちの良い天気でした。
ちょうど24日に興福寺の桜が開花したそうです。

まずは興福寺本坊にて講義。
初めにザイレさんから「修行ではないので足を崩してください」との声かけがあり、リラックスしてお話をお聴きすることができました。

仏教との出会いや興福寺・法相宗のこと、そして僧侶として歩んでいる中で思うことなど、内容は多岐に渡りました。
私が心に残った言葉をいくつか挙げますと、「自然の流れは自分の都合と関係がない」「人生の目的は心の安らぎを得ること」「修行で何かがころっと変わるわけではない。しかし少しだけ変わることができる」です。
当たり前のことなのかもしれませんが、毎日何気なく過ごしていると忘れてしまうこともあります。
改めて生き方を見つめなおせた時間でした。
後半は外に出て建物や美術の説明を受けました。
今まで知識がなく、拝観すると大きいあるいは有名な建物や仏像に注意を向けてしまいがちでしたが、今回本当に見方が変わりました。
東金堂ではぜひ維摩居士(ゆいまこじ)坐像に注目していただきたいです(笑)。

ザイレさんのお話はユーモアがあり分かりやすく、とても楽しく受講することができました。
まだまだお伝えしきれていないことがたくさんありますが、参加できて本当に良かったです!
ありがとうございました!