地元奈良が大好きで、その魅力をたくさんの人たちに伝えていきたいな・・・と思うようになっていた時、偶然「奈良ひとまち大学」を知りました。
これから、いろんな角度から奈良を勉強していきたいと思っています^^
そんな私の記念すべき初授業は、興福寺で千年以上の歴史がある厳しい試験「竪義」についてでした。

「竪義」は、法相宗の教義についての口頭試験で、一生に一度しか受けることのできない住職への昇進試験。
その竪義を受けたばかりの辻明俊さんと、そのサポート役を務めたドイツ人のSAILE 暁映さんにお話を聞きました。

試験までの修行期間である前加行中は、ごはんは1日2食でおかゆと梅干だけ、そして加行部屋は半畳ほどしかないので、24時間一度も横になることができない、そして基本的に「無言」で過ごさなければならない・・・など、なんとも辛い話ばかり!!
初めの1週間の睡眠時間は30分ほど・・・と聞いたときは、想像以上の厳しさにびっくりしました。
そんな厳しい修行中でも、2人は一度もやめたい・逃げ出したいと思ったことがなかったと聞いて、精神力の強さを感じ、私もおふたりを見習わなければ!と感じました。
加行前には、「辛い表情は見せないで、楽しくやろう」と約束されたそうで、辻さんは試験のために、ザイレさんは辻さんが加行に集中できるように、それぞれ大きなプレッシャーを抱えながらも試験を乗り越えたことが、本当に素晴らしいと思いました。

私のなかのお坊さんのイメージは、俗世を離れて、厳しい修行を乗り越え、なんとなく私が入り込めないような世界にいる人・・・というものでしたが、今日の授業で180度変わりました!
まだ30代前半で年齢が近いだけでなく、厳しい修行をともに乗り越えた同志だからか、堅苦しい雰囲気は全くなく、おふたりの仲の良さが伝わってきました。
加行中のエピソードで笑いが起こった場面もあり、竪義の厳しさだけでなく、一生に一度の貴重な体験を、思い入れ深くお話されていたのがとても印象的でした。

最後に、SAILEさんが興福寺を案内してくださいました。
奈良にずっと住んでいる私が、ドイツ人のお坊さんに説明してもらうのは、なんだかとても新鮮でおもしろいな~思いました。^^
また、長い歴史のある奈良が、いろんな背景をもつ人たちに好まれ、大事にされているのを感じて、とても嬉しくなりました。
私ももっともっと奈良の魅力を知って、多くの人に伝えていきたいです。

志賀直哉が言った「奈良にうまいものなし」の印象をそのままに、
奈良に住む人に奈良の良さはなかなか見えないものだなと感じていた。
みんなが「奈良にはいいものがあるけど知らないだけ」「アピールが下手」と口を揃え、
だけど自分では形にできていない人がほとんどだ。
そんななか、今回講義をしていただいた有限会社WORLD COLLECTIONの井下泰憲さんは、
思いと理想を形にしている数少ない方だ。

他県から奈良の大学に学びに来られ、奈良を好きになる。
同時に、絵本を作りたいという目標を定め、「縁」あってイラストレーターの方と出会い、
鹿のオリジナルキャラクター「ロクちゃん」を商品化。

正直言って、うらやましい。
奈良に住む人にはできなかったことが、他県で生まれ育った人にできたのだ。
井下さんは、(1)単純に考えること (2)誰に何を伝えたいか この2点を重要に考えていた。
僕が解釈するに、
(1)単純に考えること
→絵本を作りたい→キャラクターが必要→奈良に住んでいるから鹿のキャラクターで。
→お土産をつくる→奈良といえば、大仏・鹿→鹿にする。
(2)誰に何を伝えたいか
→奈良に来た観光客に→奈良土産を→鹿に関するお土産。
こんな感じだろうか。何せ、シンプルに考え、シンプルに行動する。
鹿のお土産は数あれど、自称クリエーターはたくさんいても、ロクちゃんくらいのキャラクターを奈良に送り出してきたのは、井下さんが初めてだと思う。

奈良にお土産がない・・・と思っていた僕にとって、ロクちゃんの登場は衝撃的だったからだ。
もうひとつ、井下さんがポイントに挙げていたのが「人との出会い-縁-」だ。
高校の恩師との縁、整骨院で出会ったイラストレーターとの縁、そしてまだ見ぬ縁・・・。
「自分はイラストが書けない、だけど絵本を作りたい」とおっしゃっていたのは、
僕にとってそれは意外すぎるほど意外なことだ。
「イラストが書けないのに絵本なんて作れない」というのが先に出てしまう。
しかし、思い続けることで、「縁」の力で人と出会うことができる。
自分の力でできないことにチャンスをくれるのが、「縁」の力だと感じた。
今回の授業の最後に、課題を与えられた。
「今回の授業で感じたこと・思いを、形にしてみましょう」
画用紙や色鉛筆、発泡スチロールにハサミ・・・
僕はそのなかから粘土を選び、今回教えていただいた内容に合わせて手を動かした。
(1)単純に考えること
→新しいお土産→鹿は井下さんとかぶるので大仏→粘土の大仏
(2)誰に何を伝えたいか
→奈良に観光に来られた方に→体験できて、奈良らしいもの→大仏づくり

これに、後づけで「観光に来て少し心を休めてゆったりした時間を」「手を動かして心を無にする」
「作る喜び→自宅に届く喜び→飾る喜び」となんだかんだと理由をつけてみた。
普段ではなかなかできない体験に、緊張しながらも心地よい空間で楽しく授業を受けることができた。
そして、授業が終わってから、色々な方と少しだがお話ができて、縁のチャンスもいただいた。
2時間程の短い時間だったが、貴重な体験や講義が受けられ、素晴らしい体験になった。
これから自分自身で何ができるか。誰かと何かができないか。
奈良のお土産産業になんとか食い込んでいきたいな。という気持ちが強くなった。
観光に来られた方が感動する奈良をつくり、お土産を購入された方の心の財産になる。
そんな奈良にしていきたいなと感じる授業だった。

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定員に達し次第締め切りますので、参加申込はお急ぎください!!
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2月の授業「おみやげがファッションに!?~鹿がTシャツになったわけ~」の先生、有限会社WORLD COLLECTION 代表取締役の井下 泰憲さんより、ROKUちゃん「卓上カレンダー2012」をいただきました♪
そこで、現在メールマガジンに登録してくださっている方や、新しくメールマガジンに登録してくださる方の中から抽選で8名様に、ROKUちゃん「卓上カレンダー2012」をプレゼントします。

応募の締切は、3月13日(火) 09:00。
皆様のご応募をお待ちしています~♪
たくさんの応募ありがとうございました!
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