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ひとまちブログ

奈良発!若き塗師が手掛ける「Urushi」の世界

2015.03.27 | 授業info | by Staff

3月のある日、なら工藝館へ。

奈良発!若き塗師が手掛ける「Urushi」の世界_1

お目当てはこれっ!

奈良発!若き塗師が手掛ける「Urushi」の世界_2

奈良の若手工芸作家5人が集まり、制作工程の一部を披露しながらの作品展示会なんです。
メンバーには、2012年12月の授業「伝統工芸・一刀彫の魅力に迫る! ~若き職人に学ぶ、手仕事の世界~」の先生・前田浩幸さんや、2014年1月の授業「23歳男子、150年の家業を継ぐ ~奈良団扇の魅力を発信!~」の先生・池田匡志さんなど、奈良ひとまち大学のゆかりの方々も。

で、本日の目的はというと、4月26日(日)の授業「カジュアル&ポップなNEW漆器 ~気鋭の作家が案内する、漆芸の世界~」の先生・阪本修さんの宣材写真(!?)を撮るためでございます。

奈良発!若き塗師が手掛ける「Urushi」の世界_3

阪本さんは、石川県立輪島漆芸技術研究所で輪島塗を5年学んだのち、目黒漆芸文化財研究所で蒔絵を6年修業し、2012年に独立、奈良へ帰郷しました。
そして、「人がやっていないことをやってみたい」という思いを胸に、日々の暮らしに無理なく取り入れてもらえる、若い世代にも親しみやすい漆器を手掛けておられます。
写真に写っているのはもちろん、その漆器ブランド「Urushi no irodori」のものです。
実はこのブランドを立ち上げてから、阪本さんは注目の人としてテレビや新聞などでも紹介されています。
全国最大級のクラフトフェアや手仕事・手工業品の見本市などにも出展され、好評を博しています。

漆は水や酸、アルカリにも強い特性があり、天然素材なので、安心して使えます。
しかも軽くて、手触りもやわらかい。
さらに、収納しやすいよう、デザインを工夫されているんです。

漆器といえば、艶やかな光沢があって、赤と黒のシックな色合い、そしてフォーマルなもの、というイメージだったので、初めて見たときにはびっくり。
カラフルやん、ポップやん、えっ?重ねてもええんや~、普段使いできそう♪

奈良発!若き塗師が手掛ける「Urushi」の世界_4

阪本さんのブースでは、研の粉(とのこ)を木地に塗って木肌を浮き出させる作業をデモンストレーションされていましたよ。
この作業により、水分等が木地に浸み込むのを防ぐことができるそう。

奈良発!若き塗師が手掛ける「Urushi」の世界_5

漆は乾燥しやすいのですぐにこんな感じに。

奈良発!若き塗師が手掛ける「Urushi」の世界_6

カラフルな色漆を塗るところは、きっと見せ場になるんだろうけれど、すぐに乾くので工房でないと難しいとのこと。
そりゃそうですよね、残念。

奈良市出身の阪本さんは、お父さま(正倉院御物の修理などにも携わる、指物師の3代目坂本曲斎さん)の関係で、奈良の伝統工芸が身近にある生活をしてきました。
奈良の古さに抵抗があった時期もあったとのことでしたが、奈良以外の場所に行って様々な経験をするなかで、奈良の魅力を再認識したそうです。
「京都のように洗練されていないが、混沌としたなかでのおもしろさが奈良の魅力だと思うので、奈良のいいもの、等身大のものを淡々と発信していきたいし、同世代(ちなみに阪本さんは1979年生まれ)や若い世代のみなさんにもぜひ、奈良の工芸のおもしろさを伝えていきたい」
と、おっしゃっていました。

奈良発!若き塗師が手掛ける「Urushi」の世界_7

「工芸」と言うとなんだか特別なもの、齢を重ねないと魅力がわからんといった印象があるかもしれませんが、そんなことありませんよ!!
奈良の工芸の魅力がつまった授業になることまちがいなし!ぜひお申込みくださいね。

授業の申込はこちら ↓
http://nhmu.jp/class/21523

(なさ)

いぶし銀のあの建物に迫る

2015.03.26 | 授業info | by Staff

花粉症とともに春の訪れを感じる今日この頃・・・。
(きれいな時候の挨拶ができずに申し訳ありません。)
みなさんは、いかがお過ごしでしょうか。

さて、今回ご紹介する授業は、
なんと、素敵な、レトロ建築 ~南都銀行の歴史と経営理念~
奈良ホテル、その歴史と伝統 ~憧れのクラシックホテル探訪!~」に続き、大好評の奈良のレトロ建築シリーズ第3弾★

第3弾は~~、ついに、あの建物の全貌が明らかになります!!
あの建物とは、なななんと、あの「仏教美術資料研究センター」ですっ☆
・・・。
えっ?みなさん知ってますよね?!
あの「仏教美術資料研究センター」ですよ!
知らない方もいらっしゃると思いますので、私の稚拙な文章でできる限りご紹介したいと思います。

いぶし銀のあの建物に迫る_1

「仏教美術」と聞くと、仏像があったり美術品があったりするとお思いかもしれませんが・・・そういったものは、センターの中にはありませんのでご了承くださいね!
うん、ま、まぁ私は知ってましたけどね・・・(汗)

さて、仏教美術資料研究センターがどこにあるかですが、春日大社の参道沿い(奈良国立博物館の裏手側)に悠然と建ち、周りの景色に溶け込んでいます(明治35年竣工)。
それはまさに、わずかその8年前に建てられた、奈良初の近代建築である奈良国立博物館仏像館(現在改修中)のネオバロック調の建物の外観とは対照的であるかのようです。

いぶし銀のあの建物に迫る_2

ここまで読んで、どこが「レトロ建築」なんだろう??って感じですが・・・この仏教美術資料研究センターの建築様式は非常に独特で、内装は和風建築の発想には程遠い、アーチを取り入れた通路やイスラームの装飾から影響を受けた独特な窓の形、しかし、外観は宇治の平等院鳳凰堂など各地の古社寺を思わせる和風の様式を採っているのが特徴的です。

いぶし銀のあの建物に迫る_3

4月26日(日)の授業「奈良で生まれた近代和風建築 ~探訪、仏教美術資料研究センター~」では、この独創的な建物の謎に迫っていくとともに、奈良初の近代建築として建てられた奈良国立博物館(仏像館)との関係、南都銀行や奈良ホテルなど近隣にある数少ない近代建築との関わりについてもお話していただきます。

南都銀行や奈良ホテルの授業に来ることができなかった方も、今回の授業を聴けば、明治期・大正期の奈良の近代建築についての理解が一気に進む75分になること間違いなしです!!
ぜひお申し込みください★

授業申込はこちら↓
http://nhmu.jp/class/21516

(もじゅ)

「大和橘」でつながりましょう

2015.03.22 | 授業 | by Staff

3月22日(日)、授業「幻の柑橘『大和橘』って? ~古代から伝わる希少種の秘密~」を、「なら橘プロジェクト尼ヶ辻フィールド」と「サロン・ド・サラサラ」を教室にして行いました。
応援スタッフとして参加しましたので、その様子をご紹介します。

集合場所は、近鉄尼ヶ辻駅の西側出口前。
駅に受付を準備するのが待ちきれず、サロン・ド・サラサラを探してたどり着いた学生の方には本当に申し訳なかったのですが、駅まで戻っていただきました。
今回の授業は駅からスタートだったもので・・・すみませんでした。
楽しみにしてくださっているお気持ち、しっかりと受け止めました!

「大和橘」でつながりましょう_1

先生の、尼ヶ辻フィールド代表・久保田有さんは、笑顔が優しそうで、初めてお会いしたのに懐かしい雰囲気のする方でした。

駅から5分ほど歩くと、なら橘プロジェクト尼ヶ辻フィールドに到着です。
近鉄橿原線の線路と垂仁天皇陵の間にフィールドがあり、授業の間にも幾度となく電車が通ります。
お天気もよく、のどかな風景と電車とがおさまった写真が撮れると、なんだか嬉しくなります。
いえいえ「撮り鉄」ではありません、今日は授業スタッフです。
久保田さんのお声が電車で聞こえない・・・、そんな場面も何度か。

「大和橘」でつながりましょう_2

フィールドで説明を聞いた後、垂仁天皇陵の正面に行きました。
「左近の桜、右近の橘」
数年前に切ったので、橘はやや小さめとのことでしたが、お雛様の、蜜柑の木のようなあれが、橘だったのです。
何十年越しで、すっきりしました。
みなさん知ってましたか?

「大和橘」でつながりましょう_7

垂仁天皇陵から戻るとき、道端につくしが出ていたりするかと思いましたが、「もうピークは過ぎたよ」と、学生さんから教えてもらいました。
その方は、たくさん取って来て冷凍にしてあるそうです。
そういえば、卵とじにして子どもの頃に食べませんでしたか。

季節を感じることって大事だなと思います。
外に出て風を感じて歩くことは、そんなことに気づかせてくれます。

久保田さんは、愛してやまない橘への想いを熱く語ってくださるので、時間が過ぎるのがあっという間です。
質問がある人は、移動中など、タイミングを見つけて熱心に質問しておられます。

それにしても、そう幅広くない道を車がひっきりなしに通ります。
のんびりと春の散策をするのも、安全第一です。

「大和橘」でつながりましょう_4

サロン・ド・サラサラに着いて、カバンをおいてイスに腰掛けると、みなさんホッとした様子。
そこは南向きの窓から風が通り、とてもくつろげる雰囲気なのです。

後半は橘の自生地の話、橘プロジェクトの話。
橘を材料に使ったお菓子やお茶の試食もありました。
サロン・ド・サラサラのボランティアのみなさん、ありがとうございました。

「大和橘」でつながりましょう_7

ひとまちレポートは、こちらをご覧ください。
「非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)」
http://nhmu.jp/report/21694
「第175回授業に参加して」
http://nhmu.jp/report/21792

また、ワークショップで大和橘の腕輪を再現!ということで、四季橘の実を使って、腕輪を手作りしました。
それがまた、いい香り!
部屋中が爽やかな何ともいえない、いい香りに包まれました。

「大和橘」でつながりましょう_6

ちょっと外歩きあり、興味深いお話あり、ワークショップあり、楽しい授業といい香りが合わさって、深く印象に残るひとときになったのではと思います。

大和橘オーナー制度の紹介もありましたし、興味をもって活動に賛同する人の輪が奈良からどんどん大きくなっていくといいなぁと思います。
ホトトギスの鳴く頃、初夏の青空のもと、橘の可憐な花が咲くそうです。
「テッペンカケタカ」が聞こえてきたら、尼ヶ辻フィールドを訪ねてみたいです。

「大和橘」でつながりましょう_3

最後に、学生のみなさんに感想を言っていただきました。
「奈良ひとまち大学、なかなか当たらないが参加できてよかった」と言う方があって、人気の高さをありがたく思います。

最後に腕輪の保管について。
ビニール袋に入れたり傷がつくとよくないそうです。
風通しのよいところにおいて、カラカラにしてくださいね。

(和の美)