4月25日(日)の授業は「奈良の『おいしい!』を飴にする ~飴の専門店、ならBonbonって?~」でした。
コロナ禍で果たして開催できるのか・・・!?と心配していましたが、無事開催!
感染防止対策をしっかりして、美味しいこだわりの飴ちゃんの話を伺いました!
さて今回の授業の教室は「コムズギャレ」。
近鉄奈良駅から徒歩約10分、もちいどのセンター街にあります。
私は他の授業でコムズギャレに一度来たことがあるのですが、意外と知られていないようで、奈良ひとまち大学ののぼり旗を持って立っていると、ほとんどの参加者の方が「教室はどこですか?」と声をかけてくださいました。
たしかに商店街のなかに授業のできるような広いスペースがあるとは思わないですよね。
また使うかもしれませんので、よかったら覚えておいてくださいね!
授業の様子は、「ひとまちレポート」もご覧ください♪
「新たな奈良の魅力開発」
http://nhmu.jp/report/35866
授業は、お菓子研究家の神谷優希先生と奈良ひとまち大学スタッフ“よっしー”の対話形式で進行。
事前に入念な打合せをしていたそうですが、そのときにはなかった話が出てきたりして、「進行どうしよう・・・とすごく焦った」との“よっしー”談。
「みなさんに伝えたい」という熱い思いが、いっぱい出てきちゃったんですね!
神谷先生は、パン作りからお菓子作りの道へ入り、お菓子教室をしていたら奈良漬サブレの開発を・・・と、色々な経過を経て飴作りに至ったそうです。
奈良漬サブレは奈良女子大学とのコラボ商品で、東向商店街にある奈良漬の山崎屋で現在も販売中です。
奈良漬サブレの開発後、今度は大和野菜を使ったものを作ってほしいと依頼があり、色々考えたなかで素材の味がストレートに出る飴を選んだとのこと。
「野菜を使ったお菓子」と言われると、なかなか飴という発想は出てこないと思います。
お菓子のプロ、すごい。
「大和野菜」というと、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか?
正直、私は「大和まな」と「大和丸なす」くらいしか思いつかなかったんですが、調べてみると25品目が大和野菜として指定されているようです。
そのうちのひとつ「片平あかね」の色がとてもきれいだったから、先生は最初に飴の素材として選んだそう。
名前だけ聞いたら「人名??」と思いそうですが、片平あかねはカブの品種で、見た目は細く、大根のような味がするとか。
そして、山添村片平地区で育つと赤くなり、それ以外の所では白く育つそうです。
気候の関係等の理由があるそうですが、不思議な野菜ですね。
そして、片平あかねの種まきから収穫までを奈良女子大学の学生さんと経験し、栽培を成功させるのに3年。
その後は、飴に色を出す方法と味の問題で、とても苦労したそう。
今や大和野菜以外も含め20種類以上の飴を製作しているそうですが、この第1号である片平あかねは何度も試作や実験をして完成させたことから、とても思い入れの深い飴とのことです。
私もこの片平あかねの飴を食べてみました。
飴なので、もちろん甘さはありますが、しつこくないさらっとした甘さで、大根のようなカブのような野菜の風味を感じる初めて食べる味で、こんな飴もあるのかと驚きでした。
そうしてできあがった飴の話から、「ならBonbon」の話へ。
特におもしろかったのが、店名の由来。
ライターさん・イラストレーターさん・デザイナーさんにお願いをして進めたそうですが、最初は「奈良盆々」だったとか。
いかにも「奈良の盆地の・・・」というイメージだったのでしょうか。
パッケージも含めて古臭く感じたので、ポップなものにしてもらい、ならBonbonに。
「なら」は奈良県という意味ではなく、「日本(大和)のすべての始まりの地」という意味。
Bonbonは「ボンボン」と売れてほしいとの想いからだそうです。
ちなみに売れ行きランキングは、本葛バニラ・片平あかね・抹茶がベスト3。
先生のお気に入りは大和橘。
これまた作るのがとても大変みたいで、10㎏の大和橘から10ccしか果汁が取れず、熱する温度によって味が飛ぶんだとか・・・。
他にも、飴を入れる容器はプラスチックだと匂いが移るので密閉性の高いビンにしたりと、色々なこだわりが。
話のなかに出て来た「さりげなく本物がある」という先生の言葉に、この飴のすべてが詰まっているような気がしました。
ぜひみなさんもお店に足を運んでご賞味ください!
(2SIM)