奈良ひとまち大学は、授業をしてくださる先生、そして参加してくださる学生のみなさんはもちろん、他にも多くの方のご協力のもと運営しています。
なかなか紹介する機会がないもので歯がゆかったのですが、今回、奈良ひとまち大学広報課スタッフが、開校10周年企画のひとつとして、そんな「縁の下の力持ち」のみなさんにインタビューをすることに!
今回は、その3回目です。
1回目はコチラ↓
https://nhmu.jp/blog/pr/15086
2回目はコチラ↓
https://nhmu.jp/blog/pr/15139
最終回の3回目に登場するのは、奈良ひとまち大学ベテランスタッフの“かっぱ”こと福王聖樹さん。
現在、奈良市の中心部に位置する中部公民館の館長をしています。
2010年に奈良ひとまち大学が開校してから10年、どのスタッフよりもダントツで担当授業が多く、「NO LIFE,NO ひとまち大学」を体現している、「ミスターひとまち」の異名をとる人物です。
様々な授業を生み出す「中の人」が語る奈良ひとまち大学の良さや授業を企画する上での心構えなど、スタッフ同士でも普段聞けない話が盛りだくさんのインタビューとなりました。
「10年」はやっぱり大きい
― 開校してから現在(2020年9月)まで、奈良ひとまち大学は390回程度の授業を行っていますが、ご自分が担当した授業の数、覚えてます?
福王 150弱くらい?
それぐらいはあるんちゃうかな。
― 約3分の1は担当していますよね。
授業を企画するとき、どんなことを基準にして進めているかをお聞きしたいのですが。
福王 大切にしていることが3つあるんです。
「知りたい」「おもしろそう」「ご縁を結びたい」。
単純なことなんです、本当に。
― なるほど・・・。
「知りたい」と「おもしろそう」は自分の主観があると思うんですが、3つ目の「ご縁を結びたい」っていうのは具体的に言うと・・・?
福王 授業の教室となる場所や先生となる人と学生さんたちが新たにつながることで、きっと良い作用が起こるはず、って考えているかな。
例えばお寺で授業をすることがあったら、授業に参加してくれた方がまたそのお寺に足を運ぶこともあるし、先生となってくださったお坊さんの講演会に行くこともあるかもしれない。
飲食店で授業をすれば、また食べに行くこともできるし。
そういった行動で「自分の知らなかった奈良を知る」ということになる。
「人とまち」「人と人」、両方でご縁を結びたいっていうのがありますね。
― ひとまち大学も多くの先生方や学生さんとつながってきたなという実感がありますよね。
ひとまち大学が始まった頃の思い出についてお聞かせ願えますか?
福王 ひとまち大学の概要に、【若い世代が元気な“まち”は、“まち”も元気。彼ら/彼女らが奈良の歴史や文化に触れることで、奈良の魅力を感じ、自分たちの住む奈良の素晴らしさ・魅力を再発見できる機会を提案します】ってあるけど、「若い人にとっての奈良の良さやおもしろさ、魅力を伝える」っていうのが僕らも全然分からなかった。
今でこそ知り合いも多くなったけど、最初は先生とのつながりもなかったから、それはしんどかったかな。
えらいことやなぁと思ってました。
それが、今ではいろんな方と知り合えて、そこからまた新たなつながりができた。
あの頃に比べたら、いろんな人にいろんなお願いができるようになった。
10年はやっぱり大きいです。
― 担当したなかで特に思い出に残っている授業、ありますか?
福王 ゲストハウスにお泊まりした授業と、2013年に行った特別授業かな。
ゲストハウスは文化発信基地 ~「泊まる奈良」を体験しよう~
ゲストハウスが案内する、冬の奈良 ~奈良を感じるディープな時間~
【特別授業】ぼくらの奈良の遊びかた ~仏像や仏教はこんなにおもしろい!~
― 両方、ひとまち大学の他のスタッフの印象にも残っている授業ですが、どういったところがでしょう?
福王 奈良の人が奈良のゲストハウスに泊まって朝を迎えるとか、わざわざ早起きして奈良公園に行くとか、「奈良の朝を楽しむ機会」って、あまりないんじゃないかと思って。
夜遅くまで学生さんたちといろんな話をしたり、朝早く起きて東大寺や春日大社に行ってお話を聞いたり。
いつもだったら撮れない写真が撮れて、特別感があった。
そうそう、この授業で出会って「学生結婚」した人もいたからね。
― まさにご縁を結んでる!
このエピソードは入れさせてもらいます(笑)。
特別授業のことはいかがですか?
福王 2011年3月にみうらじゅんさんをお招きするはずだったんだけど、東日本大震災があって叶わなかったんですよね。
それで、ようやく実現したのが2年後の2013年。
みうらさんは、海龍王寺の石川重元さんのおかげで来ていただけることになっていたので、それもあってよく覚えてるかな。
“かっぱ”の夢は続く
― 最後に改めて、奈良ひとまち大学が10周年を迎えて思うところをお願いします。
福王 10年、よう続いたな、ようやったなって思います。
こんなにたくさんの人に出会えて、ご縁を結べるとは思っていなかった。
どうやって先生を探す?誰がいるねん!?っていうところからスタートしてますから。
それと、学生同士や先生のみなさんが授業以外の所でも顔を合わせられる、+αの場が作れたらいいなとは考えてます。
せっかく授業で顔を合わせても、その場限りっていうことがどうしても多いので・・・。
今後は、奈良ひとまち大学という場を、スタッフだけではなく、市民や参加してくれてる学生のみんなで一緒に考えていけたらいいなって思ってます。
それが奈良ひとまち大学の20年後につながっていくかな。
― 20年後!
やっぱり「NO LIFE,NO ひとまち大学」「“かっぱ”の夢は続く」ですね。
本日はありがとうございました。
(せとやん)