奈良ひとまち大学

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「大和橘」がつなぐもの

2015.03.06 | 授業info | by Staff

ここは近鉄尼ヶ辻駅。

「大和橘」がつなぐもの_1

なぜ尼ヶ辻にいるのか?
それは、3月22日(日)の授業「幻の柑橘『大和橘』って? ~古代から伝わる希少種の秘密~」の教室、「なら橘プロジェクト尼ヶ辻フィールド」にて打合せをするため。

駅から西に向かって徒歩3分。
見通しが開けたと思ったら、すぐ見えるのが、こんもりとした緑の前方後円墳、宝来山古墳(別名:垂仁天皇陵)です。
垂仁天皇陵の東側にある畑が、なら橘プロジェクト尼ヶ辻フィールド。

「大和橘」がつなぐもの_2

2月中旬のこの日は小雪ちらつく空模様で、寒さに震えつつ、先生の久保田有さんと打合せです。
畑の植物たちも、来たるべき春に向けて耐え忍んでいるように見えました。
ちなみに、11月に撮った写真がこれ。

「大和橘」がつなぐもの_4

太陽の光を受けて生命力あふれる大和橘・・・と思いきや、実はこれ、大和橘ではなかったんです。
・・・って、「えっ!?」と思ったのは私だけじゃないはず。
大和橘の苗を購入したのだけど、ある程度育った段階で、大和橘ではないということがわかったのだそう。
これは「四季橘(カラマンシー)」といって、柑橘類の一種ではありますが、橘ではないのだそうです。
大和橘は希少種なだけあって流通している数も少なく、販売元も大和橘と異なる品種とは知らなかったとのこと。
そんなこと、あるんですねぇ~。

今育てている本当の大和橘はここまで成長しておらず、実がなるまでにはまだまだ時間がかかるとのこと。
尼ヶ辻フィールドでは、大和橘だけじゃなく他の柑橘類なども育てることで、発育状況などを比較しています。

「大和橘」がつなぐもの_6

この日は、もうひとつの教室「サロン・ド・サラサラ」にもお邪魔しました。
サロン・ド・サラサラは、ボランティア活動を行う団体です。
定期的にフリーマーケットを行い、その収益金は全て国内外の福祉施設や被災者支援などに還元されています。

「大和橘」がつなぐもの_5

そのサロン・ド・サラサラが支援する活動先のひとつ、東日本大震災の復興への思いを込めてひまわりを植える活動に久保田さんが協力し、ひまわりの種を蒔いて育てたのがはじまりで、交流が続いています。
そんな縁もあり、今回の授業ではサロン・ド・サラサラの活動拠点である場所を教室としてお借りすることになりました。

実は、尼ヶ辻フィールドからすぐに移動できる範囲に教室として使用できる場所がなかなか見つからなかったので、サロン・ド・サラサラさんに場所を提供していただくことができて、ほんと良かった~。
教室の窓からは、垂仁天皇陵や尼ヶ辻フィールドが見えるんですよ♪

「大和橘」がつなぐもの_7

サロン・ド・サラサラのみなさんも交えて談笑しながら打合せをした際に、久保田さんとの交流についても伺いました。
ひまわりが取り持つ縁で、なら橘プロジェクトの活動を知り、大和橘への関心も深まったそうです。
「人と人との出会いを大切にしているので、このご縁を大事にしたいし、これからも応援していきたい」とおっしゃっていました。

授業ではまず、垂仁天皇陵を見上げながら奈良と橘とのゆかりについて伺い、尼ヶ辻フィールドで大和橘の栽培の様子を見学します。
その後、サロン・ド・サラサラへ移動し、なら橘プロジェクトのことを伺ったり、ワークショップ(橘の腕輪作り)などを行います。

この授業をとおして、みなさんと大和橘がつながっていけるように、ただいま準備中です♪
ぜひお申込みくださいね。
↓↓
http://nhmu.jp/class/21243

(なさ)

奈良から発信!「大和橘」の魅力に迫る

2015.03.05 | 授業info | by Staff

「大和橘」って、ご存知ですか?
「大和」とつくぐらいだから、奈良にゆかりのある植物だろうと思った、そこのあなた。
ピンポーン。正解です。
でもね、奈良に自生しているとかじゃあありません。
え!?じゃあ奈良にどんな縁があるの???
って思いますよね?

奈良から発信!「大和橘」の魅力に迫る_1

『古事記』や『日本書紀』によると、太古の昔、遡ること約2000年前の垂仁天皇の世、病に伏した天皇のために、忠臣 田道間守(たじまのもり)が、永遠に香っている果実「非時香菓(ときじくのかくのこのみ)」を不老不死の妙薬として常世の国から大和の都に持ち帰りました。
そう、この非時香菓こそが大和橘であり、ここで奈良とつながるわけです。

大和橘は日本原産の柑橘類で、古来から日本の太平洋岸の温かい地域に自生していました。
柑橘類では国内最古の唯一の固有種で、今では高知県・三重県・静岡県などでわずかに自生地が残っている、希少な植物です。

3月22日(日)の授業「幻の柑橘『大和橘』って? ~古代から伝わる希少種の秘密~」は、奈良市で大和橘を栽培している「なら橘プロジェクト」を先生に迎えて開催します。
なら橘プロジェクトは、伝説の神木である大和橘を栽培し商品化することで奈良を活性化しようと、さまざまな活動を展開しています。
最近では、新聞やテレビでもその活動が紹介されるなど、今注目すべき新たな「奈良ブランド」なのですぞ。

授業では、なら橘プロジェクト尼ヶ辻フィールド代表の久保田有さんに、大和橘ってどんな植物なのかを、実際に育てている場所でお話していただきます。
なら橘プロジェクトの活動についても伺いますし、万葉人にあやかった橘の実を使った腕輪も作りますよ!

奈良から発信!「大和橘」の魅力に迫る_2

奈良から全国に発信している大和橘の魅力にふれてみませんか?
お申込み、お待ちしています。
↓↓↓
http://nhmu.jp/class/21243

なら橘プロジェクトについて、詳しくは下記のHPをご覧ください。

なら橘プロジェクト推進協議会
http://www.tachibanakaidou.jp/
なら橘プロジェクト「奈良の橘が結んだ多様なネットワークで日本を代表するブランドへ」
http://www.mebic.com/collabo/4536.html
橘街道プロジェクト(近畿経済産業局)
http://www.kansai.meti.go.jp/7kikaku/tachibana/tachibanakaidou.html

(なさ)

体と心に美味しい♪糀のチカラ

2015.02.28 | 授業 | by Staff

今日で2月も終わり。
身を切るような寒さから一転、なんだか暖かな日差しです。

体と心に美味しい♪糀のチカラ_1

今日の授業「おいしい、楽しい!発酵料理 ~体と心にうれしい糀(こうじ)~」の先生・北村あいさんとの出会いは、今から9年前。
東京から故郷に帰った北村さんが、きたまちでオープンした野菜と雑穀専門店「はちみつ」でした。
「体に良いもの=味が薄くて美味しくないもの??」
という勝手なイメージを持っていた私は、そこでガツーンと衝撃を受けました。
優しい味わいなのに、しっかりと旨味がある。
産後で疲れた体に沁みる、野菜の甘み。
小さな古民家の台所でせっせと作る北村さんとその手料理に、しっかり癒されたのでした。

今回は、そんな北村さんの「糀」にまつわる話を聴けるということで、仕事とはいえ期待に胸がふくらみます。

いよいよ授業が始まりました。

まずは、糀との出会いについて。
運命の出会いは大分県で。
塩糀ブームの火付け役、浅利妙峰さんだったとか。
北村さんは、浅利さんに糀のおもしろさを教わり、日本中どこでも手に入る材料でできる糀を、ご自身の料理に積極的に取り入れることに決めたのだそうです。

体と心に美味しい♪糀のチカラ_6

続いて、塩糀などを含む発酵食品を食べることによる嬉しい効能について。
今回参加された方は全員女性ということもあって、ここが聞きたいポイントのひとつです!
「腸の調子を整える(お通じが良くなる)」
「美白効果」
「疲れにくくなる」
そして、なんと「痩せる」効果も。
(私も、学生のみなさんに負けないスピードで、メモを取るペンを走らせました!)

砂糖ではなく甘糀を料理に使うことで、太りにくい体のサイクルを作り、生活習慣病予防にも効く・・・など、なんだか良いことづくしです。
これは、今すぐ実践したいですね。

お店のスタッフも、1年を過ぎる頃には自然に健康に、スリムになっていくのだとか。
羨ましい・・・。

体と心に美味しい♪糀のチカラ_3

糀の奥深さは分かりました。
では、その活用法は??
(我が家では、お肉や魚を塩糀に漬け込み、焼いたり煮炊きするだけ・・・)

北村さん曰く、野菜も調理前に少し糀に漬けるとのこと。
消化を助けて胃の負担が軽くなる分、エネルギーを体の他の部分に回せるのですね!

また、発酵食品を単体で使うだけでなく、ヨーグルト・キムチなどと組み合わせることで、さらに美味しさも乳酸菌もアップするのだそうです。

ここで、待ってました!糀スイーツ~。
丁寧に作られた美味しそうなスイーツたち。。。
盛り付けも可愛いです。
みなさんから「美味しい~」と、感嘆の声が!

体と心に美味しい♪糀のチカラ_4

「一番大切にしていること、それは“今”を丁寧に真摯に生きること。」
「時にはコンビニ弁当だっていいんです。
 でも、やっぱりちゃんとした食事を摂れば体の調子も良くなって、
 自分の生活も充実する。
 そうすれば、家族や周りの人との関係も良くなっていく。・・・」

そうなんですね。
まずは、自分の体と心を整える。
糀は、そのサポートをしてくれる心強いミカタですね!

「お店を続けていて気づいたのは、料理をただ出してるだけじゃないってこと。
 料理を通して、楽しさや思いやりの心を届ける。
 届けた先で、またその人とつながる人にその心が届けられるんです。」

「今は、昔のように『自分が作った料理、食べてー!!』みたいな気持ち、全く無いですね。(笑)」

そう話す北村さん。
言葉の一つひとつが的確で分かりやすく、芯の強さを感じる反面、「しんどいことは続かないし、キライです~」とサラッと言ってしまう、力の抜けた感じ。
そのバランスが本当に素敵です。
そして、学生のみなさん、お店のスタッフ、私たち全員に向けられる、温かい笑顔が印象的でした。

体と心に美味しい♪糀のチカラ_2

また来たい。また会いたい。
そう思わせるお料理、そして北村あいさん。
今度は家族でお邪魔しようかな。

(たぴ)