奈良ひとまち大学

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ひとまちブログ

秋は赤橙黄緑青の彩

2013.11.24 | 授業 | by Staff

11月24日(日)の授業「庭師、という仕事のおはなし ~庭づくりの醍醐味と厳しさ~」を、「名勝 依水園」で行いました。
私は応援スタッフとして参加しました。

少し乾いた清々しい朝の空気を胸いっぱい吸い込んで、「どうかいい1日になりますように」。
いつもと少し違う仕事に心がうきうきしてきます。環境が変わるって大切です。
機材を車に積み込んで、スタッフ3人でいざ出発!

日曜の朝の道はとても空いていて、奈良公園に鹿がいるなぁと思ったら、あっという間に依水園に到着しました。
まずは入口の門の幅にドキドキしながら、車を中に進ませます。
ちなみに私は後部座席で見守ってるだけですが。
きれいに掃かれた砂利の道は、もうすでに庭園の一部。
入ってすぐに美しく紅葉したモミジが目に飛び込んできました。
ここは腰掛けも置いてあって絶好の写真スポットなのですが、まだカメラは道具類といっしょに箱の中・・・。
「後で撮ろう」と思っても忘れるものです。

秋は赤橙黄緑青の彩_8

本日の教室の入園受付がある母屋に到着です。
荷物を車から降ろして、準備を始めようとしたそのとき、学芸員さんが出迎えてくださいました。
美しい依水園にぴったりの清楚な方で、思わず見入ってしまいました。
「よろしくお願いします」とお辞儀した時によろけてしまったくらいですから。

秋は赤橙黄緑青の彩_1

さてさて、教室は母屋内の「藤の間」です。
20畳くらいの和室で、すでに座卓と座布団を並べていただいてました。
依水園のスタッフのみなさん、ありがとうございます。

そこで本日の先生、庭職人の牧岡一生さんにお会いしました。
初対面の印象は、「黒い!」。
日々庭師としてご活躍なさっているので当然といえば当然なのですが。
眼鏡の奥からはやさしい瞳がのぞいていて、お声はとても渋くていらっしゃいます。

秋は赤橙黄緑青の彩_13

受付時間になり、学生のみなさんが続々と来られます。
今回は女性が17人、男性が3人。
今日の授業を楽しみにして来られた様子が、受付でのやりとりでも伝わってきます。

秋は赤橙黄緑青の彩_2

受付を済ませた方は、前園池を眺めつつ、「挺秀軒(ていしゅうけん)」に集合です。
ここは、一般の方は入れない場所。
今回特別に入れていただき、ここから授業が始まりました。

秋は赤橙黄緑青の彩_5

先生の説明を聴いた後、まずは庭園をぐるっと一周して見学します。
苔を傷めないよう敷石の上を歩いて、氷心亭の横をぬけると、目の前に素晴らしい景色がじゃーん!とあらわれました。
後園池の向こうに東大寺南大門や若草山が借景となり、晴れ渡る青空と色とりどりの紅葉と緑のコントラストが絵のような美しさです。

秋は赤橙黄緑青の彩_4

先生にハンズフリーマイク(?)で説明していただきながら、園路を進みます。
1列になって歩くので、足元の石につまづかないよう注意します。
そのなかで、説明を聴くのとメモを取るのと写真を撮るのと、学生のみなさん大忙しです。

秋は赤橙黄緑青の彩_6

石の段を下っていると、前を歩く学生さんが滑りかけ、「あぶない!」
その矢先、自分もズルッと滑りかけました。
見ると「すべりやすいので注意してください」の張り紙が。
このあたりは水車の次に滝を配してあって、ひときわしっとりしているのでしょうね。
ヒヤッとしたまま足早に滝の横を通り過ぎてしまいました。

秋は赤橙黄緑青の彩_7

池の淵をもうすぐ一周。
このあたりは、きれいに手入れされたドウダンツツジが紅葉し、モミジとはひと味違う美しさです。

30分ほどの庭園見学を満喫した後、裏の縁側から上がって藤の間に入りました。
何だか親戚の家に大勢で集まった時のような感じです。

秋は赤橙黄緑青の彩_9

授業では、牧岡先生の自己紹介、海外での作庭エピソード、2003年から10年間続けている依水園の管理についてなど、次から次へ熱く語ってくださいました。

「ひとまちレポート」はこちらを。
「感じる、知る、依水園」
http://nhmu.jp/report/16693
「依水園のすばらしさを再認識」
http://nhmu.jp/report/16389

若手庭師の指導もなさっていて、25歳以下の熱意ある若者を対象に勉強会を開催しておられるとのこと。
勉強の積み重ねや、自分の目で実際に見て記憶に深く残っているものが、作庭のアイデアにつながっていくそうです。
また、もともとの作品をけがすことなく、魅力的なものをつくるという姿勢でやっている、そんな言葉も印象に残りました。
熱意ある若者に伝えたいことがたくさんある、そんな様子が熱い言葉の端々に垣間見られました。
1時間ほどのお話に、学生のみなさん、とても熱心に聞き入っておられました。

秋は赤橙黄緑青の彩_10

30分を残すところで、お抹茶と和三盆のお菓子が配られました。
20人ものお抹茶を点てるのはとても大変だと思いますが、学芸員さんと依水園のスタッフの方のおふたりで、とても手際よく用意してくださいました。
私もお運びを手伝いましたが、せっかくの泡が消えてしまわないよう、今日の授業のなかで最も緊張した数分間でした。
全員のお茶碗がきれいに飲み干されていたのを見て、嬉しくなりました。

秋は赤橙黄緑青の彩_12

終了時刻の12時を過ぎ、この後は予定があるとのことで、先生は急いで退席されました。
みなさんお名残惜しい様子で・・・まだまだ質問してみたいことがあったと思います。

私はというと、先生を玄関までお見送りしました。
実は写真を担当していましたが、教室「藤の間」は逆光だったため、撮っても撮っても先生のお顔が黒く写ってしまうのです。
やむをえず数枚フラッシュも試みましたが、効果があまりなく困り切っておりました。
思い切って追いかけて、「写真を1枚よろしいでしょうか」。
先生は快くOKしてくださいました。
急いでおられたのにすみませんでした。
その写真がこちらです。

秋は赤橙黄緑青の彩_11

授業終了後は、もう一度庭園を楽しんだり、ふしぎな形の屋根をした寧楽美術館を見学したり、みなさんゆったり過ごしておられました。

近鉄奈良駅から歩いても来られるところに、こんな素敵な庭園があるなんて、この歳まで知らなかったです。
「また来たいなぁ」と思う場所がひとつ増えました。

「どこにあるの?」というあなた。
10月30日の“蕗”のひとまちブログ「秋は魔法使い♪」をチェックしてみてください。
https://nhmu.jp/blog/info/5168

牧岡先生と学芸員さん情報によると、「新緑の頃もおすすめです」とのこと。
紅葉は少し散ってしまったかもしれませんが、牧岡先生の10年越しの手入れが随所に光る「名勝 依水園」、ぜひたくさんの人に訪れていただきたいです。

(和の美)

声をかけてくれたらありがとう

2013.10.27 | 授業 | by Staff

10月27日、もちいどのセンター街にある「藝育カフェSankaku」で行った、奈良ひとまち大学の授業にスタッフとして参加しました。
奈良ならでは、を世界へ届けよう ~街の魅力をバイリンガルで発信~」という授業で、先生は『naranara』編集長の前田展広さんでした。

声をかけてくれたらありがとう_1

ひとまち大学の認知度も高くなってきたのか、受付で立っていると話しかけられるようになりました。
入口がひとつしかないので、必然的に挨拶しなければならない空気でしたが、嬉しかったです。
ただ単に私が話しかけやすい雰囲気なのかどうかは、よくわかりませんが・・・。

声をかけてくれたらありがとう_4

簡単に授業の内容を説明しますと、前田先生は、バイリンガルフリーペーパー『naranara』を発行した経緯や思いを熱く語っておられました。
その次に行った、この授業の特色であるワークショップでは、「私が紹介したい奈良」の画像で盛り上がりました。

授業については、「ひとまちレポート」もご覧ください。
「フリーペーパーからのメッセージ」
http://nhmu.jp/report/16424

私は、奈良に移り住んでから9年が経ちますが、まだまだ知らない魅力的な場所がたくさんあることを知らされました。
ひとまち大学の授業に久しぶりに参加して、初心に戻りました。

今回、学生の方に「ひとまち大学のスタッフの方って普段どんな仕事をされていますか?」と聞かれました。
シンプルに、「奈良市の公民館職員です」と答えました。
ひとまち大学は、授業で知り合った先生や学生さんとの関わりによって成り立っています。
だから、学生さんが来てくれるだけで、授業を計画したスタッフが嬉しくなります。
みなさん、ぜひ授業に参加して、スタッフに気軽に声をかけてください。

声をかけてくれたらありがとう_3

学生のみなさん、いつも授業を受けに来てくださって、ありがとうございます。
また、ぜひ授業に申込みしていただけたらありがたいなぁと思う次第です。

(まさまさ)

魂の授業!!と言わせていただきます

2013.10.26 | 授業 | by Staff

10月26日、「モンゴルで出合った、幸せのカタチ ~2013年、奈良で暮らす理由~」を開催しました。
ひとまちブログは2回目の登場、“matsuo”です。

ご多分に漏れず、モンゴルと言えば「白鵬」「大草原」「チンギスハン」くらいしか思い浮かばない私。
(残念ながら「キン○マン」に出てくる超人「モンゴルマ○」は知りませんでした(TдT)。子どもの頃、見てたんだけどな、「キン○マン」。)
今日は一体どんなお話を聞けるのだろうと、学生のみなさんと同じ気持ちでワクワクしながら準備のため教室へ。

魂の授業!!と言わせていただきます_1

今日の教室は、近鉄学園前駅北口から徒歩5分の「Cafe MG」。
美味しいコーヒーがいただけるお店♪ということで、ドアを開けると、ぷわんとコーヒーの良い香りが。
あ~、癒されます~。

魂の授業!!と言わせていただきます_2

・・・いや、癒やされていたらイカンのです。
仕事に来たのです。授業の準備をしなければ。
といっても、Cafe MGの2階のテーブル配置などをちょこっと変えるだけ。
あっという間に準備完了!
そこへ、本日の先生、宇野陽一さん登場。

魂の授業!!と言わせていただきます_3

ひとまちのポスターを見て、「男前な方だなあ~」と思っておりましたが、本物(?)も、やはり男前!
今日の学生さんが全員女性なのも、もしかしてこのせい!?
・・・とかなんとかmatsuoが余計なことを思っている間、宇野さんはモンゴルの伝統的な衣装にお召し替え。
足元(ブーツ)から頭のてっぺん(帽子)まで、モンゴル一色!!
なんだかこちらも気分が盛り上がってまいります。

そうこうしているうちに学生さんも揃い、さっそく授業スタート。

魂の授業!!と言わせていただきます_4

授業の内容は、「ひとまちレポート」もご覧ください♪
「まるまるそのまんまぜんたい」
http://nhmu.jp/report/16587

スクリーンには、宇野さんが青年海外協力隊としてモンゴルに赴任されていた際の写真が次々と映し出されます。

しかし、なんてきれいな空の青さ!
なんて印象的な子どもたちの目の輝き!!
冬は最低気温がマイナス30℃にもなるという厳しい自然環境のなかで、たくましく、力強く、いきいきと生きる人たちの姿に惹きつけられます。

魂の授業!!と言わせていただきます_5

が、宇野さんのお話は・・・
“ああモンゴル・・・。
 大空を仰ぎ、大地に根ざし、自然と共に生きる。
 そんな生活に憧れる。
 そんな国に行ってみたい・・・☆”
・・・というような、そんなお話ではありませんでした。

モンゴルの社会問題である格差についてマンホールチルドレンを取り上げて語り、教育の大切さを訴え、そして、宇野さん自身の奈良への熱い思い、大きな夢を教えてくださいました。
その詳細については、もう、とてもじゃないけど書き尽くせません!!

とにかく、熱かった!!
理屈じゃなく、なんというか、魂のこもったお話。
胸に迫るものがありました。
宇野さん、がんばれ!!私も応援するよ!!ていうか私もがんばるよ!!
そんな気持ちにさせてくれる、本当に素晴らしい授業。

魂の授業!!と言わせていただきます_6

学生さんは、夕方になり少し肌寒くなった空気のなか、宇野さんの熱い思いをしかと受け止め、それぞれ帰って行かれました。

これぞ奈良ひとまち大学!
これぞ魂の授業!!
と感じた、佳き秋のひとときでした。

(matsuo)