奈良ひとまち大学

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ひとまちブログ

奈良団扇の授業に行ってきましたー

2014.01.25 | 授業 | by Staff

実は、「奈良団扇」の存在を知ったのも、お恥ずかしながら「奈良ひとまち大学」のスタッフになってからです。
スイマセン~(=_=) いつも同じようなことを言っている“もじゅ”です。
今回、参加させていただく授業「23歳男子、150年の家業を継ぐ ~奈良団扇の魅力を発信!~」では、奈良団扇ってどういうものなのか知ることのできる最高の機会☆
役得です、いつもありがとうございマース!!

授業当日、予報では雨が降るかも?ということで心配しましたが、ひとつめの教室となっているやすらぎの道沿いの教室「SAVAS cafe」に着くと、真冬の朝にも関わらず上着が必要ないぐらい日差しが暖かく、「SAVAS cafe」の外で受付のお仕事をしながら・・・
「この寒~い季節には、なかなかできない外での日光浴がめっちゃいい感じやん」

奈良団扇の授業に行ってきましたー_1

・・・などと思っていると、そんな爽やかな朝に負けない、サワヤカな青年が受付前に登場!!
「池田です。」
ポスターで池田先生の写真は見ていたものの、やっぱり若い!!
23歳で、人前で家業のお話をされるなんて、ホントすごいなと改めて感心してしまいました。

受付が終わり、「SAVAS cafe」の2階に上がると、窓からは安らぎの道が朝日に照らされて、すごく眺めがいいんです。
朝の「SAVAS cafe」、ホントにお勧めです!!

奈良団扇の授業に行ってきましたー_2

先生がまず取り出された奈良団扇は、青・黄・赤・白・茶の5色に染色した和紙を使用しており、カラフルだけど、とても落ち着いた自然な風合いや色使い。
カラー印刷された紙を張り付けたプラスチック団扇とは、やはり全然違います。

奈良団扇の授業に行ってきましたー_3

奈良団扇をお借りして、少し使わせてもらいました。
「すごく軽くて、使いやすいっ!!」
・・・極度のCM下手ですみません。
でも、ホントに使いやすかったです!
過去に旅行に行ったときに、お土産で染色した布でできた団扇を買ったことはありましたが、重さが全然違います。
透かし彫りの模様もとても美しくてawesome!ですが、実用性を重視したとされる「奈良団扇」の使いやすさを実感できました。

前半の先生のお話では、奈良団扇の歴史・工程について説明していただきました。
工程については、“蕗”のブログでも紹介されていますので再☆チェックです!!
ひとまちブログ「冬の団扇(うちわ)の風は?」
https://nhmu.jp/blog/info/5547
後半は、ついに奈良団扇の作業場でのお話に移っていきます。

奈良団扇の授業に行ってきましたー_7

授業の内容は、「ひとまちレポート」をご覧ください。
「奈良団扇に奈良の良さを感じる」
http://nhmu.jp/report/17210
「奈良団扇の日常性」
http://nhmu.jp/report/17220

6代目である先生と先代の5代目であるお母様がどうやって団扇を作られているのか、この日は学生もスタッフも奈良団扇の魅力に虜でした。

先生のお話のなかで、奈良団扇の一つひとつの工程が、代々の職人の技術や知恵が詰まったものだということに感心させられました。

年間を通して、ほとんど全ての工程の作業をされているそうですが、和紙の染色だけは冬の工程だそうで、今回の授業で学生のみなさんに見ていただくために、美しくて目立つ赤色の染色作業を残しておいてくださったそうです。
お気遣い本当にありがとうございました。

奈良団扇の授業に行ってきましたー_4

奈良時代や室町時代から脈々と続く奈良団扇の伝統の技法を、一度途絶えそうになりながらも、引き継がれた団扇や道具を元に再興し、今に伝え、当時と変わらず、美術品ではなく普段使いできるような団扇を追求して創られているとのこと。

お話されている先生は、弱冠23歳にして、芸術家ではなく、自分の仕事に向き合う職人さんの姿勢そのものに見えました。

奈良団扇の授業に行ってきましたー_5

最後に先生が、「“南部鉄器”や“西陣織”にも負けないような伝統工芸として、“奈良団扇”を全国に発信していきたい」という強い思いを語っておられたのがとても印象的でした。

今日参加した学生のみなさんだけでなく、奈良の多くの方も、奈良団扇のサポーターとして支えていければいいなと思った“もじゅ”のレポートでした。

(もじゅ)

伝えるってむずかしい

2013.12.22 | 授業 | by Staff

12月22日は、1年で最も昼間が短い日「冬至」でしたね。
北風ピープー吹いているさなか、「一服のお茶がもたらすハピネス ~奈良のおいしい茶葉のこと~」の授業スタッフとして、今回の教室「はなや北川」へ馳せ参じました。

伝えるってむずかしい_1

今回はカメラ担当ってわけで、責任重大なのです。
なぜだって?う~ん、なんでだろう・・・。
普段、授業での割り当ては大概ツイッターな私。
授業の熱気や「これおもしろいっ!」をリアルタイムで発信するツイッターは、文章ときどき画像なんで自分のイメージで構成できるから、イキオイとノリでなんとかなってる感があるのだけど、写真になるとそうはいかないんだな、これが。
写真って、その場面・空間・瞬間を切り取る作業だと思うのですが、これがとっても難しい。
だって、「きらめきの一瞬」なんて、「あっ」っと言う間に終わっちゃうじゃないですか~。
「いい画が撮れた!」と思っても、実際見てみたら「あれっ!?」だったりするし、ほんと、腕がモノをいう世界だと思います。
毎回、授業の前に記録用・広報用として写真撮影の許可をいただいておりますが、特に広報用の写真を撮るのってほんと難しい。
学生のみなさんから寄せられた「ひとまちレポート」やスタッフが綴る「ひとまちブログ」の内容に「ビンゴ!!」な写真があると、魅力倍増、広報効果絶大なんだけどな・・・。
今回、私は授業の魅力が伝わる「いい写真」を撮るべく、一眼レフとデジカメの2段構えで張り切って「カチャカチャ」と撮りまくってみたのであります。

伝えるってむずかしい_4

とりあえず、腕がないなら数で勝負だ!のごとくに撮り始めてみたのですが・・・、一眼レフっていろんなモードに設定できるんですね。

伝えるってむずかしい_6

そのあたりの使い方、おさらいするの忘れてた・・・(汗)と焦りつつも、パシャパシャやってみました。
同じ構図にならないよう、あっち行ったりこっち行ったりと、遠慮しつつも近くに寄って、がっつりと。
学生のみなさんの邪魔にならないように・・・と心がけてはいたものの、大丈夫だったかな?気が散ったかな?けしからんかな?と内心びくついてましたが、授業終了後、そのようなお声はなかったので、ほっ。

それでは、じゃ~ん☆(写真にも注目!?)
授業の内容は「ひとまちレポート」をご覧ください。
「奈良のお茶を飲む」
http://nhmu.jp/report/16933

いかがでしたか?
授業が終わって、パソコンで全ての写真データ確認したときの私の第一声は、「えっ、なんで?」。
正直、もっとうまく撮れてたら嬉しかったんだけどなっ。
実際にお茶を入れて飲み比べたり、水出し茶歌舞伎したりしたときの様子、肉薄したはずやったのに。

伝えるってむずかしい_8

お茶の種類によって、お湯の温度変えたり時間変えたりして、美味しいお茶の味を嗅覚と味覚で堪能した後、水出ししたお茶の味を当てるっていう内容だったんだけど、そのときの緊張や高揚感が・・・伝わってる?伝わってない??

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デジカメで撮った写真は柔らかい印象だけど、動きに弱い(後半の茶歌舞伎のときブレっブレやった・・・)。

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一眼レフは、場合によっては無機質な感じだけど、焦点が合えば動きにも対応可能。
結論として、扱いが複雑でコンパクトさには欠けるが、一眼レフの方がいい写真が撮れる可能性が高いということを実感しました。

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次回、私が撮影担当のときは、必ずや一眼レフを首から提げて、あっちこっち動き回っていることでしょうが、これも奈良ひとまち大学の魅力を広めるために重要な使命なんで!!!大目に見てやってくださいね。

(なさ)

赤膚焼、土・炎・心、伝統を受け継いで

2013.12.22 | 授業 | by Staff

授業の様子は、「ひとまちレポート」も併せてご覧ください♪
「赤膚焼がより魅力的に見えるようになりました」
http://nhmu.jp/report/16907

4年前に先代のお父様が他界された後、8代目を襲名した古瀬堯三さん。
窯を駆使して、先代たちから受け継いだ伝統技術と精神を土台に、オーストラリアでの美術・陶芸の留学経験を生かして赤膚焼に取り組まれています。

赤膚焼、土・炎・心、伝統を受け継いで_1

12月22日の授業「赤膚焼、レボリューション! ~伝統工芸を受け継ぐ女性作家~」での堯三さんのお話で印象に残ったこと。
現代では陶磁器を焼成するときに、窯に温度計を設置する陶工が多いなか、堯三さんは2昼夜半の間、1300℃の炎の色を見て判断し「挿し木」をされるそうです。
先代から「目で見て体で覚えろ」「窯の機嫌を伺いながら窯の目を見ろ」と叩き込まれ、温度計を入れると怒られたそうです。
「上の口を閉めろ!下の口を閉めろ!(口=空気穴)」と言う先代の厳しい声を聞きながら見極め方を習得され、その手法を忠実に守られておられます。
先代と親交が深かった薬師寺住職の故 高田好胤さんは、その窯の目をのぞいて「灼熱の透明の世界」と表現し、「光に吸い込まれるみたいだ」と語ったといいます。
陶工と炎との真剣勝負を感じました。

赤膚焼、土・炎・心、伝統を受け継いで_4

また、焼き物に使われる粘土の扱い方を伺った際には、「土も生きていますから」「土に食べさせてもらっている」「心が揺らぐと土が反応してくる」「眠っていた粘土を作品にして世に出す」など、土をまるで生き物のように自然に話されていて、赤膚焼の窯元で代々受け継がれてきたのは、単なる技術ではなく、製陶への姿勢であったり、土・素材に向き合う感性なのではと思いました。

赤膚焼、土・炎・心、伝統を受け継いで_2

先代が亡くなられて後を継ぐにあたって、旧来から「女の人は窯を焚いてはいけない」と言われていたけれど「そんなことは言ってられない」と、自らを奮い立たせて後継したそうです。
しかし、そんな気丈な8代目ですが、唐招提寺の庭にある先代作の蓮鉢を見ると「父に会いに行くみたいで、うっとなる」と目を細めてらっしゃいました。
作品の出来に生活が懸かっている以上、いったん窯に火が入ると、そこからはプレッシャーと安堵の繰り返しでほとんど眠れないと言います。
焼き上がりを見たら、ようやく熟睡できるそうです。
今では、平常心で坦々と同じ調子で同じモノを作ることの難しさを改めて感じているそうです。

赤膚焼、土・炎・心、伝統を受け継いで_3

赤膚焼で定番と言えば「菊長の皿」等ですが、最近では、生活様式の変化にあわせて、コーヒーカップ・マグカップなども制作されているとのことでした。
また留学先のオーストラリアでは、コバルトブルーの器を多様に用いて日本庭園を表現するなど、器の肌模様を決める釉薬についても、家にあるものでどんな色が出るか、表情が定まらないものを日々探究・冒険してきたそうです。
形状も、陶器でいかに柔らかい感じを出そうかと愛犬をモチーフに制作されるなど、斬新な試みに挑戦されています。

赤膚焼、土・炎・心、伝統を受け継いで_7

そんな創作意欲に溢れた8代目古瀬堯三さんですが、今後も歴史ある素朴な奈良の風土で、古くからつながりのある寺院などに作品を納めていくとともに、地元に愛される窯にしていきたいと抱負を語られていました。

赤膚焼、土・炎・心、伝統を受け継いで_8

その後、今回の授業をきっかけに赤膚焼の菊長の皿を使ってみました。
素朴な菊模様のお皿なのに、お刺身や一品料理を乗せると食卓が引き立ちます。
堯三さんが「陶器は懐石と同じ、何かと合わせて使って完璧になる」とおっしゃっていた意味がわかった気がしました。

(やまたろ)