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篤く三宝を敬い、和を以て貴しとなす

2018.06.23 | 授業 | by Staff

6月23日の授業「世界遺産、元興寺のエトセトラ ~お坊さんは元銀行員!~」に従事しました。

今にも泣き出しそうな梅雨時の空模様のなか、拝観受付の東門付近に並ぶ世界文化遺産記念碑や旧肘塚不動堂石造物、飛鳥小学校発祥地の碑を見ながら待機していたところ、迎えに来てくださった元興寺執事の辻村泰道さんと共に極楽堂(本堂)へ。

篤く三宝を敬い、和を以て貴しとなす_1

授業の様子は、ひとまちレポートもご覧ください♪
「夢いっぱいの元興寺」
http://nhmu.jp/report/30664

まずは、創建1300年、世界遺産登録20年の元興寺の歴史について、日本初の本格寺院法興寺として飛鳥の地で始まったとの説明がありました。
法興寺・飛鳥寺、そして元興寺という複数の名前を持つお寺としての背景から、歴史の重みを感じます。
本尊が仏像ではなく、智光曼荼羅であるのも他のお寺との大きな違いです。

篤く三宝を敬い、和を以て貴しとなす_2

そして、なんといっても元興寺と言えば、創建当時の飛鳥時代の屋根瓦や木材が現存していることが知られています。
奈良時代・室町時代・鎌倉時代と複数の時代の瓦が組み合わさって屋根瓦を構成している様子を拝見しました。
各時代での改造や修理を重ねて現存している姿からは、大規模な修繕時のみならず、日々の管理の積み重ねがあるのだろうなと感じました。

篤く三宝を敬い、和を以て貴しとなす_3

多種多様な石塔がずらりと並ぶ浮図田(ふとでん)の光景は圧巻!
石塔は、なんと1,500余り。
こうした石造供養塔は、極楽への道しるべだそう。

篤く三宝を敬い、和を以て貴しとなす_4

個人的には、総合収蔵庫にあった聖徳太子立像(太子2歳の時の姿)と聖徳太子16歳孝養像が印象的でした。
古代寺院の伝統を持つ元興寺は、聖徳太子の言葉として知られる「篤く三宝を敬い、和を以て貴しとなす」の精神に基づいているそうです。
三宝とは、「歴史的・奇跡的な仏さまの存在(佛)」「仏さまが解き明かされた真理(法)」「佛法を学び伝える集団(僧)」のことで、この三宝が備わっていないと寺院にはならず、仏教とは言えないそうです。

有名な屋根瓦や曼荼羅のみならず、幼き太子の姿に仏教と南都(奈良)のいにしえの姿を垣間見てはいかがでしょう?

(ミーシャ)

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