小麦の味わい
2025.09.28 | 授業 | by Staff
授業「薪窯を相棒にパンを焼く日々~『Erdal』が移転した理由~」に従事しました。
教室は、中町にある、以前は畳屋さんの工房だったところを改装したエアダールです。
窓から見える霊仙寺や近くの神社の緑を背景に、店内には海外の色々な小物たちがさりげなく飾られていて、とてもおしゃれです。

授業の様子は「ひとまちレポート」もご覧ください♪
「念願のErdalさんへ!!」
https://nhmu.jp/report/43334
「Erdalさんの授業を受けて」
https://nhmu.jp/report/43451
先生でシェフの丸瀬さんは、奈良のパン屋さんで5年働いた後、ドイツのデュッセルドルフに渡り、3年間修業してこられました。
まだスマホのない時代で、電子辞書を片手に、はじめは言葉に苦労しながら、休日にはフランスやイタリアなど電車でできるだけ遠くに出かけて、色々なパン屋さんの味を学んできたそうです。

「ドイツでいちばん感動したパンは?」との質問がありました。
答えは、ケルンで出会ったプンパニッケルという黒いパンだそうです。
ドイツは国が大きく、地方によって気候が違い、食べ物も違います。
このパンは、寒い地方の、中身がつまったパンで、低い温度で15時間ほどかけてゆっくりゆっくり火を入れます。
すると麦が糖化して、砂糖が入っていなくてもびっくりするくらい甘みが感じられるおいしいパンになるのだそうです。
日本に帰ってから、味を再現できるようチャレンジしているそうです。
授業では、小麦とライ麦の稲穂を見比べました。

エアダールのパンは、どちらも全粒粉。
磨いた小麦より水分が必要で、膨らみにくかったりとパンの製造には難しいけれど、栄養価が高く、味は間違いなく全粒粉の方がおいしいそうです。
おみやげに数本持ち帰った学生さんもいました。グラスや花瓶に挿しておしゃれに飾れそうです。

カナダ人の窯職人と一緒にシェフが自ら作ったという薪窯を近くで見ました。
今も改良や修理を続けながら大切に使っています。

フランスでは300年使い続けている窯も見たそうです。
電気釜との違いは、ゆっくりと火が入るので、パンの触感が違うそうです。
薪は一日当たり60キロも使うという薪は、間伐材で吉野や宇陀から届きます。

早朝から薪を入れ火をつけ、時間をかけて窯の温度を上げていきます。
窯の中でパンを入れる位置や、窯の中の温度変化で入れるタイミングなどで、いろいろな種類のパンを焼くそうです。
温度調節ができたり、まんべんなく火が入る電気釜と違う点です。
チーズケーキもこの薪窯で焼きます。
大阪や神戸には、おいしいパン屋さんがたくさんあります。
丸瀬さんは、奈良でおいしいパンを作れば奈良の人が近くで買えるので喜んでもらえると考え、この地でお店をオープンしました。
また、小麦をはじめとする素材や薪も地元奈良のものを取り入れるよう、意識しているそうです。
奈良ならではのパン、より一層おいしいパンの味わいが感じられることと思います。
次にお店に伺うのが楽しみです。
(ぼちぼち)
