奈良ひとまち大学

menu

ひとまちブログ

83mの奇跡と軌跡

2018.08.19 | 授業info | by Staff

9月30日(日)の授業「デジタルで観る鑑真和上の絵巻 ~唐招提寺『東征伝絵巻』の世界~」の授業のご案内です。

みなさん、「83m」って、何の数字だと思います?
東大寺の大仏の高さ?
薬師寺の五重塔の高さ?
唐招提寺の金堂の幅?
いえいえ、違うんです。
この数字は、日本に仏教の戒律を伝えた鑑真和上の活躍を伝えた絵巻物の長さなんです。
その名は、「東征伝絵巻(とうせいでんえまき)」。
重要文化財です。
全部で5巻、長さ83m。
作られたのは今から720年前の1298年のこと。

83mの奇跡と軌跡_3

「奇跡」!
みなさんも、博物館などに様々な絵巻物が展示されているのをご覧になったことがあると思いますが、見ることができるのは、その一部分。
両サイドが巻かれている状態でしたよね?
この前後には何が描かれているのか、見てみたいと言う気持ちに駆られたことはありませんか?
しかし、絵巻物は外光や外気に触れると傷んでしまうので、広げて展示することは保存の意味でとても難しいことなのです。
後世に伝えていくために、傷まないよう、大切に保管されているのです。
720年前の絵巻物が今でもきれいに残っているのことの奇跡。
その「東征伝絵巻」が!凸版印刷株式会社の特殊なスキャナ技術を用いてデジタル化されたのです。
このことで、長大な絵巻物を一度に鑑賞できるようになったという「奇跡」。
また、後世にも鑑真和上の伝記を伝えていくことができるという「奇跡」。

83mの奇跡と軌跡_2

そして「軌跡」!
鑑真和上が5度にわたる失敗を乗り越えて、日本に仏教の戒律を伝えるために苦労された「軌跡」を、この絵巻から知ることができるのです。
奈良ひとまち大学ホームページのトップページ、この授業のアイキャッチに使っている画像は、遣唐使が困難な旅を経て唐に着き、留学僧である栄叡(ようえい)・普照(ふしょう)が「仏教の戒律を伝えるために日本に来てほしい」と鑑真和上に招請しているシーンです。
この絵巻物がデジタル化され、後世に遺されていくことで、これからも鑑真和上の強い信念・気持ちを知ることができるのではないでしょうか。

83mの奇跡と軌跡_1

鑑真和上が建立した唐招提寺で、当時に思いを馳せながら、鑑真和上の軌跡を学んでみませんか?
後半は、石田太一副執事に唐招提寺をご案内いただき、唐招提寺の楽しみ方も聞いちゃいますよ。

お申込はこちら↓
http://nhmu.jp/class/30580

(かっぱ)

« | »