今日は、奈良の冬の風物詩、若草山の山焼きの日。
そして、授業「カワイイ、だけが鹿じゃない! ~野生動物と仲良くするには?~」の開催日です。
朝から、ビュービューと唸るような強い風が吹いています。
県外からのお客様か、奈良公園は、いつもより人が多いようです。
春日大社の参道を進み、ちょうど萬葉植物園の前あたりで参道から外れて道なき道を行くと、鹿苑(ろくえん)の後方にたたずむように・・・本日の教室、赤い屋根の奈良の鹿愛護会事務所がありました。
玄関先にある、何台ものパトロール用の車が目に止まります。
「こんにちは。よろしくお願いします」
と、中に入ると、本日の先生、甲斐さんと吉村さんが笑顔で出迎えてくださいました。
みんなでのぼりを立て、受付に資料を並べます。
開始まで少し時間があったので、近くを散策♪
まず鹿の親子が木立の向こうから、近寄って来てくれました。
愛らしい瞳に、思わずトロンと癒されます❤
手を差し伸べると・・・あらあら私の手の中に鹿せんべいのないことに気付いたのか、スタコラと立ち去って行ってしまいました。
「鹿さ~ん。頑張っておせんべい持っている人を探すのよ❤」
次に目に入ったのが、鹿苑の壁を背にたっている緑色の自販機!
普通のドリンクが並んでいますが、よく見るとシカのイラストの缶を発見。
しかも値段が「10円」「50円」「100円」「500円」「1000円」。
お金を入れてボタンを押すと、その金額が募金される仕組みのようです。
そこで、スタッフLeniraが募金を!
何が出てくるかと楽しみに待ちましたが、な~にも出ません!
ここは、鹿の笑顔を想像することにしましょう!
みなさんもぜひこのタイプの自販機を見つけて、鹿の保護活動のために募金をしてみてくださいね。
さてさて教室は、愛護会の方が早くから暖房を入れておいてくださったおかげで、寒そうに入って来られた学生さんたちもほっぺが緩む心地良さ。
「奈良といえば?ランキング」で大仏さまを押さえて堂々一位の鹿。
そして誰もが可愛いと感じる鹿。
更には「神鹿(しんろく)」と崇められ、天然記念物にもなっている鹿。
そんな鹿と人間の共生をめざして、甲斐さんと吉村さんが授業を行ってくださいました。
授業の内容は、授業レポートも併せてご覧ください★
「本当に知らなかった事」
言葉がしゃべれない鹿の気持ちを思いはかろうと、メモを取り、そして深く頷きながら真剣に先生のお話に耳を傾ける学生のみなさん。
とっても頼もしく見えました❤
きっと、「鹿」の見かたが変わられたのでは?
私もこの地で共生する者として、責任をもって接したいと思いました。
実は、授業の最中に、「公園で小さな鹿が死んでいます」と知らせてくださる方があり、事務所にいらした愛護会の職員さん2人が急いで出動。
24時間体制で敏速に鹿の救助・救出を行っておられる愛護会のみなさんには、本当に頭が下がります。
急遽、無人になった愛護会事務所の電話番にスタッフLeniraが入ることになり・・・緊迫した空気が流れ、ドキドキ。
そうこうするうちに、観光の方かな?「黄色い鹿ステッカーをくださ~い」と訪ねて来られ、事情を説明してお断りしようかと思った時、教室の鹿グッズコーナーにあるステッカーを見つけ、2枚を販売してなんとか切り抜けました(汗)。
あの鹿ステッカーを貼った車は、いったい何県を走るのかな?と想像して、ちょっと嬉しくなりました。
案外奈良県だったりして(笑)。
授業の後半は、昨年12月3日から一般公開されている鹿苑へ。
奈良公園では愛らしい姿を見せてくれる鹿たちですが、ここでは、畑を荒らしたり人間に危害を加えた鹿を隔離しています。
隔離された鹿は、この中で一生を暮らすそうです。
また、負傷した鹿や病気の鹿を収容・保護しています。
立派な角の雄鹿もたくさんいました。
整備された通路の壁には、可愛いイラスト入りで鹿の生態クイズのパネルが設置されています。
クイズを解くだけで、かなりの鹿ツウになること間違いなし!!
鹿苑の公開は、平日の13:00~16:00。
入場料代わりに、100円程度の「えさ代」が必要です。
鹿のお見舞いや慰問に、ぜひ訪問してみてくださいね。
教室に戻り、質疑応答。
鹿にまつわる熱心な質問がいくつも出ました。
余談ですが・・・「鹿せんべい」は、財団法人奈良の鹿愛護会の登録商標だそうです。
鹿のマークが入った証紙でせんべいを束ねていますが、まれに無地の紙で束ねられている無許可の煎餅もあるそうです。
公式鹿せんべいの売上金の一部は、愛護会の活動資金になるそうです。
授業が終わり撤収の折にも、初老のご夫婦が「鹿たちにあげてください」と、袋いっぱいのドングリを届けてくださいました。
鹿の好物は、しいの実や栗やドングリ!!
さすが奈良のアイドル!いろいろな人たちに愛されているのだなぁと感じながら、教室を後にしました。
甲斐さん・吉村さん、本当にありがとうございました。
(蕗)