若き写真家の背中を追って
2011.09.24 | 授業 | by Staff
今回の授業「ファインダー越しに見える奈良 ~奈良に魅せられた若き写真家~」は、写真家・都甲ユウタさんのこれまでの歩みを教えてもらい、都甲さんの目線で写真を楽しむ授業。
当日は、青空に白い雲がゆっくりと漂う絶好の授業日和となりました。
ならまちセンターの一室で授業が始まると、初めは「どんな授業になるんだろう?」と教室内にやや緊張した空気が流れましたが、そこは都甲さん、好奇心をソソるお話と子どものような笑顔で、みなさんをグイグイ写真の世界に惹き込んでいきました。
まずは、教室のライトを消してスライド上映。
過去に都甲さんが撮った趣向あふれる写真を見ながら、先生のお話を聴きました。
「ひねくれて撮る」「全部撮らない」・・・などなど、撮影のヒントを交えて「私は奈良をこんな風に撮ってみました」とお話されると、「これなら自分にも簡単にできるのではないか」と思ってしまいました。
次は場所を変え、撮影の時間。
青空の屋外に出るとみなさん開放感からか笑顔がこぼれ、リラックスした雰囲気。
撮影ポイントまでみなさん一緒に向かう途中、都甲さんが突然しゃがみこみ、道行く人々にカメラを向けてワンショット!!
後ろを歩くみなさんに、「こんな風に撮っていいんですよ~」と背中で教えてくれているようでした。
興福寺・猿沢池に着くと、それぞれが気に入ったポジションを選んで、いよいよ撮影スタート。
石塔にかじりつく人、池の水面に映る青空に焦点を当てる人、建物の竹格子に立ち向かう人、屋根の一点にカメラを構えながら鳩が飛んでくるのをじ~~~っと待ってる人・・・。いろんな人が出現(笑)しました。
「こりゃ~周りの観光客の方には、さぞかし変テコな集団だと思われてるだろなぁ~」と思いきや、そんな心配はご無用で、みなさんが真剣にカメラを構えていると、その場の風景にどんどん溶け込んでいき違和感がなくなるのです。なんだか不思議な感じがしました。
そんなことを考えながら私も授業の記録のためにカメラを持ち、撮影に夢中になっているみなさんや都甲さんの姿を後ろからそ~っと狙っていたのでした。(☆_☆)
撮影が終わるとならまちセンターに戻って、さっそく撮影してきた画像をみなさんで共有。みなさんがデジカメを覗き込んで一心に選んでいる様子に、その真剣さがこちらにも伝わってきました。
撮影してきた写真が次々と紹介され、そこに撮影者のコメントが添えられる。
それを受けて都甲さんが丁寧にアドバイスや感想を述べていくという、キャッチボールの1コマ。
どの写真も魅力たっぷりで、写真を通じてお互いが感性を高め合うのってホント素晴らしいですね。
最後に都甲さんの写真が紹介されると、会場からどよめきが・・・。
やっぱりスゴイ。
同じ場所にいたのに、まさかこんな写真を撮っていたとは!!
授業が終わり教室の後片付けをしていると、都甲さんが突然「あっ、忘れてました!」と一声。
実は、最後にみなさんに「今回の撮影方法はあくまでも私自身の手法なので、みなさんはみなさんなりに写真を楽しんでくださいね」と言いたかったそうです。
自分の手法を押し付けるのではなく、みなさんの視点や感性を大切にする。こんなところも都甲さんの魅力なのかもしれませんね。
若き写真家・都甲ユウタさんの今後ますますのご活躍を期待しております。
(やまたろ)