奈良ひとまち大学

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温故知新で新しい一歩を!

2011.05.28 | 授業 | by Staff

走り梅雨の般若寺で、奈良ひとまち大学の授業「お坊さんは、元ボクサー!? ~般若寺の若き僧侶、大いに語る~」を行いました。
雨にもかかわらず18人の参加があり、みなさんの学びに対する意欲の強さに驚かされました。

温故知新で新しい一歩を!1

般若寺はコスモスの寺として有名ですが、これは自然に咲くようになったのではなく、工藤良任住職が例年1月下旬から苗作りをし、霜から守りながら、手間をかけて育てた結果だということです。

堂内には、ご本尊の文殊菩薩騎獅像が安置され、参拝者が細部まで拝見しやすいようライトアップされていました。
ここにも、参拝者への心遣いを感じました。

温故知新で新しい一歩を!2

本日の教室は、般若寺の本堂。
スタッフがお伺いすると、既に毛氈を敷いていただいており、演台には、本日が講演デビュー戦であることを象徴するかのように、プロボクサー時代のグローブなどが置いてあり、先生・工藤顕任さんの本日の授業に対する気迫を感じました。

温故知新で新しい一歩を!3 温故知新で新しい一歩を!4

さて、授業開始に先立って、学生のみなさんの参加のきっかけは・・・
◎お若い僧侶はどういうお話をされるのか、興味があって
◎近くに住んでいて一度伺いたいと思っていたので、良い機会をいただいた
◎平城遷都1300年祭に参加して、もっと奈良を知りたくなったので
◎僧侶としてどういうことをしておられるか聞きたくて
などでした。

工藤さんは、般若寺の長男として生まれ、子どものころからお寺を背負っている自覚はあるものの、ボクサーに憧れその道を精進されましたが、ご住職が病に臥されたこともあり、家を継ぐ決意をされました。
修行中は、朝1時に起床し1分も無駄にせず過ごされたそうですが、
「修行してどういう意味があるのか?」
「ボクシングは、血のにじむ練習が練習分結果として出るのに、仏様は結果をくれない」
など、心の迷いがあったそうです。
しかし、他のお坊さんの話を聞いたり、参拝者を見て、
「結果ではなく拝む行為に意味があるように思えてきた」
「今振り返るとボクサーになったのは偶然ではなく、お坊さんになるためのプロセスだったように思う」
「今、苦しいことがあっても、仏様が自分に試練を与えてくださっていると思うようになってきた」
と、おっしゃっていました。

温故知新で新しい一歩を!5

お話を聴いた後、学生のみなさんは車座になり、工藤さんへの質問などを話し合いました。
それぞれの質問を他人任せにせず自分で質問し、また自分の意見をしっかり述べられていました。

温故知新で新しい一歩を!6

これからの目標は、「温故知新を大切にし、偉くなくても人に親しまれるお坊さん、人に垣根を作らない身近な存在、落ち着ける場所を提供できるような人になりたい」と熱い思いをもって話されていました。

温故知新で新しい一歩を!7

工藤さんのお話中、本堂の受付のところから、お母さんが心配そうにずっと見つめていた姿が印象的でした。終わったときの安堵の表情もまたよかったです。工藤さんのこれからの活躍に期待したくなる授業でした。

授業レポートもぜひご覧ください♪
フレンドリーなお坊さん

(谷)

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