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お茶の香りに包まれて・・・

2016.08.27 | 授業 | by Staff

8月27日(土)の授業「東アジア文化都市2016奈良市×奈良ひとまち大学 meets 大和茶 ~日本の茶伝来の地、奈良で茶を知る~」を奈良県農業研究開発センター大和茶研究センターで行いました。
私は久々の応援スタッフです。

ところで、「大和茶研究センター」って?と、初めて耳にする方もおありでは。
奈良市の東部地区の玄関口、田原地区に存在する県の施設。
大和茶の振興を図るため、研究や技術指導、担い手養成を行っているところなのです。
敷地内にはお茶の工場や茶畑もあるのですよ。

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そうそう、小学生が社会見学でよく来るところです♪
私の地元でもあり、当日は勇んで参りました。
巷では迷走台風が南でUターンして本州へ接近とのニュースが・・・
折角なら晴天で緑が映える田原の風景を見てほしかったなあ~と曇天の空を恨みながら教室へ。

お茶の香りに包まれて・・・_2

到着すると既に、市街地から来る他のスタッフが会場入りをしていました。
「一番近いのにごめんなさい!」と作業に合流。
本日の教室は2階の角部屋、大きく取られた窓。
田んぼや木々の緑など、田原の風景を感じていただけそうです♪

お茶の香りに包まれて・・・_3

予定していたミニホイロを設置する作業は既に前日に完了していて、センターの職員さんに感謝感謝!
数多い部品を16セットも組み立てる大変な作業を、本当にありがとうございました。
残す作業は、16台のホイロに手揉み用の茶葉を取り分けること、電気コードの養生や資料の配置、それに受付の準備。
組み上がった奈良ひとまち大学ののぼり旗を見て、今日の授業にぴったりな色だなあ~とニンマリ。

お茶の香りに包まれて・・・_4

そして先生方にご挨拶。 
久保田農園園主の久保田清徳さん、そして一緒に手揉み茶の指導をしていただく大和茶研究センターの職員さん、奈良手もみ茶振興会さん。
2人1組でホイロの上で手揉みの体験をしながら、久保田先生に大和茶にまつわる様々なお話をしていただくプログラムです。
「本日はどうぞよろしくお願いします。」

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予定より少し早めに1階で受付を開始すると、学生のみなさんが続々と到着されました。
本日の学生さんは31人の予定。
親子やご夫婦、お友達と、2人で参加の方も多く見られます。
手揉み茶の体験ということで、みなさん少し緊張気味かな?
県道入口で誘導をしていたスタッフに声をかけて教室に戻ると、既に授業が始まっていました。

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授業の様子は「ひとまちレポート」もご覧ください♪
「大和茶講座」
http://nhmu.jp/report/26448

1つのホイロを2人ずつで担当し、正面のスクリーンに映し出された手揉みの映像を見ながら、同じような手つきで、お茶を捌いています。
「なるほど、これはわかりやすい!!」
しかも映像だけではなく、大きな文字で作業の説明が繰り返し流れています。

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みなさん最初は慣れない手つきで神妙な面持ちです。
ホイロの下の電気コンロの熱が上のパッドを温め、その上のお茶も少しずつ温まり、ほのかにお茶の香りが漂ってきました。
このお茶は、今年の春の初茶を蒸して冷凍されていたものだとか・・・。

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ひとりで作業されている学生さんのホイロで、私も手揉みに挑戦させてもらいました。
お茶の柔らかくてほんのり温かい感触が、なんとも心地よいものです。
まだまだ茶葉は完成には程遠く、水分をたっぷり含んでぽってりとした状態です。
最初の作業、手で茶葉を持ち上げる「葉振るい」は、表面の水分を取り除く作業。
先生の手揉み茶の完成品は、針のように細長く固くて、色艶が美しいものでした。
徐々にそれに近づいていくのだと思うとワクワクします。

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作業が進むにつれ、当日偶然ペアになった学生さんたちも、おしゃべりが弾み和やかな雰囲気になってきました。
私は、他のスタッフと作業を交代しながら、一番前で見本の手揉みをされている先生のホイロを見学。
さすが先生!なめらかな手の運びで迷いがありません。
他のホイロの様子をのぞきながら教室をウロウロ!
2番目の作業、両手で包み込むようにして茶葉を回転させる「回転揉み」は、内部の水分を揉み出し乾燥させる作業です。
この作業で先生方のOKが出ると、ホイロごとに順次、昼食タイム。

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ここまで立ちっぱなしの作業だったので、みなさんは久しぶりに椅子に腰掛け、パンやおにぎりをほおばりながら、足を伸ばしたり背伸びしたり、疲れた体の休養タイム。

午後からは、「揉みきり」で形を整え、「板ずり」で光沢を出す、という最終作業。
この頃には、ホイロを順番に回ってくださっている3人の先生やお隣のホイロの方とも親しく会話が弾んで、「手揉み茶を完成させる!」という全員の強い思いで教室がひとつになっています。
そして、お茶の香りも最初の青臭さが残る香りから、香ばしい香りに・・・。

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しかし4時間もひたすらお茶に向き合っておられるみなさん、そろそろ身体全体にお疲れの様子が・・・。
「もうひと踏ん張り、頑張ってくださいね!」
「『これはお茶の葉なので、どうやってもお茶にしかなりませんよ』という先生の言葉に励まされた」とおっしゃった方も・・・。
なるほど。そう思うと肩の力が抜けますよね。

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14:00ごろ、全てのホイロの茶葉がつやのある細くて固いお茶になって来ました。
先生の最後のチェックが入ります。
終了の合図が出た方は、「できた~」と、ほっとしたの喜びの声。
OKをもらった方から、ホイロ全体にお茶を広げ30分の乾燥に入ります。
その間、全員に感想の一言をいただきました。

・先生の仕上げたものとは程遠いできあがりで難しかった。
・思っていたよりも手揉み作業は大変だった。しんどかった。
 「本当にそうでしたね!わかりますよ!」
・葉っぱをお茶にしようと考えた先人の知恵が素晴らしいと思った。
・これからはお茶を大切に味わっていただきたい。
などなど、たくさんの感想をいただきました。

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途中、緑茶や甜茶の試飲で喉を潤したみなさん。
まろやかで極上の甘み!!
その美味しさに驚き、さらにはパワーをもらったのではないでしょうか。
今日の授業はお茶の香りに包まれて、茶葉の変化に手で触れて、まさに五感で感じ取る授業でしたね。
最後に久保田先生から・・・
「今、茶農家は来年のお茶に向けて暑いなか茶畑の管理をしっかりと頑張っています。
 今の仕事で来年の一番茶の出来が決まると言います。
 ぜひ来年のお茶に期待してください。」
この言葉に、大和茶を背負う担い手の力強さと自信を感じました。

お茶の香りに包まれて・・・_16

学生のみなさんがご自身で作ったお茶を小さなアルミの袋に入れて、大事そうにお持ちになったのが印象的でした。
お家に戻られ、苦労した手作りのお茶でうっとり至福の時間を持たれることでしょう♪
みなさん本当にお疲れ様でした?
ぜひお帰りに、緑いっぱいの茶畑も眺めていってくださいね。

(蕗)

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