未来へつなぐ情熱
2021.01.30 | 授業 | by Staff
今回の授業は、「映画館『尾花座』を知っていますか ~『なら国際映画祭』で未来へつなぐ~」です。
株式会社尾花の代表取締役社長・中野聖子さんにお話を伺いました。
授業の様子は「ひとまちレポート」もご覧ください♪
「『尾花』という名前」
http://nhmu.jp/report/35356
「『尾花座』が人と人の架け橋に」
http://nhmu.jp/report/35401
ホテル尾花は、明治42年に座主・山田猪三郎さんが建てた芝居小屋の「尾花座」が始まりです。
明治・大正に歌舞伎・浄瑠璃・浪曲・落語などの諸芸能が上演され、大正9年に奈良初の常設映画館「尾花劇場」が開館。
「愛染かつら」は大ヒットして客の行列が猿沢池まで続いたそうです。
その後、テレビの普及など時代の流れとともに映画の衰退により劇場は昭和55年に閉館しました。
そして現在まで続くホテル事業を始められたそうです。
現在、ホテル前には「われらが尾花座ここにありき」と、映画館に象徴される芸能の復活を熱望する狼煙の様な桂米朝筆の石碑があります。
2010年の三条通りのシネマデプト友楽の閉館により、奈良市には映画館が無くなりました。
そこで、奈良での映画の火を消さないようにと、奈良出身の河瀨直美監督を中心として「なら国際映画祭」が隔年開催されるようになりました。
その開催にあたって、元々映画館を経営していて映画に縁のある今回の授業の先生・中野さんに、なら国際映画祭を手伝ってほしいと白羽の矢が立ち、現在まで尽力されています。
なら国際映画祭は、世界遺産の東大寺・興福寺・春日大社などの協力を得て大々的に世界に発信している事業です。
中野さんの夢は、大規模映画館ではなくても奈良駅近辺に地域に根差した映画館を作る、またはネット配信も視野に映画監督の育成・活動の場を広げ、未来に繋げることだそうです。
今回の授業には50人近くの申込があり、新型コロナウイルスの感染拡大予防の観点から20人のみの参加とさせていただきました。
当日は欠席者もなく、質問タイムには多くの方が質問され、学生のみなさんも奈良発の芸能が復活するのを熱望されているのが伝わるひと時でした。
今回の授業で中野さんからこれからの奈良の映画館復活にかける情熱を伺うことができ、映画発展の分野で頑張っている人の熱意に触れ、元気をいただきました。
(谷)