奈良ひとまち大学

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麻の最上は南都なり

2024.03.16 | 授業 | by Staff

奈良ひとまち大学の授業「高級麻布、奈良晒ができるまで ~苧績(おう)みと機織りを実演~」に従事してきました。
教室は、帝塚山大学東生駒キャンパス。
近くを通ることはよくありましたが、大学構内に入るのは初めてです。

麻の最上は南都なり

矢田丘陵の一部に広がるキャンパスは緑が豊かで、高台にあるので見晴らしもよく、東の若草山までよく見通せました。

この日は春休みで土曜日でもあり、大学生の姿はほとんどなく、学生食堂も開かない様子でした。
しかし、立派な校舎がいくつもあり、テニスコートもあって、ちょうど体育館の辺りではバレーボールのユニフォーム姿の学生さんがいて、部活動を行っている声などが聞こえてきて、「平日にはもっと賑やかで活気のあるキャンパスだろうな」と思い浮かべながら、準備にかかりました。

広いキャンパスの中で、どの位置に奈良ひとまち大学ののぼり旗を立てたら分かりやすいかと考えながら、バス停からの進路を歩いてみました。

帝塚山大学で社会人向けに織物の講座をしていることは、以前に大学の広報誌を読んで知って興味を持っていましたので、授業に従事することになり楽しみにしていました。

教室では、講座修了生のみなさんの作品も展示されていて、大切な作品に触れてしまわないよう気を付けました。
大教室の段々の机を上手く活かして大きな作品も広げてあるので、大変見ごたえがあります。

麻の最上は南都なり

教壇の辺りにも作品が並べられています。
授業では、糸と糸をつなぐ「苧績(おう)み」という作業にも機織りにも大変な時間がかかると聞きましたので、これだけの作品を完成させるには、膨大な手間と時間がかかったことでしょう。

授業の様子は「ひとまちレポート」をご覧ください♪
「麻は日本人のこころ、その最上は南都なり」
https://nhmu.jp/report/40780
「現在に受け継ぐ奈良晒」
https://nhmu.jp/report/41003

奈良の『名所図会』を見ながら、真っ白な奈良晒にするさらし場の作業の工程を聞きます。
東大寺近くの依水園の一部も、さらし場だったそうです。

麻の最上は南都なり

最盛期、奈良晒が武士の裃や僧侶の袈裟に多く使用された頃には、佐保山に白雪が積もったようだと歌に詠まれたほどですので、奈良晒が盛んに作られていた様子が思い浮かびます。

その頃の書物に、「麻の最上は南都なり」と記されているそうです。
奈良の晒は染めても美しく、着てもさらっとしているなど、とても高級品だったので、偽物の流通を防ぐために「南都改」と御朱印を押すようにと、なんと徳川家康が厳しく申し付けたとか。
また、ハンコの偽物まで出回り、偽ハンコを押した偽物の布は、今の橋本町辺りで焼き払われ、犯人は額に「悪人」の焼き鏝(こて)を当てられ、ならまち引き回しの上、追放されたそうです。
大変な重罪だったのですね。
それ程、奈良晒は大切にされていたのですね。

麻の最上は南都なり

今回、授業に従事できて、長く住んでいても知らなかった奈良の特産物について教えていただく機会となり、とても勉強になり良かったです。

(ぼちぼち)

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